進行非小細胞肺がんに対するパクリタキセルおよびカルボプラチンに対する忍容性が日本人患者において米国人患者よりも高く生存期間が長いのは、少なくとも一部は化学療法薬の代謝をコントロールする遺伝子多型によるものの可能性があるとの2006年の研究報告が2007年American
Society of Clinical Oncology学会で発表された。研究者らは2つのトライアルの患者156人のDNAを調査し、候補となる6つの遺伝子を評価し、4つにおいて違いを発見した。CYP3A4遺伝子のある多型を有する患者は、この多型を有さない患者と比較し肺がんの進行が2.75倍遅かった。他の遺伝子ERCC2の多型は患者の治療の奏効性に関係するようであった。両群の患者においてグループ全体の中で非典型的な多型を有する者もいたため、筆者らは、人種に基づくのではなく患者個々人のレベルで治療計画を立てるべきであることを強調している。
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