DOL APA2002 学会速報




 
Medical Director
Bruce B. Dan, M.D.
日本語版総監修
上島国利
(昭和大学医学部
精神医学教室教授)


アドヒアランス(治療継続性):抗精神病薬治療における従来からの問題とその解決法の到来
The Adherence Challenge: Chronic Issues and Emerging Solutions With Antipsychotic Therapy
  
アドヒアランスにむけて
Approaching the Adherence Challenge
 
精神疾患でも身体疾患でも服薬不遵守の割合は30%にものぼる。精神分裂病で服薬不遵守をもたらす重要な因子は薬剤の副作用である。アドヒアランスを改善するには薬理学的介入と心理社会的介入が必要である。  
  
精神分裂病の薬剤選択:服薬遵守の意味
Pharmacologic Options for Schizophrenia: Implications for Compliance
 
精神分裂病では寛解後5年以内に再発する率が80%にのぼる。デポ剤は再発危険率を減少させることが知られている。したがって長期作用注射型非定型抗精神病薬は期待できる薬剤である。  
  
長期作用非定型抗精神病薬療法の研究
Research Experience with Long-Acting Atypical Antipsychotic Medication
 
非定型抗精神病薬は定型抗精神病薬に比べて効果が優れ副作用が少ない。リスペリドンのデポ剤が開発されたが、非定型抗精神病薬とデポ剤の両者の長所を併せもっていることが示された。  
  
看護サイドから:問題点と解決法
Views from the Nursing Perspective: Problems and Solutions
 
患者の治療中断には看護師として強い関心をもっている。デポ剤には患者と治療者間に治療同盟ができるなど治療継続のための利点が多く、再発防止のために期待される薬剤である。

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