DOL AHA2002 学会速報
Plenary Session I:
心房細動―ベンチからベッドサイドへ
Atrial Fibrillation - From Bench to Bedside
心房細動の薬物療法:経験的療法を越えうるか?
Pharmacologic Therapy of Atrial Fibrillation: Can We Move beyond Empiricism?
Falk博士はプレナリー・セッションで、心房細動の経験的療法を越えるには動物実験や、臨床での後ろ向き試験データの蓄積、そして前向き臨床試験のデータが必要である、と述べた。また、不整脈の臨床試験としては、心房細動と心房粗動を区別することや、補助的治療法の可能性に関する前向き臨床試験を設計することについて発表した。
非薬物療法:アブレーションと除細動
Non-Pharmacologic Therapy: Ablation and Defibrillation
心房細動に対する薬物療法はしばしば無効であり、副作用を生じたり、繰り返す除細動や入院治療を必要とする。このため非薬物療法による心房細動への取り組みは積極的に行われてきた。その中心は除細動とアブレーションである。
心不全治療における神経体液因子の相互作用
Neurohormonal Interactions in the Treatment of Heart Failure
虚血性左室収縮機能障害を有する患者においてレニン−アンジオテンシン−アルドステロン系に対するカルベジロールの有効性
Effects of Carvedilol on the Renin-Angiotensin-Aldosterone System in Patients with Ischaemic Left Ventricular Systolic Dysfunction
カルベジロール内服を追加することは、ACE阻害薬内服中の虚血性左室収縮機能障害を有する患者において、血漿レニンやアルドステロン濃度を低下させる可能性がある。このことから、ACE阻害薬内服中の心不全患者にカルベジロール内服を追加することで単なる付加効果以上の作用が期待できるかもしれない。
軽度から中等度慢性心不全患者におけるカルベジロールとスピロノラクトンの併用効果
The Effect of the Concomitant Use of Carvedilol and Spironolactone in Patients with Mild to Moderate Chronic Heart Failure
軽度から中等度慢性心不全患者において、カルベジロールとスピロノラクトンの併用療法は各々単独で使用した場合に比して臨床検査指標をより大きく改善させた。カルベジロールとスピロノラクトン併用療法は、カルベジロール単独療法に比して左室駆出率をより大きく改善させたことは注目すべきことである。
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