DOL ASCO2001 学会速報


婦人科癌
Gynecologic Cancer

 進行性卵巣癌の初回治療におけるドセタキセル・シスプラチンとサイクロフォスファマイド・シスプラチンの薬理経済学的比較
 A Pharmacoeconomic Comparison of Docetaxel and Cisplatin vs Cyclophosphamide and Cisplatin as First-Line Chemotherapy for Advanced Ovarian Cancer
 
 ロシア医科学アカデミーの研究者達が進行性卵巣癌の初回治療におけるドセタキセル・シスプラチンとサイクロフォスファマイド・シスプラチンの対費用効果について比較検討した。サイクロフォスファマイド併用の方が最初の費用は安いのだが、治療効果と初回治療が失敗に終わった場合の次の治療に要する費用を比較にいれると、対費用効果は同等であった。

 
 卵巣癌:治療法の進歩
 Ovarian Cancer: Therapeutic Advances
 
 
 早期上皮性卵巣癌取り扱いの進歩
 Advances in the Management of Early-Stage Epithelial Ovarian Cancer
 
 米国では年間23,000例以上の卵巣癌が新規に診断される。上皮性卵巣癌の3分の1が、限局された病変、つまりT、U期である。手術による期別分類を統合的に行うことが、正確な診断の根拠に、また適切な治療の選択、予後の判定に必要である。初期卵巣癌の患者は、手術および病理学的所見により低危険群と高危険群とに二分される。Gershenson博士は手術による進行期別分類を十分に行うにはどうしたらよいか、また高危険群における再発防止の補助化学療法の役割について発表した。
 
 再発上皮性卵巣癌の治療
 Treatment of Relapsed Epithelial Ovarian Cancer
 
 Gore博士は、およそ70〜80%の上皮性卵巣癌患者は進行した状態で見つかるという。化学療法による初回治療効果は高いものの、大部分が再発する。博士は、補助化学療法を受けなかった早期癌患者のうち術後再発をきたしたものも進行癌と同じグループとして扱っている。博士は発表の中で、このグループの患者の治療を考えるうえで考慮すべき様々な側面について説明した。
 
 上皮性卵巣癌の初期治療
 Primary Therapy of Epithelial Ovarian Cancer
 
 McGuire博士は、上皮性卵巣癌の初期治療の90年代における主な進歩について論じた。また現在検討されている治療法の選択についても述べたが、これは初期治療の一部としての化学療法の意義を将来明らかにすることとなるであろう。

 転移性子宮頚部扁平上皮癌患者初回治療におけるイリノテカン単剤、シスプラチン併用、シスプラチン単剤の治療効果についての無作為第U相試験
 Randomized Phase II Study of Irinotecan or Irinotecan in Combination with Cisplatinum or Cisplatinum in First Line in Patients with Metastatic Squamous Cell Carcinoma of the Cervix
 
 過去25年間、55種以上の薬剤が転移性子宮頚部扁平上皮癌患者の治療に試用されてきたが、未だ有用なプロトコールは報告されていない。Garin博士はイリノテカンとシスプラチンの併用が現在まで用いられたどの単剤よりもこの癌に有効であることを報告した。


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