閉経後乳がんの既往のある女性は同年代の女性と比較し大腿骨頚部以外の骨折のリスクが高い可能性がある [2005-03-29] 
Postmenopausal breast cancer survivors may have increased risk for non-hip fractures compared with other women of similar age

閉経後乳がんの既往のある女性は同年代の女性と比較し大腿骨頚部以外の骨折のリスクが高い可能性がある、とArchives of Internal Medicine 3月14日号に掲載された。U.S. Women’s Health Initiativeの、乳がんの既往のある女性5,298人および対照群80,828人の4種類の骨折(大腿骨頚部、前腕/手首、椎骨、その他)に対する観察研究のデータによると、5年強の追跡期間における頚部以外の骨折が乳がん群において多かった。このリスク上昇は(年間10,000人当たり68.6件多い)、既知のリスクファクターで補正してもなお認められた。診断時の年齢はリスクに影響しなかった。この結果が正しいとすれば、米国における乳がん既往歴のある女性の骨折は年間13,000例も多いことになる。

サリドマイドは進行膵がん患者における体重減少および消耗の進行を遅らせるようである [2005-03-29] 
Thalidomide seems to slow rate of weight loss and wasting seen in patients with advanced pancreatic cancer
サリドマイドは進行がん患者における体重減少および消耗の進行を遅らせるようである、とGut誌4月号に掲載された。英国の研究者らは末期の膵がん患者50人をサリドマイド200mgまたはプラセボ内服群に無作為に割り付けた。4週後に33人の患者を評価したところ、サリドマイド群の患者における体重減少は0.37kgであり、上腕周囲径が1cm増加したのに対し、プラセボ群ではそれぞれ2.21kgおよび4.46cm減少した。8週後に評価した20人の患者においてもサリドマイド群で効果が認められた。サリドマイドは生存率には影響しなかったが、体重増加は身体能力に影響を与えた。サリドマイドはAIDSおよび結核の患者にも同様の効果が有望視されており、雑誌の論評者は、この薬剤の効果を確認する大規模研究が必要であると強調している。
非小細胞肺がん腫瘍におけるゲフィチニブ耐性の出現と関連した遺伝子変異が発見された [2005-03-08] 
Mutation identified that is associated with development of resistance to gefitinib in non-small cell lung cancer tumors

非小細胞肺がんに関連した遺伝子変異が発見されたことで、腫瘍がどのようにしてゲフィチニブに耐性となるのかが説明され、さらに有効な新薬が開発される可能性がある、とNew England Journal of Medicine 2月24日号に掲載された。ゲフィチニブに反応する患者は、上皮細胞成長因子受容体を有し、ゲフィチニブはそれに結合し受容体機能を阻害する。ゲフィチニブ治療で完全寛解した2年後に再発した患者の腫瘍のDNA配列を解析したところ、新たな変異が認められ、その変異によりゲフィチニブが受容体に結合できなくなってしまっていた。イマチニブで治療されたがん患者の耐性についても同様に説明され、イマチニブ耐性症例に対する第二世代の薬物がすでに臨床試験の段階に入っている。

慢性骨髄性白血病患者に対し新たなワクチンを使用することで従来の治療に対する反応が改善する可能性がある [2005-03-08] 
New vaccine may be able to improve response to conventional therapy in patients with chronic myeloid leukemia
フィラデルフィア染色体に関連した蛋白に対するワクチンは、慢性骨髄性白血病患者の従来の治療に対する効果を改善する可能性がある、とLancet 2月19日号に掲載された。イタリアの研究者らは安定したしかし所見のある患者16人(イマチニブ10人、インターフェロン6人)にそれまでの治療を継続しながら2週間ごとに6回のワクチン接種を行った。イマチニブ使用中の患者10人のうち、9人においては残存病変が進行性に減少し、5人は細胞遺伝子学的完全寛解に達した。インターフェロンアルファ使用中の患者6人のうち5人は疾患の軽減を認め、2人は細胞遺伝子学的完全寛解に達した。論評者は、ワクチンの副作用もなく臨床的に改善を認めたことを賞賛し、現在の患者の追跡調査を継続し今後さらに大規模なトライアルを行うことにより今回の結果を確認しさらに進歩させることができるであろう、と述べている。
原発性甲状腺機能低下症の女性は進行乳がんのリスクが低いようである [2005-03-01] 
Women with primary hypothyroidism seem to have reduced risk for invasive breast cancer

原発性甲状腺機能低下症の女性は甲状腺が正常な女性と比較し進行乳がんのリスクが低いようである、と Cancer オンライン版2月14日号に掲載された。2,226人の女性を対象とした後ろ向きケースコントロール研究において米国の研究者らは、原発性甲状腺機能低下症の女性は進行乳がんのリスクが61%低かったことを見出した。新たに乳がんと診断された女性は対照群の女性と比較し、甲状腺機能低下症を有する確率が57%低かった。さらに、甲状腺機能低下症の既往のある乳がん患者は診断時の年齢が高く、進行が遅く、エストロゲン感受性である傾向にあった。今回の結果から、発がん性や悪性腫瘍の進行に対する他のホルモンの役割や相互作用に関するさらなる研究に拍車がかかるであろう。

クリニックでの簡便で新たな膀胱がん診断のための検査は従来の院外検査よりも有効である [2005-03-01] 
New simple-to-use office test is significantly more effective than conventional laboratory testing for diagnosis of bladder cancer
クリニックでの簡便で新たな膀胱がん診断のための検査は従来の院外検査よりも3倍有効である、とJournal of the American Medical Association 2月16日号に掲載された。米国の研究者らは、血尿を呈し膀胱がんのリスクが高くリスクファクターを一つ以上有する患者1,331人のNMP22腫瘍マーカーアッセイと細胞診を比較した。膀胱鏡検査の結果79人の患者が膀胱がんであると確認された。NMP22アッセイはそのうち55%(79人中44人)において陽性であり、一方従来の細胞診では16%(76人中12人)しか検出されなかった。細胞診は特異度がやや高かった(99対86%)。筆者らは、NMP22と膀胱鏡の組み合わせが膀胱がんの診断法として最も優れていると結論付けている。


 

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