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乳がんのリスクを計算できる新たな方法はセンチネルリンパ節よりも優れ、腋か手術を決断しやすくする [2003-12-22]
New tool calculates risk for breast cancer beyond the sentinel node and eases decision-making on axillary surgery
コンピュータを使用した新たな方法により、医師らはセンチネルリンパ節生検よりも正確にリスクを評価することができ、腋かリンパ節全郭清を決断しやすくなる、という報告がAnnals of Surgical Oncology12月号に掲載された。米国の研究者らは、患者702人の原発性乳がんの病理学的所見およびセンチネルリンパ節転移の有無に基づくノモグラムを開発した。そしてそのノモグラムをセンチネルリンパ節病変を有する患者373人に対しプロスペクティブに使用したところ、腋かリンパ節転移のリスクを数パーセント以内の程度まで予測することができた。乳がんのノモグラムはこれを開発したMemorial Sloan Kettering Cancer Centerのウエブサイトhttp://www.mskcc.org/nomograms/breastcancerで閲覧可能である。
 

カルシウム補充により大腸がんのリスクを低下させるにはビタミンDレベルを平均より高く保つ必要がある [2003-12-22]

Calcium’s benefit in lowering risk for colorectal cancer requires a higher-than-average vitamin D level
カルシウム補充により大腸がんのリスクを低下させるにはビタミンDレベルを平均より高く保つ必要がある、という報告がJournal of the National Cancer Institute 12月3日号に掲載された。この研究は、カルシウムのサプリメントを飲んでいる者において腺腫性ポリープのリスクが低かったとの結果を示したCalcium Polyp Prevention Study(800人以上の参加者に行った4年以上にわたる無作為トライアル)のデータを再解析したものである。カルシウムの効用を得るには体内の十分なビタミンDが必要であり、また、カルシウムの補充をしている者のみにおいてビタミンDレベルとリスク低下に相関が認められた、との関連を説明するメカニズムは明らかではない。しかし筆者らは、カルシウムとビタミンDは相互に作用することによりポリープを抑制することを強調している。
多発性骨髄腫細胞の起源となりうる幹細胞が発見されたことはこの疾患の治療に対する研究の補助となるであろう [2003-12-16]
Discovery of the stem cell that is the probable origin of multiple myeloma cells may aid research into treatments
悪性多発性骨髄腫細胞の起源と考えられるまれな幹細胞の発見により疾患の長期治療を進歩させる可能性がある、とBlood誌オンライン版12月4日号に掲載された。異常B細胞の表面抗原および抗体の発現パターンを研究している米国の研究者らは、骨髄腫細胞の1%にも満たないそれらに対応する幹細胞を発見した。筆者らは、この臨床上の重要な発見を不要な植物を滅亡させるのに例えて説明している。つまり、植物の根を絶てばそれを永遠に滅亡させることができる。研究者らは、急性骨髄性白血病や急性リンパ球性白血病などの他のがんにおいても同様にこの幹細胞起源のパターンが基礎となっている可能性がある、との仮説を立てている。
 

ホジキン病の既往歴のある患者においては放射線による心血管疾患が従来考えられていたよりも高率に発症している可能性がある [2003-12-16]

