ACC2003は第一製薬(株)の提供です。


DOL ACC2003 学会速報

 
 
Medical Director
Bruce B. Dan, M.D.
日本語版監修
篠山重威(浜松労災病院院長)



 オーディオ の付いている演題は音声付きです。

ACCIS 2003:
Late Breaking Clinical Trials in Interventional Cardiology I

BRITE II試験:ステント内再狭窄の治療のための新しい32P放散バルーンシステムに関する多施設共同無作為試験

The Brite II Trial: A Multicenter Randomized Study of a Novel 32P Deployable Balloon System for the Treatment of In-Stent Restenosis

この試験の中間解析ではステント内再狭窄の治療のために、ベータ照射用に特別に設計されたカテーテルシステムによって標的血管の再灌流の必要性を9ヵ月間で42%減少させたことが示された。ステント内再狭窄率もきわめて低値であったと報告された。これらの結果は血管内近接照射治療がステント内再狭窄の治療に特に有効であることを確証するものである。




ACCIS 2003:
Late Breaking Clinical Trials in Interventional Cardiology II

TAXUS II Paclitaxel-Eluting Stent(パクリタキセル溶出ステント)試験の12ヵ月間臨床追跡結果

12-Month Clinical Follow-Up of the TAXUS II Paclitaxel-Eluting Stent Study
オーディオ
パクリタキセル溶出冠動脈ステントの臨床的有効性は長期に持続するものと思われる。このことから薬物溶出ステントは主要心血管系イベントの発生を遅らせるのではなく、実際に抑制することが示唆される。さらに、試験結果はステント留置後6ヵ月経ってからでも抗血小板治療を安全に中止することができることを支持するものである。

DELIVER試験:冠動脈病変の治療に対するパクリタキセルでコートされたステントとメタルステントの無作為比較

The DELIVER Trial: A Randomized Comparison of Paclitaxel-Coated versus Metallic Stents for Treatment of Coronary Lesions
オーディオ
無作為対照試験において、パクリタキセルでコートされたステントはむき出しのメタルステントに比して、標的血管の再灌流という点に関して統計的に有意ではないが、ある程度の減少をもたらした。しかし、この試験では"標的血管不全"(死亡、心臓発作、冠動脈インターベンションを再度必要とする)と血管造影上の2元的狭窄という主要エンドポイントには差がみられなかった。

葉酸塩治療はステント内再狭窄を増加させる:Folate After Coronary Intervention Trial(冠動脈インターベンション後の葉酸塩試験[FACIT])

Folate Therapy Increases In-Stent Restenosis: Results from the Folate After Coronary Intervention Trial (FACIT)

冠動脈ステント治療が成功裏に行われた患者で葉酸塩とビタミンBによる補充治療を行った場合、6ヵ月目における最小血管内径はプラセボに比して有意により狭小となった。再狭窄と主要心臓有害事象の頻度も高かった。したがって、この患者群で葉酸塩による補充療法は薦められないと報告された。




Special Session:
Late Breaking Clinical Trials II

急性心筋梗塞に対する一次的血管形成術を施行する際にGlucose-Insulin-Potassium点滴静注を行った時の梗塞サイズと死亡率

Infarct Size and Mortality After Glucose-Insulin-Potassium Infusion in Primary Angioplasty for Acute Myocardial Infarction
オーディオ
急性心筋梗塞で一次的血管形成術のため一施設で入院治療を受けた患者にグルコース、インスリン、およびカリウムの併用点滴を行ったオープンラベルの無作為対照試験の成績が発表された。患者全体としては30日間の死亡率は減少したが有意ではなかった。しかし、Killipクラス1度の患者ではその減少は有意であった。また点滴治療によって、酵素レベルの経時的測定によって評価した梗塞サイズと左室機能にも改善がみられた。



Special Session:
Late Breaking Clinical Trials III

新しい冠動脈病変を有する患者の治療におけるsirolimus溶出ステントの有効性を評価するカナダの多施設無作為二重盲検試験:C-SIRIUS

The Canadian Multicenter, Randomized, Double-Blind Study of the Sirolimus-Eluting Stent in the Treatment of Patients With De Novo Coronary Artery Lesions: C-SIRIUS

Sirolimus溶出ステントは最小血管に長い病変をもつ患者においてステント内再狭窄を阻止する。これらの患者では再狭窄のリスクが非常に高い。9ヵ月におけるイベントフリーの生存率は96%であった。これらの成績から最小血管に長い病変を有する患者でsirolimus溶出ステントは有効であることが示唆される。



目次へ





お問い合わせ  -  プライバシーポリシー  -  免責条項  -  著作権  -  会員規約
Copyright 2003 by DOL Inc. All rights reserved.