子宮頚がんのスクリーニングとしてヒトパピローマウイルス検査とpapスメアの組み合わせを2年にT度施行することは、年1回のpapスメアに比べ、少ない頻度でコスト面でも妥当である、という報告が
The Journal of the American Medical Association (JAMA)5月8日号に掲載された
。 米国のJeanne S. Mandelblatt博士らの研究チームは、ウイルスによりがんが発生する自然経過に関するデータを組み入れた数学的模型を使用して、papスメアのみ、ヒトパピローマウイルス検査のみ、および両者の組み合わせによる子宮頚がんスクリーニングの3群における2〜3年おきの経過を、20〜65歳、75歳および死亡時についてシミュレーションを行った。
The
University of Texas M. D. Anderson Cancer Center およびThe
University of Texas Southwestern Medical Centerの研究者らが、第3染色体上の小領域上に存在する3つの腫瘍抑制遺伝子を同定した、とCancer
Research 5月1日号に掲載された。研究者らは3つの遺伝子101F6、NPRL2 および FUS1が腫瘍の成長や転移を抑制するのみでなく、ヒト肺がん細胞の細胞死を誘発することを示した。この染色体
3p領域の発見は、肺がんの発生の過程で発見された最も早い遺伝子学的変化である。この発見は肺がんの早期発見、診断、予防そして治療開発への大きなきっかけとなるであろう。
Ohio
State University Comprehensive Cancer Centerの研究者らは、ベリー類に富んだ食事を与えられたラットはベリー類を含まない食事をさせたラットと比較し、悪性腫瘍発生率が80%少ない、とNutrition
and Cancer5月号で報告した。研究者らはラットに大腸がんを誘発する発がん性物質azoxymethaneを注射した。フリーズドライにされたブラックラズベリーを混ぜた食事をラットに与えたところ、悪性腫瘍の減少数は摂取されたフリーズドライのラズベリー量に相当するようであった。筆者らは、ベリー類にはアントシアン、クマル酸、フェルラ酸、カルシウムやビタミンA,C,E,そして葉酸などの多くの化学予防物質が含まれている、と述べている
。
化学療法抵抗性リンパ腫患者に対しては高容量放射線照射と幹細胞移植の併用が効果的であり、有効な治療法となりうる、という報告がInternational
Journal of Radiation Oncology, Biology, and Physics 5月号に掲載された。一次性不応性あるいは治療抵抗性再発性ホジキン病あるいは非ホジキンリンフォーマ患者9人のうち4人においては完全寛解が認められ、そのうち3人では完全寛解の状態が1年以上持続した。9人中2人においては部分寛解が認められた。1人の患者はステロイド誘発性胃腸炎および術後感染症により幹細胞移植429日後に死亡した。
ドキソルビシンと砂糖ヒアルロン酸および共重合体を化学的結合させることにより、がん細胞に対する薬剤特異性および毒性が強化される、という報告がPharmaceutical
Research 4月号に掲載された。Glenn D. Prestwich博士らは、その共重合体を加えることにより薬剤の細胞内貯留が強化され、それにより薬剤抵抗性の培養がん細胞に対しその薬剤が有効となることを発見した。さらに砂糖を加えることにより悪性細胞に対する特異性は顕著に増大した。3者を結合させると、培養乳がん細胞に対する効果はドキソルビシン−共重合体2者結合薬の10倍であった。この3者の結合薬は、ヨーロッパでは人に対する安全性試験がすでに終了している。