重度の不安症やうつ症状を有する若年者すべてに対する甲状腺スクリーニングは不要である可能性がある [2019-08-27]
Thyroid screening may not be needed in all youth with severe anxiety and depression symptoms

不安症や気分障害を有する若年者の甲状腺評価を考慮する際、目標を定めたスクリーニングは甲状腺疾患家族歴、最近の体重増加、特定の薬物による治療を有する患者、および不正子宮出血歴を有する女児に焦点を当てるべきである、とJournal of Clinical Psychiatry オンライン版に掲載された。このスタディは、精神疾患で入院しルーチンの甲状腺スクリーニング検査を施行された、19歳未満の患者1,319人のカルテレビューデータに基づくものである。研究者らは、甲状腺刺激ホルモン濃度が異常であったのは、これら若年患者のわずか6% 超であったことを明らかにした。

認知症ケアプログラムは患者および介護者の精神的健康を改善する [2019-08-27]
Dementia care program improves mental health of patients and caregivers

医療制度の中で働くナースプラクティショナーにより配置された包括的認知症ケアプログラムは、患者およびその介護者の精神的および情緒的健康を改善する、とJournal of the American Geriatrics Society に掲載された。研究者らは、UCLA Alzheimer's and Dementia Care Program への組み入れ1年後に、認知症患者およびその介護者のデータを調査した。その結果、このプログラムは認知症の進行を遅らせなかった一方で、患者の行動問題および抑うつを軽減し、介護者の苦悩を減少させた。患者543人中58%、および介護者447人中63% において、症状が改善するか軽微な症状が持続するかであった。

ADHD治療薬の脳構造発達への影響は小児と成人とでは異なる [2019-08-20]
ADHD medications have different effects on the development of brain structure in children versus adults

注意欠如・多動症(ADHD)の治療に用いられる薬物メチルフェニデート(MPH)は、ADHD を有する小児において脳の信号伝達を行う白質の発達に影響するようである、と Radiology に掲載された。研究者らは、ADHD と診断された薬剤未投薬の男児50人および若年男性49人を、MPH またはプラセボを16週間投与する群に割り付けた。白質の異方性比率(FA)を用いた拡散テンソル画像を含むMRI の結果、男児においてMPH 治療4か月後に白質FA の増加が認められた。この影響はMPH で治療された成人においては認められなかった。

SPRINT MIND:積極的な降圧管理は加齢に伴う脳損傷を遅延させる可能性がある [2019-08-20]
SPRINT MIND: Intensive blood pressure control may slow age-related brain damage

積極的な降圧管理は標準的な降圧治療よりも白質病変の蓄積を遅延させるのにより有効である、とのSPRINT MIND 試験の結果が Journal of the American Medical Association に掲載された。積極的治療群のMRI画像上の平均白質体積増加は0.92cm3 であり、標準治療群の1.45cm3より少なかった。これらの結果は、積極的な降圧治療が軽度認知障害の発症確率を著明に低下させることを示した、過去のスタディを補うものである。

ADHDを有するアスリートは脳震盪後の症状が多くみられ回復に時間がかかる [2019-08-06]
Athletes with ADHD have increased symptoms and longer recovery time following a concussion

大学生アスリートにおいて、注意欠如・多動症(ADHD)を有することは脳震盪後の症状が重度であり回復時間が長いことと関連がある可能性がある、との予備研究の結果がAmerican Academy of Neurology Sports Concussion Conference で発表された。ADHD を有する全てのアスリートは、コントロールアスリートに比べ、言語記憶の低下が大きく、脳震盪1-2日後の症状が重度であった。精神刺激薬を内服しているADHD のアスリートは症状が平均12日持続したのに対し、内服していないADHD のアスリートは10日間であり、コントロール群は4日間であった。

60代にBMIが大きいことはその後の大脳皮質の菲薄化と関連がある [2019-08-06]
A higher BMI in your 60s linked with thinning in the cortex of the brain later in life

60代に腹囲が大きくボディマスインデックス(BMI)が大きいことは、その後の脳老化の顕著な徴候である、とNeurology® オンライン版に掲載された。腹囲が大きくBMI が大きい人は、大脳皮質領域が菲薄化する確率が高い。過剰体重の人々において、BMI が1単位増加する毎に大脳皮質が0.098mm 薄く、肥満者においては0.207mm 薄かった。これらの相関は特に、65歳未満の人々において強く認められた。大脳皮質が薄いことは、アルツハイマー病リスク上昇と関連していることが知られている。