◆再発卵巣がんに対する有望な選択肢
Lancet Oncology に掲載された新たな研究で、4次治療以降の化学療法を施行された卵巣がん患者の延命に対する、PARP阻害薬Niraparibの極めて有望な結果が示された。
Niraparib は化学療法による複数治療歴のある卵巣がん患者の寿命を延長させる [2019-07-09]
Niraparib prolongs life for patients with ovarian cancer after multiple chemotherapy treatments
Lancet Oncology に掲載された新たな研究で、4次治療以降の化学療法を施行された卵巣がん患者の延命に対する、PARP 阻害薬niraparib の極めて有望な結果が示された。この研究で、BRCA 遺伝子に変異を有さない卵巣がん患者の生存期間が長いことが示された。さらにこの研究では、患者をプラチナ製剤ベースの化学療法に抵抗性または感受性に分類した。最終の化学療法が奏効した女性のうち、27% はniraparib が奏効し、疾患が増殖または進展するまでの平均期間は9.2か月であった。
化学療法および免疫療法としての高用量シクロホスファミド
60年以上使用されている化学療法薬の高用量使用により、リンパ腫に対する免疫系の攻撃が増強する [2019-07-09]
High doses of 60-plus year-old chemotherapy drug found to spur immune system attack on lymphoma

高用量のシクロホスファミドは、既に知られているように、がん細胞を直接死滅させるだけでなく、免疫系の攻撃を増強させる、とCancer Discovery に掲載された。ヒトリンパ腫の組織を移植したマウスモデルにおいて、低用量ではなく高用量のこの薬剤が、リンパ腫細胞に強いストレスをかける方法でダメージを与えることが示された。ストレスを与えられた細胞は、マクロファージに腫瘍細胞を破壊することを命じる物質であるサイトカインを分泌することで応答する。この発見により、シクロホスファミドおよび他のアルキル化剤が、どのように作用するかに関する長年にわたる疑問が解消され、免疫系がある種のがんを攻撃する新たな方法が示唆された。

核医学検査は糖尿病における心臓リスク層別化を改善する
負荷心筋シンチ検査は糖尿病患者における心関連死のリスク同定に役立つ [2019-07-09]
Nuclear stress test helps identify risk of cardiac-related death in people with diabetes

負荷心筋シンチ検査における異常所見は、特に糖尿病患者における心関連死リスクの顕著な上昇と関連がある、との多施設研究の結果がRadiology: Cardiothoracic Imaging に掲載された。この結果から、糖尿病患者のうちPET 心筋血流イメージング(PET MPI)検査における異常は、年齢、性別、肥満、または過去の血管形成術などの血行再建術などに基づく重要な臨床サブグループ全てにおいて、心臓死リスク上昇と関連があった。今回のデータを用いて研究者らは、かなりの割合の糖尿病患者の心臓リスクをより正確に評価することが可能であった。

いくつかの感染症が脳卒中のトリガーとなる可能性が確認された
尿路感染症およびその他の感染症が異なるタイプの脳卒中のトリガーとなる可能性がある [2019-07-09]
Urinary tract and other infections may trigger different kinds of stroke

いくつかの感染症が脳卒中のトリガーとなる可能性があり、尿路感染症は虚血性脳卒中と最も強い関連がある、とStroke に掲載された。あらゆるタイプの感染症は、虚血性脳卒中の可能性を高めることに関連している。最も強力な関連は尿路感染症にみられ、感染30日以内の虚血性脳卒中のリスクは3倍以上に上昇することが示された。脳出血発症は尿路感染症、敗血症、呼吸器感染症との関連が最も強かった。呼吸器感染症は、くも膜下出血発症と関連のある唯一の感染症であった。

熟睡中のピンクノイズは記憶力を改善する
軽度認知障害患者において音刺激は熟睡を促進し記憶力を向上させる [2019-07-09]
Sound stimulation boosts deep sleep and memory in patients with mild cognitive impairment

アルツハイマー病のリスクを有する軽度認知障害の人々に対する、特定の時間に出される穏やかな音刺激は熟睡つまり徐波睡眠を増強させた、とAnnals of Clinical and Translational Neurology に掲載された。脳がこの音刺激に最も強く反応した者は、翌日の記憶応答が改善した。今回のスタディ対象は少人数(9人)であったが、熟睡がより促進されるほど記憶応答がより改善した。音刺激後に徐波活動が20% 以上増加した者は、翌朝の記憶力テストにおいて思い出す言葉が約2個多かった。

血液がん患者のうつ症状
血液悪性腫瘍を有する患者においてうつ病は一般的であり早期死亡と関連がある [2019-07-09]
Depression is common and linked with early death in patients with hematological malignancies

Psycho-Oncology に掲載されたスタディにおいて、リンパ腫や多発性骨髄腫と新たに診断された患者の3分の1が診断前後のうつ症状を報告し、うつ症状は生存期間がより短期であることと関連があった。生存期間が短期であることは、うつ症状が残存している患者およびうつ症状から回復した患者のいずれにおいても認められた。死亡リスクは、"うつ症状を全く経験しなかった"患者に比べ、"寛解"および"持続"群においてそれぞれ3倍および2倍高かった;しかし、"新規発症"群において死亡リスクは "うつ症状を全く経験しなかった"群に比べ顕著な差はなかった。

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