ピオグリタゾンとインスリン使用の必要性
  冠動脈形成術開始遅延の重要性

 6月6日のDOL NewsはDDW & APA特集のため、こちらをご覧下さい。
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ピオグリタゾンはハイリスクのII型糖尿病患者の重大な心血管有害事象発症率を低下させ、インスリン使用の必要な時期を遅らせる [2006-06-27]

Pioglitazone reduces the rate of major adverse cardiovascular events and delays the need for insulin in high-risk patients with type 2 diabetes
PROactiveトライアルデータの新たな解析の結果、ピオグリタゾンはハイリスクのII型糖尿病患者の重大な心血管有害事象発症率を低下させ、インスリン使用の必要な時期を遅らせることが示された、とAmerican Diabetes Association学会で発表された。スタディ終了までに、全死亡、非致死的心筋梗塞、非致死的脳卒中、または急性冠症候群を含むエンドポイントに到達した患者の割合はプラセボ群と比較し有意にピオグリタゾン群で低かった(13%対15.5%)。ベースライン時点でインスリンを使用していた患者においては(ピオグリタゾン群864人、プラセボ群896人)、インスリン使用量が持続的に増大したプラセボ群に比較し、ピオグリタゾン群では持続的に減少した。スタディ終了までにピオグリタゾン群のうち9%がインスリンを中止できたのに対しプラセボ群のその割合は2%であった。ベースライン時にインスリンを使用していなかった患者(ピオグリタゾン群1741人、プラセボ群1737人)のうち、3年後に持続的なインスリン使用となった患者の割合はプラセボと比較しピオグリタゾン群で50%減少した。

緊急血管形成術施行の遅延を軽度でも短縮することにより急性心筋梗塞患者の生存率を改善する [2006-06-27]

Even slight reductions in the delay to deliver emergency angioplasty can improve survival of patients with acute myocardial infarction
緊急血管形成術施行の遅延を軽度でも短縮することにより、発症から病院到着までの時間にかかわらず、全ての急性心筋梗塞患者の生存率を改善する、とJournal of the American College of Cardiology 6月6日号に掲載された。病院到着から6時間以内にカテーテルインターベンションを施行された患者29,222人のうち、冠動脈形成術を来院後90分以内に施行された患者の院内死亡率は3%であったのに対し、治療までに3時間以上経過した患者の院内死亡率は7.4%であった。発症から来院までの時間を1時間以内、1〜2時間、2時間以上に分類し、サブ解析した結果、どの群においても同様のパターンが認められた。すなわち、患者がハイリスクであるなしにかかわらず、冠動脈形成術の施行が早いほど死亡率が低かった。
 
 
 

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