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クロスワードや数字のパズルを日常的に行うことは、後年の認知機能が良好なことにつながる [2019-05-28] |
Regular crossword and number puzzles linked to better cognitive function in later life |
言葉や数字のパズルを日常的に行っている高齢者は注意力、論理的思考および記憶力を評価する課題の成績が良好である、と2つの関連する論文が International Journal of Geriatric Psychiatry に掲載された。研究者らはPROSPECT 試験の対象者に、ワードや数字のパズルに取り組んでいる頻度を報告すること、および一連の認知機能検査を受けることを依頼した。その結果、ワードパズルに取り組んでいる人々は、文法上の論理的思考を評価する検査で脳機能が実年齢より10歳若く、短期記憶を評価する検査では8歳若いと測定された。 |
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ヒト脳研究により遺伝子活性における変化と自閉症の重症度とが関連付けられた [2019-05-28] |
Study of human brains links changes in gene activity to severity of autism |
特定の脳細胞における遺伝子活性の変化が、自閉症の小児および若年患者の自閉症重症度と関連がある、との死後脳組織研究の結果がScience に掲載された。100,000超の細胞核の解析の結果、自閉症患者の脳は、ニューロン間のシナプスコミュニケーションに関係する、遺伝子の一連の共通変化を有していることが明らかにされた。これらの遺伝子の多くは、脳全体において広く発現していることが知られているが、これらは自閉症患者の脳においてのみ変化している。遺伝子発現の変化の程度は、患者の行動症状重症度と密接に関連していた。 |
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小児および若年者において、肥満は不安症やうつ病の独立したリスクファクターであることが同定された [2019-05-21] |
Obesity identified as an independent risk factor for anxiety and depression in children and adolescents |
小児および若年者において、肥満は親の精神疾患や社会経済的状況などの従来のリスクファクターとは独立して、不安症やうつ病を発症するリスクが高いことと関連がある、との新たな研究結果がEuropean Congress on Obesity で発表された。このスウェーデンの全国的なスタディの結果、肥満の女子は一般人口の同胞に比べ、不安症またはうつ病を発症するリスクが43% 高いことが示された。同様に、肥満の男子は比較対照に比べ、不安症やうつ病を発症するリスクが33% 高かった。さらなる解析において、精神神経疾患または不安症やうつ病の家族歴を有する小児を除いた結果、リスクはさらに上昇した。 |
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高齢者において怒りは炎症および慢性疾患の発症を高める [2019-05-21] |
Anger is associated with increased inflammation and development of chronic illnesses in older adults |
高齢者の身体の健康に対し怒りは悲しみよりも有害であり、心疾患、関節炎およびがんなどの慢性疾患と関連のある炎症を増加させる可能性がある、と Psychology and Aging に掲載された。80歳以上の高齢者において、日常的に怒りを感じていることは炎症レベルが高いことや慢性疾患と関連があったが、それより若年の年長者ではそうではなかった。悲しみは炎症または慢性疾患とは関連がなかった。教育や治療が、高齢者の感情を調整しあるいは避けられない加齢変化に折り合いをつけるためのよりよい対処法を提供することで、怒りを軽減することに役立つ可能性がある、と筆者らは述べている。 |
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"超高齢者"は新たに名付けられた認知症への経路の最大のリスクである [2019-05-14] |
'Oldest old' are at greatest risk of newly named pathway to dementia |
アルツハイマー病の症状に似た脳障害が、この疾患の研究を前進させる推奨診断基準およびガイドラインとともに定義された。研究者らは、Brain に掲載された論文において、この新たに命名された認知症への経路、大脳辺縁系優位型老年期TDP-43 脳症、つまりLATE について説明した。LATE の症状はアルツハイマー型認知症に似ているが、これはプラークやタングルにより引き起こされるものではない。この疾患では、TDP タンパク質がミスフォールドし細胞内の正常な場所から移動する。85歳超の高齢者の約25% が、記憶および/または思考能力に影響するほどのミスフォールドしたTDP-43 を有している。 |
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心不全患者において運動耐容能の改善は認知機能障害も改善する可能性がある [2019-05-14] |
Improving exercise capacity may also improve cognitive impairment in patients with heart failure |
より健康度が高く、若年かつ高学歴の心不全患者ほど認知機能障害を有する確率が低い、とEuroHeartCare 2019 で発表された。このスタディは、6か国の心不全患者605人(平均年齢67歳、男性71%)を組み入れたHF-Wiiスタディのデータを用いた。認知機能の評価にはMontreal Cognitive Assessment (MoCA) が用いられ、運動耐容能は6分間歩行試験で測定された。6分間歩行試験でより長い距離を歩行した心不全患者は、より若年かつ高学歴であり、認知機能障害を有する確率が有意に低かった。 |
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