乳がんリスク予測にエピジェネティクスが使用される
DNAを用いた生物学的年齢の推定は将来の乳がん発症リスクと関連がある、とJournal of the National Cancer Institute に掲載された。
生物学的年齢が実年齢よりも高い女性は乳がん発症リスクが高い [2019-03-05]
If a woman's biologic age is older than chronologic age she has an increased risk of developing breast cancer
DNAを用いた生物学的年齢の推定は将来の乳がん発症リスクと関連がある、とJournal of the National Cancer Institute に掲載された。生物学的年齢は、正常な加齢プロセスの一部であるDNAメチル化(DNAの化学修飾)を計測することにより決定された。年齢加速度として知られる生物学的年齢が、実年齢つまり実際の年齢より5歳上昇するごとに、乳がん発症率は15% 上昇した。この研究は、生化学的過程がDNA塩基配列に影響することなく、いかに個々の遺伝子のスイッチをオン・オフするかを調査する分野であるエピジェネティクスの例である。
PETスキャンによりHER2 標的療法が奏効する患者を同定できる
PET画像は一部の乳がん患者に化学療法を使わないでおくべきバイオマーカーを示す [2019-03-05]
PET images show biomarkers that could spare some breast cancer patients from chemotherapy

PETスキャンはあるタイプのHER2 陽性乳がんを有する患者のうち、標準的な化学療法の必要がなくHER2 標的の分子標的薬のみが最も有益である患者を正確に予測するバイオマーカーを同定した、とJournal of Clinical Oncology に掲載された。ベースラインから治療開始2週間後のPETスキャンにおける糖取り込みの変化、および2週間後の時点での値そのものは、HER2 標的療法の奏効率を、高い感度および非常に高い陰性的中率で予測する最良の能力を有していた。治療2週間後の時点での糖レベルが高いことは、腫瘍が抗体に十分に反応せず化学療法が必要な可能性を示している。

腕立て伏せの能力は心血管イベントのリスクと関連がある
男性において腕立て伏せの能力は将来の心血管疾患イベント発生率が低いことと関連がある [2019-03-05]
Push-up capacity linked with lower incidence of future cardiovascular disease events among men

腕立て伏せを40回超連続してできる活動性の高い中年男性は心血管疾患(CVD)のリスクが有意に低かった、とJAMA Network Open に掲載された。10年間のスタディ期間中に、37のCVD関連アウトカムが報告された。CVDイベントが発生したのは、1人を除いて全員が、ベースライン時の検査で腕立て伏せを連続40回以下しかできない者であった。腕立て伏せを40回超できた男性は、10回未満だった男性に比べ、CVDイベントリスクが96% 低かった。腕立て伏せの能力は、最大下運動負荷試験で推定した有酸素容量に比べ、CVDイベントの発生率が低いことと強く相関した。

運動と短時間のウォーキングによるブレイクは血圧コントロールに役立つ
降圧における運動の有益性は長時間の座位を避けることで増強される [2019-03-05]
Benefits of exercise on lowering blood pressure can be enhanced by avoiding prolonged periods of sitting

過剰体重や肥満の高齢男女において、朝の30分の運動は日中8時間にわたり、特に収縮期血圧を低下させる、とHypertension に掲載された。日中、座位30分ごとに3分間の軽いブレイクを入れることにより、過剰体重または肥満の女性において朝の降圧に対する有益な効果が増強されるが、男性においてはそうではなかった。なぜ性差があるのかは不明であるが、運動に対するアドレナリン反応の違いや、今回のスタディ対象の女性全員が閉経後であった事実を含む因子の組み合わせによる可能性がある、と筆者らは考えている。

中年期に活動的であり続けることは認知症リスク低下と関連がある
中年期の身体的および精神的活動は数十年後の認知機能維持に影響する [2019-03-05]
Physical and mental activities in middle age play role in preserving cognitive health decades later

中年期に身体的および精神的に活動的であり続けることは、数十年後の認知症発症リスクが低いことと関連がある、とNeurology に掲載された。スタディの結果、精神活動レベルが高度であった女性は、低度であった女性に比べ、アルツハイマー病を発症する確率が46% 低く、認知症全般の発症率が34% 低かった。身体的に活動的な女性はそうでない女性に比べ、血管性認知症を発症する確率が52% 低く、混合型認知症発症リスクが56% 低かった。

精神疾患と関連したドーパミン機能の計測
ニューロメラニン感受性MRIは精神疾患のバイオマーカーとなり得ることが示された [2019-03-05]
Neuromelanin-sensitive MRI identified as potential biomarker for psychosis

ニューロメラニン感受性MRI(NM-MRI)は精神疾患のバイオマーカーとなり得る、とProceedings of the National Academy of Science に掲載された。NM-MRI信号は、統合失調症患者のドーパミン機能のマーカーであり、精神疾患を有する人々の精神症状の重症度指標であることが明らかにされた。この技術の主な利点は、既存のより直接的な他のドーパミン機能計測に比べ、NM-MRIは放射線や侵襲的な手技を使用しないことである。また、この技術はPET検査に比べ解剖学的解像度が非常に高く、これは黒質の特定部位の機能または機能不全を評価するのに重要である。

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