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再発小細胞肺がん患者において併用化学療法が早期の有望性を示した [2019-08-27] |
Combination therapy shows early promise in patients with relapsed small cell lung cancer |
PARP 阻害剤オラパリブと化学療法薬テモゾロミドの併用は再発小細胞肺がん(SCLC)患者において臨床的有効性を示した、との第I/II相臨床試験の結果が Cancer Discovery に掲載された。この単群試験は、SCLC 治療歴を有する患者50人において4つの用量を評価した。評価可能な患者48人における全奏効率(ORR)は41.7% であった(部分奏効20人、完全奏効なし)。試験に登録された患者50人における無増悪生存期間中央値および全生存期間中央値は、それぞれ4.2か月および8.5か月であった。推奨される第II相試験用量で治療された評価可能な患者(39人)におけるORRは、41.0% であった。 |
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MDM2 は悪性黒色腫治療に対するCDK4/6阻害剤への耐性を相殺する [2019-08-27] |
MDM2 counteracts resistance to CDK4/6 inhibitors for melanoma therapy |
悪性黒色腫患者に対するセカンドラインとなり得る治療が同定された、とScience Translational Medicine に掲載された。この有望な治療は、一部の乳がんに処方されるクラスの薬剤であり、MDM2 化合物と併用することにより悪性黒色腫に対しても効果を示す、現在開発中の薬剤CDK4/6 阻害剤である。MDM2 拮抗薬は腫瘍抑制因子p53を安定化させ、細胞周期の制御因子として機能し、CDK4/6 阻害剤への耐性を相殺するp21 発現を促す。研究者らは、複数のマウスモデルおよびヒト腫瘍組織の切片培養における腫瘍退縮を報告した。 |
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心血管疾患を有する患者において、新たな前立腺がん治療は短期死亡リスクを上昇させる可能性がある [2019-08-20] |
Novel prostate cancer therapy may increase short-term risk of death in patients with pre-existing cardiovascular conditions |
新たな経口アンドロゲン受容体阻害薬は、心血管疾患を有する患者の死亡リスクを上昇させる、との地域住民を対象とした大規模研究の結果が European Urology に掲載された。同様の治療を受けた心血管疾患を有さない前立腺がん患者に比べ、心疾患を少なくとも3つ有している患者は、化学療法治療歴があると6か月相対死亡率が43% 高く、化学療法治療歴がないと6か月相対死亡率が56% 高かった。要するに、3つ以上の心疾患を有することにより死亡リスクが約50% 上昇した。 |
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膵臓がん、およびその他の悪性腫瘍リスクを上昇させる稀な遺伝性の遺伝子変異が発見された [2019-08-20] |
Scientists find rare, inherited gene mutation that raises the risk of pancreatic cancer and other malignancies |
がん多発家系を調査する科学者らは、生涯における膵臓がんおよびその他の悪性腫瘍リスクを劇的に上昇させる稀な遺伝性の遺伝子変異を同定した、と Nature Genetics に報告した。RABL3遺伝子に発現した変異(がん素因遺伝子変異を示唆するパターン)は、5人の血縁者が膵臓がんを有し、その他のがんを有する家族が複数人存在する家族を調査した際に同定された。今回の発見は、膵臓がんの濃厚な家族歴を有する者が変異を有するかどうかを判定するために、ルーチンで検査することに繋がる可能性がある。そうなれば、ハイリスクの者はより早期に、より治療可能な段階で膵臓がんを検出するスクリーニングを受けられる可能性がある。 |
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食道がんにおいてリンパ節は原発巣よりも再発や生存率の予測に役立つ可能性がある [2019-08-06] |
Lymph nodes may be more useful than primary tumors for predicting recurrence and survival in esophageal cancer |
Annals of Surgery に掲載されたスタディにおいて、食道がん患者でしばしば治療効果の評価に用いられる原発巣に比べ、術前補助化学療法(NACT)に対するリンパ節の治療効果の方が、再発や生存率の予測により有効であることが示された。NACT 前後に実施されたCT スキャンの結果、食道がん患者において原発巣と転移リンパ節の治療効果には大きな不一致が示された。リンパ節の治療効果は患者の正確な予後予測を容易にした。この結果は治療戦略の最適化に貢献できるであろう、と筆者らは示唆している。 |
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人工知能は乳がんスクリーニングの精度を改善し読影時間を短縮する [2019-08-06] |
Artificial intelligence associated with improved accuracy and shorter reading times for breast cancer screening |
人工知能(AI)はデジタル乳房トモシンセシス(DBT)の有効性および精度を改善するのに役立つ、とRadiology: Artificial Intelligence に掲載された。全体的に、AI を用いながらDBT 症例を読影することにより、AI を用いない場合に比べ、読影の感度は8% 上昇し、再検査率は7% 低下、読影時間は半減した。さらに、放射線科医の総合パフォーマンスをよりよく表すために、感度および特異度を組み合わせ1つの基準としたグラフ化変数であるROC 曲線下面積(AUC)においても、改善が認められた。放射線科医のパフォーマンス(平均AUC)は、AI を用いない場合の0.795 からAI を用いた場合の0.852 まで上昇した。 |
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