新たな解析法により非小細胞肺がん患者のうちゲフィチニブの効果が得られやすい者を示すことが可能になる [2004-03-30]   
New analysis indicates which patients are most likely to benefit from gefitinib as therapy for non-small cell lung cancer
ゲフィチニブのトライアル結果を再検討したところ、非小細胞肺がん患者のうち、喫煙をしたことがなく肺細気管支肺胞上皮がんである者、または女性においてゲフィチニブの効果が最も得られやすいことが示された、という報告がJournal of Clinical Oncology 3月15日号に掲載された。研究者らは、ある一施設で施行された3つの異なる臨床試験の対象となった患者計139人のデータを再検討した。全体で21人の患者(15%)においてゲフィチニブ療法に対し一部反応が認められた。筆者らは、臨床的、病理学的および画像上の診断は十分に一致しており、また多施設試験では不可能な方法でデータを再評価でき一定である、と述べた。今後の予測因子に関する研究により、表皮増殖因子受容体への結合に対する細胞反応を抑制する治療法が有効な患者を発見できる分子スクリーニング検査が開発される可能性がある。
ある特異的な徴候や症状から前立腺がんに対する組織内照射の合併症のリスクを予測することができる可能性がある [2004-03-30]   
Specific signs and symptoms may predict risk for complications from brachytherapy for prostate adenocarcinoma
尿流速の低下や排尿時痛などの、あるベースラインの徴候や症状から前立腺がんに対する組織内照射の合併症のリスクを予測することができる可能性がある、という報告がMayo Clinic Proceedings 3月号に掲載された。この研究では105人の患者を尿路系疾患罹病率のハイリスク(59人、56%)またはローリスク(46人、44%)に分類した。組織内照射後にハイリスク群の37%に重症合併症が生じたが、ローリスクと判断された患者のその割合は15%であった。編集者は、治療法が増加するにつれエビデンスに基づいたリスク攻略法の価値が上昇すると記している。さらに、このような簡単なベースラインの検査により医師らは治療法に適した患者をよりよく見極めることができ、また治療前の説明も改善する。
臨床試験が始まった新薬の骨髄移植後の移植片対宿主病(GVHD)阻害薬はマウスにおいて有効である [2004-03-15]
New drugs enter clinical trials as inhibitors of graft-versus-host disease after marrow transplantation after showing promise in mice
高用量で使用すると抗腫瘍効果を有することが証明されている新薬は、骨髄移植後のマウスに投与すると、がん細胞を攻撃する免疫系を抑制することなく移植片対宿主病(GVHD)の重症度を軽減させる、という報告がProceedings of the National Academy of Sciences オンライン版3月4日号に掲載された。異種移植を受け低用量のヒストンディアセチラーゼ(HDAC)阻害薬を投与されたマウスは、異種移植を受け無投薬のマウスよりも生存率が60%高かった。薬物を投与されたマウスの中にはGVHDを発症したものもあったが症状は軽かった。最後に、この薬剤は、T-cellががん細胞に結合しそれらを殺すことに関しては何の影響も与えなかった。HDAC阻害薬が異種骨髄移植を受けた患者のがんに役立つかどうかが臨床試験により明らかにされるであろう。
BRCA変異を有する女性においては両側乳房の予防的切除により乳がんのリスクが90%減少し、卵巣摘出も併用するとさらに有効である [2004-03-15]
Bilateral preventive mastectomy may reduce breast cancer risk in women with BRCA mutations by 90 percent and may be even more effective with oophorectomy.
