カルシウム拮抗薬に新たな役割か? 
  肥満と不整脈 
  AHA2004 特集(11月22日)
  AHA2004 特集(11月15日)
  AHA2004 特集(11月9日) 
  初期動脈硬化の指標  
  脳卒中の画像の差 

11月9日、15日、22日更新のDOL Cardiology ニュースは
AHA2004特集を掲載しました。
これらをまとめた特集ページも是非ご覧ください。



アムロジピンは正常血圧を有する冠動脈疾患患者の心血管事故のリスクを減少させる 
[2004-11-30]
Amlodipine decreases risk for cardiovascular events and related deaths in patients with coronary artery disease and normal blood pressure
血栓症予防に対するアムロジピンとエナラプリルの効果を比較したthe Comparison of Amlodipine versus Enalapril to Limit Occurrences of Thrombosis (CAMELOT)研究の結果、アムロジピンは正常血圧を有する冠動脈疾患患者の心血管事故のリスクを減少させることが示された、とJournal of the American Medical Association 11月号に掲載された。この研究は患者1,991人をアムロジピン、エナラプリル、またはプラセボ内服群に無作為に割り付け、24ヵ月間追跡した。一部の患者(274人)は超音波検査で動脈硬化の進行度を検査された。ベースラインの血圧が129mmHgであった患者においては、アムロジピンで血圧は平均5mmHg低下し、心血管事故はプラセボ群と比較し31%の相対リスクの低下が認められた。超音波検査の結果、動脈硬化の進行に関してもアムロジピンは有効であることが示された。一方、エナラプリルは血圧を軽度低下させたが、プラセボと比較して心血管事故の相対リスク軽減は認められなかった。

フラミンガム研究の結果、肥満は心房細動のリスクを上昇させる可能性があることが示された [2004-11-30]

Framingham Heart Study data indicate that obesity may significantly increase risk for atrial fibrillation
フラミンガム研究の結果、肥満は心房細動のリスクを50%上昇させる可能性があることが示された、とJournal of the American Medical Association 11月24日号に掲載された。この研究はベースラインで不整脈を有さない者5,282人(平均年齢57歳;女性2,898人)を対象とした。追跡期間(平均13.7年)中、526人(女性234人)に心房細動が発症した。男性および女性において、年齢で補正した発症率は、肥満度の区分に沿って(正常、過剰体重、肥満)上昇した。心血管疾患リスクおよび心筋梗塞または心不全の合併で補正したモデルにおいて、男性ではbody mass indexが1単位上昇するごとに不整脈のリスクは4%上昇した。正常体重の者と比較すると、肥満男性は52%、肥満女性は46%心房細動のリスクが上昇した。研究者らは心房細動のリスクが上昇するのは心房拡張が寄与するところが最も大きいのであろうと述べている。

長期研究の結果、無症状の成人において内皮機能障害は初期動脈硬化の指標であるとのさらなるエビデンスが認められた [2004-11-02]

Longitudinal study provides more evidence that impaired endothelial function is an early indicator of atherosclerosis in asymptomatic young adults
小児期から若年成人期までを追跡したフィンランドの長期研究により、血管内皮機能障害は初期動脈硬化の指標であるとのさらなるエビデンスが認められた、とCirculation 10月26日号に掲載された。2,109人の健常成人(24〜39歳)において、年齢、性別、上腕動脈径で補正した後でも、頚動脈内皮厚が大きいほど上腕動脈の血流依存性血管拡張反応 (flow-mediated dilatation: FMD)の度合いが低かった。内皮機能障害を有する者においては、古典的な心血管リスクファクターの数と頚動脈内皮厚に正の相関関係が認められたが、内皮機能障害を有さない者においては、相関関係は認められなかった。さらなる研究で、内皮機能が優れていることが他のリスクファクターに対し防御的に働くかどうか、また血管内皮障害が動脈硬化の独立した危険因子であるかどうかが明らかになるであろう。

核磁気共鳴画像はコンピュータ断層撮影よりも脳梗塞における出血性変化の検出に優れている [2004-11-02]

Magnetic resonance imaging is better than computed tomography for detection of hemorrhagic transformation of an acute ischemic stroke
核磁気共鳴画像(MRI)はコンピュータ断層撮影(CT)よりも急性脳出血および脳梗塞における出血性変化のような慢性の出血の検出に優れている、とJournal of the American Medical Association 10月20日号に掲載された。ある米国の研究で200人の患者(平均年齢75歳、女性55%)を発症から6時間以内にこれらの2つの画像診断法を使用して評価した。中間解析でMRIのほうが優れていることが示されたため、この研究は途中で中止された。血栓溶解療法を決断するのにMRIの所見が有用であるか否かについては、さらなる研究が必要である。
 
 

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