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DOL AHA2003 学会速報



   


Hypertrophy and Hypertrophic Cardiomyopathy

閉塞性肥大型心筋症における純粋なNaチャネル遮断薬であるピルジカイニドの効果: プロプラノロール、ベラパミル、ジソピラミド、シベンゾリンとの比較

Efficacy of Pilsicainide, a Pure Na Channel Blocker, in Patients with Hypertrophic Obstructive Cardiomyopathy: A Comparison with Propranolol, Verapamil, Disopyramide, and Cibenzoline
閉塞性肥大型心筋症の患者24人を対象に、純粋なNaチャネル遮断薬であるピルジカイニドを 左室流出路の圧較差軽減効果に対して、プロプラノロール、ベラパミル、ジソピラミド、シベンゾリンと比較した。純粋なNaチャネル遮断薬であるピルジカイニドの左室流出路の圧較差軽減効果は、NaチャネルとCaチャネルの両方の遮断効果を併せ持つ、ジソピラミド、 シベンゾリンの効果と同等であった。Naチャネル遮断薬は、Caチャネル遮断薬、β遮断薬と比較し有意に圧較差を軽減した。


Insights into Mechanisms of Beta Blocker Action in Heart Failure

虚血性心筋症患者におけるカルベジロールの有益性と" 狭い"QRS:CHRISTMAS試験の結果より

Beneficial Effects of Carvedilol in Patients with Ischemic Cardiomyopathy and a "Narrow" QRS: Results of the CHRISTMAS Study
カルベジロールは虚血性心筋症患者において左室収縮の同期性を改善させる。この同期性の改善は収縮の改善をもたらす。このことは、このβ遮断薬の虚血性心筋症患者での有効性に新たなメカニズムとして加えられることを示唆している。

カルベジロールはβ受容体に非典型的に結合することによりβ遮断薬のリバウンド現象を予防する

Atypical Binding of Carvedilol to Beta Adrenoceptors Prevents Beta Blocker Rebound Phenomenon
この薬物動態的な研究は、カルベジロールのβ抑制効果は血漿から消失した後も長期間持続することを示している。 投薬をやめた後も、少なくとも44時間はβ抑制効果は持続する。 これは、カルベジロールが受容体に長時間ほぼ不可逆的に結合しているためであると考えられる。


Heart Failure: Additional Prognostic Variables

慢性心不全患者のカルベジロール治療におけるβ-2アドレナリン受容体多型の影響

Beta-2 Adrenergic Receptors Polymorphisms Influence the Effects of Carvedilol in the Patients with Chronic Heart Failure
β-2アドレナリン受容体遺伝子の27番目のアミノ酸がグルタミン酸に変わる多型(Glu27)を持つ心不全患者は、 長期間のβ遮断薬(ほとんどがカルベジロール)投与により、この多型を持たない患者に比べ心機能の著明な改善を認めた。 また、Glu27の患者は、カルベジロール治療前から、この多型を持たない患者に比べ左室駆出量が多く、全身血管抵抗が低かった。


Heart Failure: Immunologic and Receptor Insights

心筋でのiNOS2の発現に対するカルベジロール療法の影響、および拡張型心筋症の患者での βアドレナリン作用の刺激による心筋収縮力の変化

Influence of Carvedilol Therapy on Myocardial Expression of Inducible Nitric Oxide Synthase (NOS2) and the Contractile Response to Beta-Adrenergic Inotropic Stimulation in Patients with Dilated Cardiomyopathy
カルベジロールは、心不全患者のiNOSおよびIL-6の発現を減感作する。これは、iNOS遮断によってドブタミン作用による左室収縮力の増大を抑制することに相当する。これらのデータは、NOSに依存する、炎症が媒介する左室収縮力の調整経路が、カルベジロールのこの有益な効果に、少なくとも部分的には影響していることを示唆している。


Neurohormonal Modulators in Heart Failure: Mechanisms and Use

心不全の代償破綻のために入院し、病状が安定した患者に対し、入院中にカルベジロールを開始することは、 β遮断薬療法の効果を改善する有効な方法である:IMPACT-HF試験の結果

Pre-Discharge Initiation of Carvedilol in Patients Stabilized during an Admission for Decompensated Heart Failure is an Effective Strategy to Improve the Use of Beta-Blocker Therapy: Results of the IMPACT-HF Trial
研究者たちは入院中の心不全患者に対し、カルベジロールを退院前に開始するいくつかの方法を試みた。退院前のカルベジロール投与は、標準的な退院後のβ遮断薬投与開始に比べ、明らかにβ遮断薬の使用を増やした。副作用の増加や入院期間の延長はなかった。カルベジロールを退院前に開始することは、心不全患者において命を救う可能性のある治療法での使用を増やすことに なるかもしれない。

頻拍ペーシングにより拡張型心筋症を来した犬の心筋代謝における基質取り込みに対する カルベジロールとメトプロロールの効果の比較

The Effects of Carvedilol versus Metoprolol Succinate on Myocardial Substrate Preference in Conscious Dogs with Pacing Induced Dilated Cardiomyopathy
カルベジロールは、β1選択的な遮断薬であるメトプロロールにはない、心不全における心筋代謝を改善する効果をもつ。この効果は、これら2つの薬物が動物実験において同じように心拍数を低下させる作用をもっているにもかかわらずみられる。したがって、この効果はおそらくカルベジロールのもつβ2遮断作用とα1遮断作用によるものと考えられる。


Pediatric Cardiology

ACE阻害薬ペリンドプリルによりDuchenne型筋ジストロフィー症の小児での左室機能障害の発現・進行を抑制できる

Perindopril Prevents the Onset and Progression of Left Ventricular Dysfunction in Children with Duchenne Muscular Dystrophy
ACE阻害薬ペリンドプリルを早期にDuchenne型筋ジストロフィー症(DMD)の小児に投与した。 その結果、ペリンドプリルはその後のLVEF(左室駆出率)の低下を抑制できることが示唆された。


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