BRCA1及びBRCA2変異を有する女性においては両側乳房の予防的切除により乳がんのリスクが90%減少し、卵巣摘出も併用するとさらに有効である、という報告がJournal of Clinical Oncologyオンライン版 2月23日号に掲載された。483人の女性を対象とした6年間の国際研究である。乳房切除およびそれ以前または同時に卵巣切除を施行された者の乳がんのリスクは約95%低下し、一方卵巣が温存されている者におけるその割合は90%であった。出産後の予防的卵巣摘出術は、卵巣がんのリスクを90%低下させることから、既に推奨されている。
Phase I臨床試験の結果、ヒトにおいて初めてがん特異蛋白抗原により免疫反応が十分に発揮された [2004-03-09]
Phase I trial documents for the first time that a cancer-specific protein antigen can induce a fully integrated immune response in humans
Phase I臨床試験の結果、ヒトにおいて初めて癌特異蛋白組み換え抗原により免疫反応が十分に発揮された、という報告がJournal of Immunology 3月号に掲載された。以前の試験で示されたワクチン特異抗体およびCD8-T細胞に加え、今回は免疫反応を増強および延長させるCD4-T細胞の誘発が認められた。臨床上の反応を観察したり各時点での細胞や抗体の反応を観察するために、患者のフォローアップは継続される。筆者らは、ペプチドではなく完全蛋白抗原を(感染症のワクチンのように)使用したことが今回の完全な免疫反応を得られた原因であると考えている。
最新の埋め込み型義足は小児期または青年期骨肉腫患者において再手術なしに足の長さを延ばすことができる [2004-03-09]
Newest implantable prostheses can extend leg length in child and young adult survivors of osteosarcoma without need for additional surgery
再手術せずに骨の長さを伸ばすことのできる新たな埋め込み型義足は、小児または青年の骨肉腫患者のリハビリテーションにおいてかなり有用である、という報告がMechanical Engineering 2月号に掲載された。最新世代の義足は健側の骨の成長に合わせて長くできる埋め込み型伸張器、および非侵襲的に伸長器の長さを変えられる外部エネルギー源を備えている。伸張器を交換するタイプのこれまでのデバイスは数単位で進展することが可能であるが、長いものに交換する度に手術が必要であり、自然に徐々に成長するものと異なり実際成長した長さよりも相当余計に長いものを埋め込まなくてはならない。
長期の抗生物質内服と乳がんのリスクには明らかな相関関係がある [2004-03-02]
Apparent correlation between long-term antibiotic use and increased risk for breast cancer
抗生物質内服歴の累積期間が長い女性は乳がんのリスクが高い、という報告がJournal of the American Medical Association 2月18日号に掲載された。研究者らは米国のある地域のヘルスプランに参加した女性10,219人のデータを用い、19歳以上の原発性進行乳がん患者2,266人および無作為に選ばれた乳がんを有さない女性7,953人を選び出した。彼らはこの対象者が抗生物質を内服した累計の日数及び一人当たりの処方数を評価した。その結果、累計1〜500日間抗生物質を内服した者はまったく内服をしなかった者と比較し、乳がんのリスクが1.5倍であった。筆者および編集局の記者らは、この研究結果から、感染症にかかりやすく抗生物質を必要とするような免疫状態でありがんが発症しやすい状態が存在する、または消化管において抗生物質が消化吸収を変化させるとのメカニズムがあるなどの仮説がたてられ、将来の研究に役立つであろうと述べている。
新たな手段により転移のリスクの高い悪性黒色腫患者の同定率が改善する可能性がある [2004-03-02]
New method may result in better identification of melanoma patients at increased risk for metastasis
転移のリスクが最も高い悪性黒色腫患者を同定する新たな手段により、綿密なフォローアップが必要な患者に集中して行うべき方法が導かれる可能性がある、という報告がBritish Journal of Cancer 2月号に掲載された。イギリスの研究者らは、黒色腫を取り囲むリンパ管の密度を計測することによりどの腫瘍が転移を起こすかを予測できることを発見した。彼らはこの方法をよ多くの患者に対し試み、予測因子としての能力を確認しさらに従来の腫瘍の厚さを用いた方法と比較する予定である。
 


 

DOLについて - 利用規約 -  会員規約 - 著作権 - サイトポリシー - 免責条項 - お問い合わせ
Copyright 2000-2025 by HESCO International, Ltd.