Radiation-related cardiovascular disease may be more common in Hodgkin’s survivors than previously thought
ホジキン病の既往歴のある患者においては放射線による心血管疾患が従来考えられていたよりも高率に発症している可能性がある、という報告がJournal of the American Medical Association 12月3日号に掲載された。研究者らはある一施設で1962年から1998年の間に治療を受けた患者400人以上のデータを国内のデータと比較した。来院時の年齢および心血管疾患の特徴から、ホジキン病の既往患者は弁膜症、早期発症の重症動脈硬化および冠動脈疾患、そして頚部の動脈の損傷リスクが高い可能性が考えられた。現代の低用量の照射療法によりリスクは軽減される可能性はあるが、筆者らは、これらの患者においてはそれでもやはり心血管疾患リスクファクターの注意深い評価および密接な長期の調査が必要であると考えている。
早期(Stage IA)の腫瘍サイズの差異により肺がんの生存率の差が予測できる [2003-12-09]
Difference in tumor size in early-stage (Stage IA) lung cancer is predictive of differences in survival
たとえ早期の肺がん(Stage IA、転移のない、腫瘍サイズ3cm未満)であっても腫瘍サイズにより生存率が予測可能である、とCHEST 11月号に掲載された。研究者らは腫瘍切除術を施行されたStage IAの非小細胞肺がん患者244人を評価した。全体の5年生存率は71.1%であり、がん特異性生存率は74.9%であった。腫瘍サイズが2cm以下の患者のがん特異性生存率は81.4%であったが、2cm超3cm未満のその率は63.4%であった。筆者らは、患者にとって最良の治療法を選択するためにStage IAをさらに分類する必要があると述べている。
 

中皮腫細胞により発現される蛋白は疾患の血液マーカーとなりスクリーニングや治療に対する反応をモニターするのに役立つ可能性がある [2003-12-09]

Proteins expressed by mesothelioma cells may be a blood marker for disease screening and subsequent monitoring of response to treatment
中皮腫細胞により発現される蛋白はアスベストに曝露された人々のスクリーニングおよび治療に対する反応のモニターに有用な血液マーカーとなりうる、という報告がLancet 11月15日号に掲載された。融解中皮細胞由来の蛋白レベルは高い特異性をもつ:中皮腫患者44人中37人(84%)において同蛋白のレベルが上昇していたが、一方、他のがんや炎症性の肺または胸膜疾患においては160人中3人(2%)に上昇を認めたのみであり、アスベスト被曝歴のないコントロール群28人においては同蛋白の上昇を認める者はいなかった。さらに、蛋白レベルの上昇が認められた者は、1〜5年以内に中皮腫または肺がんを発症するハイリスクなアスベスト被曝者であることが示された。これと比較し、アスベスト被曝歴があっても蛋白上昇の認められなかった33人においては1〜5年以内に中皮腫を発症した者は認められなかった。
乾癬を有する高齢者はリンフォーマのリスクが高い [2003-12-02]
Older people with psoriasis have an increased risk for lymphoma
乾癬に罹患している高齢者はリンフォーマ発症のリスクが高い、という報告がArchives of Dermatology 11月号に掲載された。研究者らはBritish General Practice Research Databaseに登録された65歳以上の患者データの10%(乾癬患者2,718人、それ以外105,203人)を無作為に抽出し調査した。追跡期間(平均46ヵ月)中に276人がリンフォーマ(タイプに関わらず)と診断された。その結果、乾癬を有する者のリンフォーマ発症率は有さない者の約3倍高く、つまり、リンフォーマ患者は100,000人につき122人多かった。このリンフォーマのリスクと乾癬の重症度、治療法、または他の因子との関連を明らかにするべく、研究が現在進行中である。
 

新生血管および既存の血管に影響を与える薬物の併用はある種のがんを有するマウスモデルにおいて有望である [2003-12-02]

Combination of drugs that affect new and existing blood vessels shows promise in mouse model of certain cancers
血管を標的とした治験薬の併用は、がんを有するマウスモデルにおいて有望である、とNational Cancer Institute, American Association for Cancer Research, およびEuropean Organization for Research and Treatment of Cancer のジョイントミーティングで発表された。この研究ではマウスに移植された腎がんまたはカポジ肉腫に、抗血管新生薬、および腫瘍の既存の血管を破壊するvascular targeting agentを注入した。両薬剤とも有効であったが、腫瘍の進行遅延に対しては、これらの薬剤を組み合わせることにより相加効果ではなく相乗効果が認められた。副作用は明らかではなかった。この併用療法は現在臨床治験phase IIとして進行中である。


 

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