自発的な身体活動は不安や抑うつを軽減しないようであるが、運動と気分は共通の遺伝因子を介して関連しているようである、とArchives of General
Psychiatry 8月号に掲載された。オランダの研究者らは5,952人の双生児および同胞1,357人と親1,249人を調査した。参加者は18〜50歳であり、余暇の運動についてのアンケートに解答し、不安およびうつ症状を測定する4つの尺度での評価を受けた。遺伝的に一卵性双生児においては、運動をする方が運動をしない者よりも不安やうつ症状が少ないということはなかった。一卵性双生児の一方に運動行動があると、もう一方の双生児の不安や抑うつ症状の予測因子となった。つまり、一方が運動をすればもう一方は症状が軽減する傾向にあった。しかし、遺伝子の一部のみを共有している二卵性双生児や兄弟においては同様のことが当てはまらなかった。さらに、経時的に解析した結果、運動レベルを増加しても不安症やうつ症状が軽減しないことが示された。
|