DOL IPA 2003 学会速報
Submitted Symposia




Vascular Cognitive Impairment
血管性認知障害における非認知障害(行動)症状について
Non-Cognitive Behavioral Symptoms in Vascular Cognitive Impairment
 
発表者のRockwood博士の研究は血管性認知障害(VCI)における非認知障害つまり行動・心理症状(BPSD)についての研究である。血管性認知障害には3つのタイプがある。1)血管性痴呆、2)血管性痴呆とアルツハイマー病の合併、3)血管性認知障害で痴呆を伴わないもの(これはしばしばvascular cognitive impairment no dementiaを短くしてvascular CIND「血管性CIND」と呼ばれる)がそれである。最近新たに定義された血管性CINDは臨床的な特徴をもって他と区別される。発表者は、彼らの研究データを入念に分析すれば、いずれは、血管性CINDの診断や介護における予後の判定が正確にできるようになると考えている。
血管性認知障害(Vascular Cognitive Impairment, VCI)は予防することができるか?
Can Vascular Cognitive Impairment Be Prevented?
 
これまで広範に行われてきた疫学研究では、心血管系疾患の4大危険因子は高血圧、糖尿病、喫煙、肥満であるとされているが、これらはまた、血管性認知障害や痴呆の危険因子でもある。中でも高血圧は最も重要な認知障害の要因であるが、Gorelick博士はこれまで発表された文献に基づいて、高血圧による血管内皮細胞の損傷で生ずる脳障害のための認知障害である、と説明できるとしている。結論として、彼は、高血圧の診断と治療の重要性を強調している。つまり、彼によれば、壮年期に心血管系疾患を積極的に治療することが後に血管性認知障害や痴呆となる危険性を減らすことになる。



Behavioral and Psychological Symptoms in the Elderly: Results from European Studies
老年期の攻撃性と焦躁の早期発見
Early Detection of Agressiveness in a Long Term Care Unit
 
報告者は臨床症状の出現する以前、あるいは軽度の攻撃性と焦躁を見出す検査方法を開発した。このOCEAAN Warning Score(OWS)と呼ばれる検査は信頼性があり、介護施設で簡単に使用できる。そのため、この検査は、老人ホームやその他の介護施設で働く看護師や医師にとって有用である。
欧州アルツハイマー病協会における行動・心理症状(BPSD)の研究
BPSD in Europe: an EADC Study Behavioral and Psychological Symptoms of Dementia (BPSD) in Europe: A Report of the EADC BPSD Thematic Group
 
Byrne博士はヨーロッパにおけるBPSDについての調査結果を報告した。この調査は介護に関連のある項目を主としたもので、他のBPSD調査に含まれない症状も対象とした。最も多い症状はアパチー(apathy)であった。



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