血栓症予防に対するアムロジピンとエナラプリルの効果を比較したthe
Comparison of Amlodipine versus Enalapril to Limit Occurrences
of Thrombosis (CAMELOT)研究の結果、アムロジピンは正常血圧を有する冠動脈疾患患者の心血管事故のリスクを減少させることが示された、とJournal
of the American Medical Association 11月号に掲載された。この研究は患者1,991人をアムロジピン、エナラプリル、またはプラセボ内服群に無作為に割り付け、24ヵ月間追跡した。一部の患者(274人)は超音波検査で動脈硬化の進行度を検査された。ベースラインの血圧が129mmHgであった患者においては、アムロジピンで血圧は平均5mmHg低下し、心血管事故はプラセボ群と比較し31%の相対リスクの低下が認められた。超音波検査の結果、動脈硬化の進行に関してもアムロジピンは有効であることが示された。一方、エナラプリルは血圧を軽度低下させたが、プラセボと比較して心血管事故の相対リスク軽減は認められなかった。
フラミンガム研究の結果、肥満は心房細動のリスクを50%上昇させる可能性があることが示された、とJournal
of the American Medical Association 11月24日号に掲載された。この研究はベースラインで不整脈を有さない者5,282人(平均年齢57歳;女性2,898人)を対象とした。追跡期間(平均13.7年)中、526人(女性234人)に心房細動が発症した。男性および女性において、年齢で補正した発症率は、肥満度の区分に沿って(正常、過剰体重、肥満)上昇した。心血管疾患リスクおよび心筋梗塞または心不全の合併で補正したモデルにおいて、男性ではbody
mass indexが1単位上昇するごとに不整脈のリスクは4%上昇した。正常体重の者と比較すると、肥満男性は52%、肥満女性は46%心房細動のリスクが上昇した。研究者らは心房細動のリスクが上昇するのは心房拡張が寄与するところが最も大きいのであろうと述べている。
核磁気共鳴画像(MRI)はコンピュータ断層撮影(CT)よりも急性脳出血および脳梗塞における出血性変化のような慢性の出血の検出に優れている、とJournal
of the American Medical Association 10月20日号に掲載された。ある米国の研究で200人の患者(平均年齢75歳、女性55%)を発症から6時間以内にこれらの2つの画像診断法を使用して評価した。中間解析でMRIのほうが優れていることが示されたため、この研究は途中で中止された。血栓溶解療法を決断するのにMRIの所見が有用であるか否かについては、さらなる研究が必要である。