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高線量率小線源療法は悪性黒色腫以外の皮膚がんの手術に対する有効な代替療法である [2019-12-17] |
High dose rate brachytherapy offers effective alternative to surgery for non-melanoma skin cancer |
一般的な皮膚がんを有する高齢患者の治療として高線量率小線源療法を使用することは治癒率および整容性において非常に優れている、と2019 annual meeting of the Radiological Society of North America で発表された。早期扁平上皮がん(SCC)および基底細胞がん(BCC)を有する患者70人(年齢中央値85歳)が治療を受けた。これには鼻、顔面、前額部、頭皮、耳、頸部および下肢を含む81病変(BCC:53、SCC:28)が含まれた。治癒率はSCC患者で96% であり、BCC患者で98% であった。整容性は90% の症例において非常に優れていた。 |
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TACT試験:MRIガイド下経尿道的超音波焼灼術は前立腺がんを有効に治療し副作用は最小限である [2019-12-17] |
TACT: MRI-guided transurethral ultrasound ablation effectively treats prostate cancer with minimal side effects |
新たなMRIガイド下経尿道的超音波焼灼術は前立腺がんを有効に治療し副作用は最小限である、とのTULSA-PRO® ablation clinical trial(TACT)の結果が2019 annual meeting of the Radiological Society of North America で発表された。12か月後、臨床試験対象者の前立腺容積は術前に平均 39 cm3 であったものが、治療後には 3.8 cm3 まで減少した。また臨床試験対象者の80% において臨床的に有意ながんが消滅し、1年後の生検では111人中72人(65%)にがんの所見が認められなかった。血液中の前立腺特異抗原(PSA)値は、中央値が95% 低下した。重度の毒性は低率で、消化管合併症は認めなかった。 |
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10年間の心血管疾患リスクが高いと、がん発症リスクは3倍に増大する [2019-11-19] |
A high 10-year cardiovascular disease risk score triples the risk of developing cancer |
心筋梗塞既往者は心血管疾患を有さない者に比べがん発症リスクが高い可能性がある、と American Heart Association's Scientific Sessions 2019 で発表された。10年動脈硬化性心血管疾患(ASCVD)リスクが20% 以上の者は、ASCVD リスクが5% 以下の者に比べ、何らかのがんを発症するリスクが3倍以上であった。BNP が高い者は、BNP が低い者に比べ、15年間の追跡期間中にがんを発症する確率が高かった。今回のスタディは、ベースライン時のBNP上昇が将来のがんリスクと関連があることを示した初めてのものである。 |
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ヨーグルトおよび繊維質の豊富な食事は肺がんを予防するようである [2019-11-05] |
A diet high in yogurt and fiber consumption appears to protect against lung cancer |
繊維質およびヨーグルトの豊富な食事は肺がんリスクを低下させる、と JAMA Oncology に掲載された。高繊維質およびヨーグルトの豊富な食事の有益性は、既に心血管疾患や消化器がんに対して確立されている。今回の肺がんに関する新たな所見は、米国、ヨーロッパおよびアジアにおける140万人のデータ解析結果に基づくものである。ヨーグルトおよび繊維質摂取が最大である人々は、ヨーグルトを摂取せず繊維質摂取量が最小の人々に比べ、肺がんリスクが33% 低かった。この健康に関する有益性は、そのプレバイオティクスおよびプロバイオティクスの特性に基づくものであろう、と筆者らは述べている。 |
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レナリドミドは骨髄腫関連骨障害および臓器障害の発現を遅延させる可能性がある [2019-11-05] |
Lenalidomide may delay onset of myeloma-related bone and organ damage |
無症候性くすぶり型多発性骨髄腫において最大のランダム化トライアルの結果、化学療法薬レナリドミドが骨髄腫関連骨障害および臓器障害の発現を遅延させる可能性があることが示唆された、と Journal of Clinical Oncology に掲載された。この薬剤を投与された患者のほぼ半数で治療が奏効し、一方、治療せずに経過観察された患者では変化は認められなかった。症候性骨髄腫からの無増悪期間は、非投与患者に比べ、レナリドミド投与患者において有意に長かった。重篤な有害事象はレナリドミド投与患者の28% に発現したが、これらは用量低減により対処可能であると考えられた。 |
