◆視力および聴力両者の低下は認知症リスクを上昇させる(Alzheimer's Association International Conference [AAIC] 2019, Abstract O1-02-05, Abstract P1-618)
Alzheimer's Association International Conference (AAIC) 2019 で報告された2つのスタディの結果、視力および聴力などの感覚重複障害を体験することは、高齢者において認知症発症リスクの上昇と関連することが示された。
高齢者において軽度の感覚重複障害は認知症および認知機能低下と関連がある [2019-07-23]
Mild multisensory impairment associated with dementia and cognitive decline in older adults
Alzheimer's Association International Conference (AAIC) 2019 で報告された2つのスタディの結果、視力および聴力などの感覚重複障害を体験することは、高齢者において認知症発症リスクの上昇と関連することが示された。1つ目のスタディにおいて、視力または聴力の障害を有することにより、認知症発症リスクは11%、アルツハイマー病発症リスクは10% 上昇した。視力および聴力両者の障害を有すると、認知症発症リスクは86% 、そしてアルツハイマー病発症リスクは112% 上昇した(両者ともp≤0.01)。もう1つのスタディでは、感覚機能スコアの低い−つまり障害レベルが高い−参加者は、認知症および認知機能低下のリスクが有意に高かった(両者とも<0.001)。
働く女性は人生後期の記憶力低下速度が遅い(Alzheimer's Association International Conference 2019, Abstract O3-08-05)
女性において賃金労働に従事することは人生後期の認知上の健康に強力な役割を果たす [2019-07-23]
Participation in the paid labor force plays strong role in late-life cognitive health in women

成人早期から中年までの間に賃金労働に従事した女性は、子供の有無にかかわらず、人生後期の記憶力低下速度が遅い、とAlzheimer's Association International Conference (AAIC) 2019で報告された。記憶力低下率は、賃金雇用に従事していない女性において最も速かった。賃金労働に従事している子持ちの既婚者に比べ、賃金労働に全く従事していない子持ちの既婚者は、60〜70歳にかけての平均記憶力の低下率が61% 速かった。長期にわたり賃金労働に従事していないシングルマザーは、60〜70歳にかけての平均記憶力の低下率が83% 速かった。

脳卒中患者をわずか15分早く治療するだけで命が救える可能性がある
脳卒中発症後の病院到着から穿刺までの時間をわずか15分改善することで命を救い障害を予防できる可能性がある [2019-07-23]
Improving door-to-puncture time after stroke by just 15 minutes can save lives and prevent disability

脳卒中治療をわずか15分早く開始することで命を救い障害を予防できる可能性がある、と JAMA に掲載された。発表されたデータによると、病院到着から穿刺までの時間が15分早かった患者1,000人毎に、死亡または退院後にホスピスケアを受ける者は15人少なく、補助なしで歩いて退院した者は17人多く、退院後に身の回りのことを自分でできた者は22人多かった。スタディの結果、包括的脳卒中センターとして認定されていない病院、および病院の"診療時間外"つまり週末、休日および平日の午前7時前と午後6時以降に、初期治療は遅れる傾向にあった。

若年期の高血圧および高コレステロールは後の心疾患リスクを上昇させる
若年期に血圧およびコレステロールを適正に維持することは、生涯における心血管疾患予防にかなりの有益性をもたらす可能性がある [2019-07-23]
Maintaining optimal blood pressure and cholesterol in young adults could yield substantial lifetime cardiovascular disease prevention benefits

若年期の血圧およびコレステロール値上昇は、人生後期にこれらのリスクに曝露されるか否かにかかわらず、人生後期における心疾患リスク上昇に繋がり得る、とJournal of the American College of Cardiology に掲載された。若年成人期のLDLコレステロール値上昇により、その後のこれらのリスクの有無にかかわらず、冠動脈疾患リスクが64% 上昇した。若年成人期の収縮期および拡張期高血圧は、それぞれ心不全リスクの37% および21% 上昇と独立して関連があった。

ブロークンハート症候群はがんと関連がある
国際スタディにおいて、たこつぼ型心筋症患者6人に1人はがんも有していた [2019-07-23]
1 in 6 people with takotsubo syndrome also had cancer in international study

"ブロークンハート症候群"とも呼ばれるたこつぼ型心筋症の6人に1人はがんを有しており、これらの患者は発症してから5年生存する確率が他の人よりも低い、とJournal of the American Heart Association に掲載された。がんを有さない者に比べ、がんを有する者はこの疾患を感情的なきっかけで発症する確率が低く(18.0% vs. 30.3%)身体的なきっかけ(医学的介入または身体的外傷)で発症する確率が高かった(47.9% vs. 34.2%)。最も頻度の高い悪性腫瘍は乳がんであり、続いて消化器系がん、呼吸器、内性器、皮膚および他の領域の順であった。

スタディにより肺がんのマーカーとなる可能性のあるものが同定された
簡便な血液検査により肺がんのサブタイプを鑑別し疾患の病期を同定できる [2019-07-23]
Simple blood test discriminates between lung cancer subtypes and identifies stage of disease

非小細胞肺がん患者の血液検体および腫瘍組織を調査することにより、肺の扁平上皮がんと腺がんを鑑別し肺がんの病期を見極めることのできるマーカーが同定された。この概念実証試験では、研究者らが調査した血液検体が、肺がん手術後の生存期間が短い患者のものか長い患者のものか、早期がん患者を含み正確に予測した。今回の知見は、個々の肺がん患者が標準治療により有益性が得られるか、またはより積極的な治療が必要かを医師が最終的に判断するのに役立つ可能性がある。このスタディはScientific Reports オープンアクセスに掲載されている。

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