AHA Late Breaking Clinical Trialの発表によると、ピオグリタゾンはインスリン抵抗性を改善する上に動脈硬化の伸展を抑制する可能性がある。研究者らは米国の成人462人(平均年齢60歳)をピオグリタゾンと、別の作用機序をもつ糖尿病治療薬グリメピリドに無作為に割り付けた。登録時と24、48、72週目に頸動脈の内膜中膜壁厚が計測された。ベースライン時の平均壁厚は両群間で同等であった(0.771mm対0.779mm)。72週目に、グリメピリド群でベースライン時より平均で0.012mmの壁厚増加がみられたのに対し、ピオグリタゾンの壁厚は0.001mm減少した。この研究を通して、両群間に血圧の有意差はなかった。HbA1cのレベルは48週目までは両群で同じであったが、ピオグリタゾン群で有意に低下していった。HDLコレステロールのレベルは、24週までにピオグリタゾン群で増加を示し、研究の間、維持された。
激しい怒りは心室性不整脈を起こしやすい人に不整脈を誘発する可能性がある、とAmerican
Heart Association 学会で発表された。研究者らは除細動器を植え込まれている米国成人1,188人を2年間のスタディに組み入れた。解析は、イベントに対する質問とデバイスが通電を施行する前の気分に対する質問への回答および心電図データの読影をもとに行われた。271のイベントのうち199が心室細動または心室性頻拍に対し通電されたものであった。研究者らは、患者が中等度以上の怒りを感じた時には怒りのない時と比較し心室性不整脈が3.2倍発生しやすいとの結果を得た。通電前に非常に怒りを感じたり猛烈に怒ったと報告した人々は心室性不整脈に対し通電されるリスクが約16.7倍高かった。