心不全を有する勃起障害の患者はシルデナフィル(バイアグラ)を安全に使用できる[2002-08-27]
Men with congestive heart failure and erectile dysfunction may be able to use sildenafil safely
心不全を有する勃起障害の患者は性機能改善のためにシルデナフィル(バイアグラ)を安全に使用できる、とのブラジルにおける研究結果がCirculation 8月6日号に掲載された。研究者らは心不全および勃起障害を有する患者23人(平均年齢50歳)に50mgのバイアグラまたはプラセボを運動負荷試験前に投与した。2日後には逆の薬を投与し再び運動負荷を行った。バイアグラを内服することにより血圧は降下、心拍数は減少し、運動時間は有意に増加した。筆者らは、勃起障害が治療されたことに伴うQOLの向上により、患者が心不全治療に積極的になる可能性があると述べている。
マウスの実験から遺伝的に先天性心疾患を有する患者を同定できる可能性がある[2002-08-27]
Mouse research may lead to ability to identify which patients have a genetic basis for congenital heart defects
マウスの実験から胚の心臓の形成および遺伝子レベルの先天性心奇形に関する新たな見識が供給された、という報告がNature Medicine 7月22日号に掲載された。米国の研究グループはノックアウトマウスを使用して、ポリサッカロイドヒアルロン酸が欠失することにより中隔および弁を形成する組織が欠乏することを発見した。研究者らは短期的にはこの研究は他の臓器における組織の形成についての大きな理解につながるであろうと期待している。長期的には先天性の心奇形が遺伝子によるものか否かを明らかにする遺伝子検査が可能になることを期待している。
年齢、性別、および健康状態全般が初回心不全による入院後の予後規定因子である[2002-08-20]
Age, sex, and overall health are predictors of outcome after hospitalization with first episode of heart failure
年齢、性別、および健康状態全般が心不全による初回入院後の生存率の予測因子である、という報告がArchives of Internal Medicine 8月12日号に掲載された。研究者らは38,702人の患者に関して退院後30日および1年後の状態を調査した。30日後および1年後の死亡率は年齢とともに急激に上昇した。30日後の生存率に男女差はなかったが、1年後の生存率は女性において約20%高かった。合併症の有無は強力な予後規定因子であった。筆者らは、臨床試験の生存率は患者選択にバイアスがかかっているため高く、またそのために医師たちはさらに患者全体を対象とした臨床研究を行うよう駆り立てられている、と述べている。
スタチン系薬剤投与により冠動脈石灰化の進行を遅らせることができる可能性がある[2002-08-20]
Statin treatment may slow the progression of calcification in coronary arteries
スタチン系薬剤投与により、コレステロールレベルを低下させるのみでなく、冠動脈石灰化の進行を遅らせることができる可能性がある、という報告がCirculation オンライン速報8月6日版に掲載された。研究者らは冠動脈石灰化が既に観察されている患者66人を調査した。無投薬の最初の1年間で石灰化は約25%増加した。2年目に患者にセリバスタチンを投与したところ、その1年での石灰化の増加率は平均8.8%に過ぎず、血清LDLコレステロールレベルが100mg/dl未満に低下した患者においては狭窄率の進行も認められなかった。筆者らはスタチン療法と血中脂質レベル、および動脈内石灰化の進行に関する前向き研究を薦めている。
急性心筋梗塞の新たな診断基準に基づくと心筋梗塞の発症率は増加することになる[2002-08-13]
Incidence of acute myocardial infarction increases when new diagnostic criteria are used
急性心筋梗塞の新たな診断基準に基づいて診断すると同疾患の発症率は増加することになる、という研究が Archives of Internal Medicine 7月22日号に掲載された。急性心筋梗塞疑いの患者連続493人を、従来のWHO(世界保健機関)診断基準に基づき診断したところ、224人が急性心筋梗塞と診断された。一方トロポニンの計測結果を含めた新たなAmerican College of Cardiologyによる診断基準に基づくと、224人に加えさらに51人が同疾患と診断された。発症後6ヵ月の死亡率は新たな診断基準のみに基づき診断された患者群で高かったが、年齢、性別、その他の因子で補正したところ、その差は有意ではなかった。筆者らは、新たな診断基準を導入することにより将来的な心血管イベントのハイリスク患者を同定することが可能であると述べている。
Framingham heart studyのデータによると、たとえ中等度の肥満でも心不全の発症と独立した関連が認められる[2002-08-13]
Framingham heart study data show strong and independent link between even moderate obesity and heart failure
たとえ中等度の体重超過であっても心不全のリスクと強力な独立した関連が認められる、という報告がNew England Journal of Medicine 8月1日号に掲載された。Framingham Heart Studyに登録された5,000人を超える参加者を解析したところ、心不全の発症のリスクは、体重増加とともに上昇するが、体重超過の人々で34%、肥満の人々で104%上昇することが示された。
動脈硬化性プラークの破裂により心筋梗塞の損傷がさらに有意に増加する [2002-08-06]
Rupture of atherosclerotic plaques may add significantly to the damage associated with a myocardial infarction
心筋梗塞のきっかけとなった血栓に加え、動脈硬化性プラークが無症候性に破裂し、さらなる心筋傷害がもたらされる可能性がある、という報告がCirculation オンライン速報7月24日版に掲載された。Gilles Rioufol博士らフランスの研究グループは、冠動脈内超音波を使用し冠動脈形成術を施行した患者24人の冠動脈72本について評価した。その結果、79%の患者において責任病変以外に少なくとも1箇所のプラーク破裂が認められた。71%の患者は3本の冠動脈のうち少なくとも2本にプラーク破裂を有しており、12.5%の患者は3本全ての冠動脈それぞれに少なくとも1箇所のプラーク破裂を有していた。同号の論評の筆者は、この研究結果は再梗塞予防に必ず役立つであろうと考えられるが、同研究は患者数が少なくコントロール群が欠如しているという難点がある、と述べている。
II型糖尿病患者における長時間作用型ナイアシン投与はスタチン系薬剤併用の有無に関わらず脂質代謝を改善する [2002-08-06]
Extended-release niacin with or without a statin improves lipid profile in patients with type II diabetes
長時間作用型ナイアシンはII型糖尿病患者の脂質代謝異常を有意に改善する、という報告がArchives of Internal Medicine 6月21日号に掲載された。Scott M. Grundy博士らは146人の患者について、49人をプラセボ群、45人をナイアシン1日1000mg投与群、52人をナイアシン1日1500mg投与群に無作為に割り付けた。患者全体のうち69人(47%)がスタチン系薬剤を同時に内服していた。ナイアシンはプラセボと比較し、HDLコレステロールを24%も増加させ、中性脂肪を36%も減少させた。空腹時血糖値に関してはプラセボ群とナイアシン投与群に差はなかったが、高用量ナイアシン投与群においてのみ、16週内服継続後のHbA1cがプラセボ群と比較し低値であった。
 
 
 

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