Sertralineは糖尿病患者のうつ病再発のリスクを軽減するようである、とArchives of General Psychiatry
5月号に掲載された。米国の研究者らは、sertralineでうつ病が軽減した糖尿病患者152人(平均年齢52.8歳)を、sertralineまたはプラセボを継続する群に無作為に割り付けた。1年間の追跡調査の結果、sertraline群患者の65.8%が寛解を維持したのに対し、プラセボ群のそれは47.9%であった。うつ病が再発した患者の再発までの期間はsertraline群で226日でありプラセボ群で57日であった。解析の結果、6人を治療すれば1人の患者のうつ病の再発が予防できることが示された(つまり、再発予防の確率は6分の1である)。治療群に関係なく、うつ病のない患者の方がグリコヘモグロビンレベル(平均血糖レベルの重要なマーカー)が良好であった。
定期的に超音波による観察をした結果、妊娠中も大量飲酒を続ける妊婦の胎児は、節酒や禁酒をした妊婦の胎児と比較し頭蓋骨および脳の発育が低下する可能性がある、とAlcoholism:
Clinical and Experimental Research 5月号に掲載された。研究者らは妊娠前に健康を害する飲酒をしていた妊婦167人の定期的な超音波検査のデータを得た。そのうちの97人は大量飲酒者に分類された。大量飲酒者の中で、飲酒を続けている妊婦の胎児の超音波検査の結果、頭位−腹囲比の低下および脳の発達の遅延が観察された。アルコールに暴露された赤ん坊の成長は正常範囲内ではあるが、筆者らは、この結果がメンタルヘルス専門家によって大量飲酒女性(妊娠前が望ましい)に節酒や禁酒の動機付けをする手段となることを願っている。
出産1年後に精神的または家庭内暴力の問題を抱えている母親の子供は3歳時に行動異常を有している確率が高い、とArchives
of General Psychiatry 5月号に掲載された。米国の研究者らは新生児2,756人を3年間追跡した。母親と父親は出産直後および1年後にアンケートに回答した。3年後、研究者らは母親らに子供の攻撃性、不安−うつまたは注意欠陥多動行動に関して質問した。1年後、50%の母親が少なくとも一つの問題を抱えており、22%の子供が少なくとも一つの行動上の問題を有していた。母親の問題の数が増加するにつれ子供が3歳までに異常行動を有するリスクが上昇した。このリスク上昇は、母親の出産前の習慣や父親の精神状態または薬物乱用の問題などで補正しても依然として認められた。
COMBINEスタディの結果、医学的な管理とnaltrexoneまたは特別行動療法はアルコール依存症の有効な治療法であることが示された、とJournal
of the American Medical Association 5月3日号に掲載された。米国の研究者らは、最近アルコールをやめた非常に意欲のある一次アルコール依存のボランティア1,383人を追跡した。8つのグループが医学的な管理と16週間のnaltrexone、acamprosateまたは両者、および/あるいはプラセボを投与され、行動療法を併用されたかまたはされなかった。医学的な管理には内服の遵守や禁酒を促進することに集中した授業が含まれていた。9つ目のグループは行動療法のみを受けた。患者は1年後まで評価された。全てのグループにおいて有意な飲酒の軽減が認められた。Naltrexoneと医学的な管理、行動療法と医学的な管理とプラセボ、Naltrexoneと行動療法と医学的な管理を受けた群において非飲酒日のパーセンテージが高かった。
両側深部脳刺激は難治性大うつ病患者の治療として有望である、とAmerican Association of Neurological
Surgeons学会で報告された。薬物療法、心理療法、電気痙攣療法などに治療抵抗性のうつ病患者計6人(女性4人、男性2人、平均年齢48歳)の前内包腹側に両極性のリードを定位的に埋め込んだ。術後最短6ヵ月後に6人中4人の患者においてうつ病の重症度が50%以上軽減した。QOLの尺度も改善し、また、気分や機能面でも前進的な改善を認めた。同じ研究チームは、難治性強迫性障害患者9人の追跡調査(最低2年間)の結果、この治療技術は他の治療法が不成功に終わった場合の安全かつ有効な手段となりうることを示した。
両側深部脳刺激は難治性大うつ病患者の治療として有望である、とAmerican Association of Neurological
Surgeons学会で報告された。薬物療法、心理療法、電気痙攣療法などに治療抵抗性のうつ病患者計6人(女性4人、男性2人、平均年齢48歳)の前内包腹側に両極性のリードを定位的に埋め込んだ。術後最短6ヵ月後に6人中4人の患者においてうつ病の重症度が50%以上軽減した。QOLの尺度も改善し、また、気分や機能面でも前進的な改善を認めた。同じ研究チームは、難治性強迫性障害患者9人の追跡調査(最低2年間)の結果、この治療技術は他の治療法が不成功に終わった場合の安全かつ有効な手段となりうることを示した。
急性心筋梗塞で入院した後に最もうつ病になりやすいのは60歳以下の女性である、とArchives of Internal
Medicine 4月24日号に掲載された。うつ病は心筋梗塞後の予後を不良とするため、米国の研究者らは急性心筋梗塞で入院した女性814人および男性1,684人を評価した。入院から約3日後、22%の患者がうつ状態であった。彼らは合併症を多く有する傾向にあり、概して健康状態が不良であった。若年(60歳以下)の女性は高齢の男性よりもうつ状態になりやすかった。うつ病の有病率は60歳以下の女性で40%、61歳以上の女性で21%、60歳以下の男性で22%、61歳以上の男性で15%であった。筆者らは、退院前のうつ病患者の積極的なスクリーニングおよび初期治療の必要性を強調している。