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特異的な遺伝子融合を有するCNSおよびその他のがんの小児患者において、entrectinibは有効性を発揮する [2019-05-28] |
Entrectinib produces responses in pediatric patients with CNS and other cancers that have specific gene fusions |
稀な中枢神経系腫瘍である神経芽腫、またはその他の固形がんを有する小児および若年者29人を対象とした第I/IB相試験において、entrectinib は特異的な遺伝子融合を有する患者において有効性を発揮した。治療が奏功したSTARTRK-NG トライアルにおける患者12人はNTRK1/2/3、ROS1、またはALK 融合遺伝子(11人)、またはALK 遺伝子変異(1人)を有していた。奏効までの期間中央値は57日であり、全ての奏効は用量が400 mg/m2以上の時に認めた。この結果は、腫瘍のタイプや部位ではなく、腫瘍の遺伝子に基づき有効な、初めての治療の可能性を示している。この試験は近く開催される2019 ASCO Annual Meeting で発表される。 |
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低用量化学療法は、胃食道がんの高齢およびフレイル状態にある患者において有効である [2019-05-28] |
Low-dose chemotherapy regimen effective in older and frail patients with gastroesophageal cancer |
進行胃食道がんを有する、高齢およびフレイル状態にある患者514人を対象とした第III相GO2 ランダム化トライアルの結果、オキサリプラチンおよびカペシタビンの試験的最低用量が、疾患増悪の遅延および抗がん剤の副作用最小化に関して、最高用量と同等であることが示された。患者らは3つの用量に割り付けられた。2つの薬剤の最低用量を投与された患者は、高用量の患者に比べ薬剤に対する毒性反応が少なく、Overall Treatment Utility のアウトカムが良好であった。全生存率および無増悪生存期間は、用量にかかわらず同等であった。この試験は近く開催される2019 ASCO Annual Meeting で発表される。 |
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東南アジア原産の6つの植物は抗がん剤として有望である [2019-05-21] |
Six plants native to Southeast Asia are promising anti-cancer therapeutic agents |
東南アジア原産のいくつかの植物は7種類のがんの増殖を停止させるのに有効である、と Journal of Ethnopharmacology に掲載された。実験の内容は、7つの植物の新鮮で健康状態のよい成熟した葉を抽出し、この抽出液を7種類の異なるがん(乳がん、子宮頸がん、大腸がん、白血病、肝がん、卵巣がん、および子宮がん)の細胞株で調査することであった。研究チームは、これらの植物を傷つけることなく、植物が再生できるように調査した。バンディクートベリー(Leea indica)、南アフリカリーフ(Vernonia amygdalina)およびミツバハマゴウ(Vitex trifolia)が、調査された7つのがんの増殖を有効に停止させた。 |
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グルタミンおよび脂肪酸両方の代謝を阻害することは、治療抵抗性トリプルネガティブ乳がん細胞の増殖を遅らせる [2019-05-21] |
Inhibiting both glutamine and fatty acid metabolism slows growth resistant triple negative breast cancer cells |
Journal of Biological Chemistry に掲載された論文において、2つの主要な栄養源を断つことによりトリプルネガティブ乳がん(TNBC)細胞の増殖を遅延させる治療戦略が述べられている。研究者らは、がんの栄養源としてよく知られているグルタミンに加え、TNBC細胞が増殖および生存のために脂肪酸を必要としていることを示した。グルタミンと脂肪酸両方の代謝阻害剤を同時に用いると、TNBCの増殖および転移は遅延した。両方阻害することで、どちらかを阻害するよりも、治療抵抗性TNBC細胞の増殖および転移を遅延させたことから、この2つの物質の阻害が重要であることが証明された。これらの結果は、患者にとってよりよい薬剤選択へのガイドとなり得る新たな遺伝子マーカーを提供する。 |
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ディープラーニングを用いることで、より正確な乳がんリスク予測モデルが作成される [2019-05-14] |
Researchers use deep learning to create more accurate breast cancer risk prediction models |
進化した人工知能を用いて女性の将来の乳がんリスクを予測する新たなツールが開発された、とRadiology に掲載された。このディープラーニングモデルにより、乳腺濃度を用いてリスクを因子化する現在の臨床基準であるTyrer-Cuzickモデルに比べ、大幅にリスクの識別能が改善された。ハイブリッドディープラーニングモデルを乳腺濃度と比較したところ、研究者らは非高濃度乳腺でモデル評価が高リスク患者は、高濃度乳腺でモデル評価が低リスク患者に比べ、がんリスクが3.9倍高かった。このアドバンテージは他のサブグループでも保持された。 |
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新たなノモグラムを用いたリスク層別化により、食道がん患者により適切な治療が提供できる [2019-05-14] |
Risk-stratification with new nomogram could improve delivery of appropriate therapy to patients with esophageal cancer |
リンパ節転移陽性食道がん患者における外科的切除前の術前補助療法は有益であるが、現在の臨床ステージ分類技術における限界は、リンパ節転移がしばしば術前に検出されていないことである。転移リスクを評価する新たなノモグラムがAmerican Association for Thoracic Surgery's 99th Annual Meeting で初公開され、特にステージT2患者においてリスク層別化がより正確になることが期待されている。研究チームは National Cancer Database を用いて、3,000人超の患者を解析した。組織学、リンパ管浸潤、臨床的腫瘍ステージ、グレード、およびサイズなどの容易に得られる臨床的変数を用いることで、このノモグラムは外科的に切除可能な食道がんにおける潜在性リンパ節転移の確率を予測することができる。 |
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