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運動耐容能は小児白血病既往者の認知面の健康に影響する可能性がある [2019-10-29] |
Exercise capacity may affect cognitive health of survivors of childhood leukemia |
急性リンパ芽球性白血病既往者における運動耐容能低下と神経認知的問題との関連が CANCER 早期オンライン版に掲載された。コントロールに比べ、既往者は心肺持久力が低く、注意力、記憶力、および学力などの神経心理学的検査の結果が不良であった。年齢、性別、放射線治療および化学療法、喫煙の有無、そして身体活動で補正後、運動耐容能の向上は、既往者の様々な神経心理学的検査の結果が良好であることと関連していた。1日30分のウォーキングなどの運動耐容能の小さな改善が、白血病既往者の知的健康度に顕著な影響を及ぼし得る、と筆者らは述べている。 |
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スタディの結果、がん疼痛に対処する時は心理症状を早期に評価する必要性が強調された [2019-10-29] |
Study emphasizes need to evaluate psychological symptoms early when addressing cancer pain |
重度の不安や抑うつを訴えるがん患者は、がんによる疼痛をより強く感じる、と2019 Supportive Care in Oncology Symposium で発表された。人種、低所得、腫瘍部位、および進行がんなどの患者特性は、疼痛強度の予測因子であった。さらに、不安、抑うつ、およびソーシャルサポートは疼痛強度に影響する有意な因子であった;これらの関連は患者特性で補正しても、依然として認められた。診断1年後に苦痛のスクリーニングを行った結果、不安や抑うつの疼痛に対する影響は、受けているソーシャルサポートのレベルにより差があった。 |
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高気圧酸素治療は遅発性の放射線性膀胱炎の自己申告による症状を軽減する [2019-10-23] |
Hyperbaric oxygen therapy relieves self-reported symptoms of late radiation cystitis |
高気圧酸素治療(HBOT)は、骨盤領域のがんに対する放射線療法の自己申告による症状および副作用を緩和する可能性がある、と Lancet Oncology に掲載された。これは、高気圧酸素治療と標準治療とを比較した、初めてのランダム化コントロールスタディである。高気圧酸素治療を30〜40回行った結果、多くの患者は出血、失禁、および疼痛が軽減した。高気圧酸素治療群において、3人に2人が回復したと感じ、一部の症例では全ての症状が消失した。コントロール群を含む他の患者においては、大きな変化は認めなかった。 |
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モノクローナル抗体治療と導入化学療法の併用は高リスク神経芽腫の予後改善において有望である [2019-10-23] |
Monoclonal antibody treatment combined with induction chemotherapy yields promising outcomes in high-risk neuroblastoma |
治験薬抗GD2 モノクローナル抗体と導入化学療法の併用は、新たに高リスク神経芽腫と診断された小児患者の2年無イベント生存率において有望である、との第II相試験の結果が Clinical Cancer Research に掲載された。研究者らは、dinutuximab と同じエピトープに結合するがアレルギー反応を軽減するようにヒト化され、疼痛を軽減するように修正され、抗体依存性細胞介在性傷害が増強した抗GD2抗体、hu14.18K322A を用いた。2年無イベント率はhu14.18K322A 群で85.7% であったのに対し、導入化学療法中に抗GD2 抗体を投与されなかった従来通りのコントロール群では50% であった。 |
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女性のQOLに対しホルモン療法は化学療法よりも大きな影響を及ぼす [2019-10-15] |
Hormone therapy has bigger impact than chemotherapy on women's quality of life |
一般的に考えられているのとは逆に、乳がんに対するホルモン療法は化学療法よりも広範かつ長期にわたりQOL を悪化させる、とのCANTO コホートの解析結果が Annals of Oncology に掲載された。調査対象全体において、診断から2年後のQOL は全体的に低下していた。この低下度は、特に閉経後にホルモン療法を受けた患者において大であった。対照的に、化学療法は閉経前女性において、特に認知機能悪化に関して、QOL に大きな影響を及ぼした。 |
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