Educational Course
精神分裂病の脳生物学
Brain biology of schizophrenia
精神分裂病における形態的MRI研究
Structural Magnetic Resonance Imaging in Schizophrenia
Sharma博士は、MRIを中心に精神分裂病の形態的イメージングに関する研究について概説した。多くの知見は前頭葉、側頭葉、海馬、あるいは他の脳領域の容積減少を示唆しているが、一方、相反する結果もみられている。彼は今後、脳の領域間の連絡路を検討することの重要性を強調した。
精神分裂病の脳病理
Brain biology of schizophrenia
精神分裂病の神経生理学における最近の進歩
Recent advances in the neurophysiology of schizophrenia
精神分裂病(以下分裂病)では、聴覚システムを含む多くの脳領域において異常が認められる。McCarley博士は分裂病患者の聴覚および言語処理に関連する脳の異常を報告した。こうした異常は聴覚刺激に対する脳の電気的反応(事象関連電位とよばれている)を計測することによって定量化することができる。McCarley博士は、γ振動、ミスマッチ陰性電位、P300といった3種類の電気生理学的な事象関連電位を提示した。
精神分裂病の脳病理:発達障害か変性疾患か?
Brain pathology in schizophrenia: developmental or degenerative?
成人期に精神分裂病(以下分裂病)を発症する患者は発達早期に異常が認められると報告されており、一部の研究者は分裂病の発症機序に脳発達異常が寄与していると考えている。一方、正常な脳発達の後に神経変性過程を介して分裂病が発症すると考える研究者もいる。Weinberger博士は、これまで得られたエビデンスから神経変性仮説を支持することは困難であり、そのため縦断的に核磁気共鳴画像(MRI)を追跡する価値が乏しいと考えている。
Copyright
2000-2013 by HESCO International, Ltd. All rights reserved.