降圧薬はアルツハイマー病患者にとって有望である
アルツハイマー病患者においてカルシウムチャネル遮断薬であるニルバジピンは、脳の他領域に影響することなく、脳の記憶および学習の中核への血流を増加させた、とHypertension に掲載された。
アルツハイマー病患者において知られている脳血流低下はニルバジピンにより回復する可能性がある [2019-06-25]
The known decrease in cerebral blood flow in patients with Alzheimer's can be reversed with nilvadipine
アルツハイマー病患者においてカルシウムチャネル遮断薬であるニルバジピンは、脳の他領域に影響することなく、脳の記憶および学習の中核への血流を増加させた、とHypertension に掲載された。研究者らは、軽度から中等度のアルツハイマー病患者44人を、ニルバジピンまたはプラセボを6か月間内服する群にランダムに割り付けた。海馬への血流は、ニルバジピン群でプラセボ群に比べ20% 増加した。脳の他領域への血流は両群とも不変であった。この脳血流増加の脳構造や認知機能に対する影響について、信頼性をもって評価するには今回のスタディは検体数が小さく期間が短すぎた。
心房細動と認知症との関連
スタディにより心房細動と認知症リスクが脳卒中を発症していない患者においても関連付けられた [2019-06-25]
Study links atrial fibrillation to increased risk of dementia, even in stroke-free patients

高齢者を調査したこの最大規模のスタディによると、心房細動(AF)は、脳卒中を発症していない患者においても、認知症リスク上昇と関連がある。European Heart Journal に掲載されたこのスタディは、AF発症患者はAF非発症者に比べ、認知症発症リスクが50% 高いことを明らかにした。経口抗凝固薬内服AF患者が将来的に認知症を発症するリスクは、非内服患者に比べ40% 低かった。AFはまたアルツハイマー病リスクを30% 上昇させ、血管性認知症のリスクを倍にした。

過体重はたとえ幼児であっても高血圧リスクを上昇させる
過体重の幼児は高血圧リスクおよび将来の心血管疾患リスクが高い [2019-06-25]
Overweight young children have increased risk of hypertension and future cardiovascular disease

過体重の4歳児は6歳までに高血圧を発症するリスクが倍であり、将来の心筋梗塞および脳卒中リスクを上昇させている、とEuropean Journal of Preventive Cardiology に掲載された。4〜6歳の間、健康体重を維持している小児に比べ、BMIに基づく超過体重を新たにまたは持続して有する者は、高血圧リスクがそれぞれ2.49 および2.54 高かった。内臓肥満を新たにまたは持続して有する者において、高血圧リスクはそれぞれ2.81 および3.42 高かった。減量した小児は、高血圧のリスク上昇はなかった。この結果は、性別や社会経済的地位に関係なく当てはまった。

冠動脈石灰化は将来の心疾患を予測する
冠動脈石灰化検査は高リスク患者の無症候性異常所見の検出に役立つ可能性がある [2019-06-25]
Coronary artery calcium testing may help detect asymptomatic abnormalities among at-risk populations

高度の冠動脈石灰化(CAC)を有する中年患者は、左室心筋重量が重く左室機能が不良である可能性が高い、とCirculation: Cardiovascular Imaging に掲載された。CAC は加齢、男性、収縮期血圧が高いこと、総コレステロール高値、糖尿病および現在の喫煙、さらに降圧薬および高コレステロール血症治療薬の内服と、独立して関連があった。加えて、中年期にCAC スコアが高い患者は、人口統計学的情報および心血管リスクなどの他のリスクファクターと関係なく、左室心筋重量が12% 大きく、左室容積が9% 大きかった。

スタチンは放射線療法後の心血管系合併症を減少させる
スタチン療法は放射線療法後のがん患者の脳卒中リスクを低下させる [2019-06-25]
Statin therapy reduces risk of stroke in cancer patients following radiation therapy

胸部、頭頸部の放射線療法後にコレステロール低下薬スタチンを内服したがん患者は、脳卒中、あるいは他の心血管系合併症を発症するリスクがかなり低かった、とJournal of the American Heart Association に掲載された。スタチンは脳卒中を32% 減少させた。また、心筋梗塞および脳卒中、さらにこれらの心血管系イベントによる死亡などの心血管系イベント全般において、強い減少の傾向が認められたが、この15% の減少は今回のスタディ対象患者がハイリスク群であったため、統計学的に有意ではなかった。

乳がん既往者は心疾患リスクに直面する
早期乳がんを有する閉経後女性は治療後数年経過してからの心血管疾患リスクが高い [2019-06-25]
Postmenopausal women with early stage breast cancer are at greater risk of cardiovascular disease years after treatment

早期乳がんを有する閉経後女性は、乳がんと診断されていない女性に比べ、心血管疾患で死亡するリスクがかなり高く、このリスクは乳がん治療後何年も持続する、とNorth American Menopause Society の学会誌であるMenopause オンライン版に掲載された。研究者らは、乳がん既往閉経後女性はメタボリック症候群、糖尿病、動脈硬化、高トリグリセリド血症、および腹部肥満と著明に強力な関連があることを明らかにした。心血管疾患死亡率のリスクは、がんそのものによる死亡率と同等に上昇した。これらの心血管系への影響は、放射線療法後5年以上経過してから現れるようであり、リスクは30年後まで持続した。

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