DOL AHA2002 学会速報






 
 

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心不全治療における神経体液因子の相互作用
Neurohormonal Interactions in the Treatment of Heart Failure

虚血性左室収縮機能障害を有する患者においてレニン−アンジオテンシン−アルドステロン系に対するカルベジロールの有効性

Effects of Carvedilol on the Renin-Angiotensin-Aldosterone System in Patients with Ischaemic Left Ventricular Systolic Dysfunction
カルベジロール内服を追加することは、ACE阻害薬内服中の虚血性左室収縮機能障害を有する患者において、血漿レニンやアルドステロン濃度を低下させる可能性がある。このことから、ACE阻害薬内服中の心不全患者にカルベジロール内服を追加することで単なる付加効果以上の作用が期待できるかもしれない。
軽度から中等度慢性心不全患者におけるカルベジロールとスピロノラクトンの併用効果
The Effect of the Concomitant Use of Carvedilol and Spironolactone in Patients with Mild to Moderate Chronic Heart Failure
軽度から中等度慢性心不全患者において、カルベジロールとスピロノラクトンの併用療法は各々単独で使用した場合に比して臨床検査指標をより大きく改善させた。カルベジロールとスピロノラクトン併用療法は、カルベジロール単独療法に比して左室駆出率をより大きく改善させたことは注目すべきことである。



左室機能と血行動態
Ventricular Function and Hemodynamics

急性心筋梗塞後のカルベジロール治療とリモデリング:時間経過とともにみられる種々の効果と想定される機序。CAPRICORNエコーサブスタディ

Carvedilol and Left Ventricular Remodeling Following Acute Myocardial Infarction: Variable Effects Over Time and Possible Mechanisms. The CAPRICORN Echo Substudy
カルベジロールは、アンジオテンシン変換酵素阻害薬(ACE阻害薬)に加えることにより、急性心筋梗塞後の左室機能の低下した患者において、リモデリングに関して有利な効果がある。研究者らが報告したところによると、左室収縮末期容量(LVESV)、左室拡張末期容量(LVEDV)、左室駆出率(LVEF)および壁運動スコアインデックス(WMSI)において改善がみられたという。早期の治療効果は、カルベジロールのβ遮断作用と血管拡張作用から生じているようだ。治療の後半では、血管拡張作用は弱まり、効果は主にβ遮断作用から生じている。

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