6月12日・19日のDOL NewsはASCO特集のため、こちらをご覧下さい。


  
米国と日本における非小細胞肺がんの生存期間の違いは化学療法薬の代謝に関する遺伝子多型によるものの可能性がある [2007-06-26]  
Difference in survival with non-small cell lung cancer in USA and Japan may be due to variations in genes underlying metabolism of chemotherapeutic drugs

進行非小細胞肺がんに対するパクリタキセルおよびカルボプラチンに対する忍容性が日本人患者において米国人患者よりも高く生存期間が長いのは、少なくとも一部は化学療法薬の代謝をコントロールする遺伝子多型によるものの可能性があるとの2006年の研究報告が2007年American Society of Clinical Oncology学会で発表された。研究者らは2つのトライアルの患者156人のDNAを調査し、候補となる6つの遺伝子を評価し、4つにおいて違いを発見した。CYP3A4遺伝子のある多型を有する患者は、この多型を有さない患者と比較し肺がんの進行が2.75倍遅かった。他の遺伝子ERCC2の多型は患者の治療の奏効性に関係するようであった。両群の患者においてグループ全体の中で非典型的な多型を有する者もいたため、筆者らは、人種に基づくのではなく患者個々人のレベルで治療計画を立てるべきであることを強調している。

Dasatinibは既に確立された慢性骨髄性白血病のセカンドライン治療薬としての役割に加え、ファーストライン療法としても有望である [2007-06-26]  
Dasatinib shows promise as first-line therapy for chronic myelogenous leukemia in addition to its established role as a second-line agent

慢性骨髄性白血病のセカンドラインの治療薬dasatinibをファーストラインとして使用すると現在の標準療法よりも有効である可能性があるとのphase IIトライアルの結果が、American Society of Clinical Oncology学会で発表された。米国のある主要ながんセンターで、1日100mgまたは50mgのdasatinibの有効性を評価する計100人の患者を組み入れる予定のトライアルにおいて、35人を組み入れた。合計34人の患者に初期解析が行われた。細胞遺伝学的完全寛解が3ヵ月時点で77%、6ヵ月で92%、1年で95%の患者において認められた。同じセンターの過去のイマチニブのデータによると6ヵ月時点で1日400mgの奏効率は54%、800mgでは85%であった。しかし、12ヵ月の時点では、イマチニブ400mgを投与された患者の72%および800mgを投与された患者の92%に完全寛解が認められた。Dasatinibは疾患を引き起こす異常蛋白両方に結合するが、イマチニブは片方にしか結合しない。

ロボット技術を用いた手術は、surgical marginの陽性頻度を低下させ前立腺がん患者の生存率を改善する可能性がある [2007-06-05]  
Surgery with robotic technology may reduce the frequency of resections with positive surgical margins and improve survival of patients with prostate cancer

ロボット技術を用いた腹腔鏡下根治的前立腺摘除術はsurgical marginの陽性頻度を低下させ前立腺がん患者の生存率を改善する可能性がある、とAmerican Urological Society学会で発表された。腹腔鏡下根治的前立腺摘除術の確立されたプログラムを有する症例数の多いある施設の研究者らが、一般的な腹腔鏡技術またはロボット支援技術によって治療された限局性前立腺がん患者247症例を検討した。247例中197人が従来の手技、50人がロボット支援技術を施行された。従来の手術を受けた患者のsurgical margin陽性率は18%であったのに対し、ロボット支援技術を施行された患者のその割合は6%であった。

Temozolomideは低悪性度神経膠腫の術後化学療法として有効であり、特にある特異的な染色体欠失のある患者において成績が良好である [2007-06-05]  
Temozolomide is effective postoperative chemotherapy for low-grade gliomas with particularly good results in patients with a specific chromosome deletion

Temozolomideは低悪性度神経膠腫の術後化学療法として有効であり、特にある特異的な染色体欠失のある患者において成績が良好である、とNeurology 5月22日号に掲載された。研究者らはtemozolomideで治療された低悪性度神経膠腫の患者149人を最長30ヵ月調査した。53%の患者においては薬物療法により腫瘍が縮小し、37%の患者において腫瘍の大きさが安定した。しかし、10%の患者においては腫瘍の大きさが25%以上増加した。86人の患者に行なった遺伝子検査の結果、42%が染色体1p/19q欠失を有していた。これらの患者は薬剤への感受性が高く、核型が正常な患者よりも無増悪生存期間が長く、スタディ期間中の死亡率が低かった。

 


 

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