ヒトパピローマウイルスが検出されない子宮頸がんは悪性度が高い [2019-04-23]
Cervical cancer is more aggressive when human papillomavirus is not detected

ヒトパピローマウイルス(HPV)陰性の子宮頸がんは稀であるがHPV 陽性がんに比べ悪性度が高い、とModern Pathology に掲載された。研究者らは、子宮頸がんと診断された女性214人の腫瘍を解析し、5年間追跡した。解析された腫瘍の10% は、HPV-DNA 検査陰性であった。このタイプの腫瘍を有する女性は、疾患がより進行した段階で診断され、リンパ節転移率がより高く、平均生存期間はHPV 陽性腫瘍を有する女性の半分であった。予後不良に関するこれらの結果は、これらの対象患者の臨床的管理のために考慮される必要がある、と筆者らは述べている。

NOX1/ROSシグナル伝達は胃上皮幹細胞の増殖を引き起こし腫瘍増殖へと導く [2019-04-23]
NOX1/ROS signaling causes gastric epithelial stem cells to multiply and leads to tumor growth

Oncogene に掲載された研究の結果、H. pylori 感染によって引き起こされた炎症が、どのようにして胃の腫瘍に繋がる胃上皮細胞の増殖を引き起こすかが示された。炎症は、遺伝子にストレスや細菌感染を撃退させ炎症反応に関与する調節タンパク質であるNF-κB からのシグナルに反応して、過剰なNOX1 複合タンパク質産生を引き起こした。H. pylori 感染により引き起こされた炎症もまたROS を産生し、さらに酸化ストレスを増大させる。NOX1/ROS シグナル伝達は胃上皮幹細胞を制御不能に増殖させ、その結果腫瘍を形成する。研究者らはその後、薬物を使用してNOX1 複合物の活性を抑制したところ、胃がん細胞増殖は直ちに停止した。

膵臓がん患者のサブグループにおいてrucaparibを用いた維持療法は臨床効果を示す [2019-04-16]
Maintenance therapy with rucaparib shows clinical responses in a subgroup of patients with pancreatic cancer

プラチナ製剤感受性でBRCA またはPALB2 変異を有する進行膵臓がん患者に対し、PARP 阻害薬rucaparib を用いた維持療法は忍容性が高く臨床的に奏効した、との現在進行中の第II相臨床試験の中間解析結果がAACR Annual Meeting 2019 で発表された。この中間解析時点の無増悪生存期間中央値は、rucaparib 治療開始後9.1か月であった。全奏効率は37% であり、うち1例は完全奏効(CR)、6例は部分奏効(PR)であった。病勢コントロール率(PR、CR、および安定の合計)は、少なくとも8週間は90% であった。

脆弱な食道がん患者において放射線併用ウイルス療法は早期の有望な効果を示す [2019-04-16]
Combination of virotherapy and radiotherapy show early promise in vulnerable patients with esophageal cancer

脆弱な食道がん患者において、治験薬である腫瘍溶解性アデノウイルスtelomelysin (OBP-301)と放射線治療の併用は安全かつ早期の臨床的有効性を示した、との第I相臨床試験の結果がAACR Annual Meeting 2019 で発表された。13人の患者は、数週間にわたり3回のOBP-301の腫瘍内投与と、同時に計60Gy の放射線治療を受けた。奏効率(ORR)は85%(完全奏効[CR]8例、部分奏効3例)であった。内視鏡的および病理学的に食道内腫瘍が完全に消失したことで定義される臨床的CR率は、ステージ1の患者で83% 、ステージ2/3の患者で60% であった。

65歳超の女性においてトモシンセシスは従来の2Dマンモグラフィよりもさらに優れた成績をもたらす [2019-04-09]
Tomosynthesis leads to even better performance than conventional 2-D mammography in women over 65 years

マンモグラフィは、65歳以上の女性における乳がんスクリーニングのために依然として有効な方法であるが、3D技術であるトモシンセシスが加わることでスクリーニングの成績がさらに向上する、と Radiology に掲載された。研究者らは、2Dマンモグラフィ(DM)を施行された女性15,000人超(平均年齢72.7歳)のマンモグラムと、トモシンセシスを施行された女性20,000人超(平均年齢72.1歳)のマンモグラムを比較した。いずれの方法も、がん検出において非常に有効であったが、トモシンセシスは偽陽性の減少などDMに優るいくつかの利点を有していた。また、トモシンセシスは陽性的中率および特異度もより高かった。

2つのKEYNOTEトライアルのデータはペムブロリズマブが進行小細胞肺がん患者において有益であることを示した [2019-04-09]
Data from two KEYNOTE trials show pembrolizumab benefitted patients with advance small cell lung cancer

治療歴を有する進行小細胞肺がん(SCLC)患者において、抗PD-1抗体ペムブロリズマブは効果が持続的であり有望な抗腫瘍活性を示した、との2つの臨床試験−第1b相 KEYNOTE-028および第II相 KEYNOTE-158−のプール解析結果が得られ、AACR Annual Meeting 2019 で発表された。追跡期間中央値7.7か月後、無増悪期間(PFS)中央値は2か月であり、全生存期間(OS)中央値は7.7か月であった。12か月時点のPFSおよびOSはそれぞれ17% および34% であり、24か月時点のPFS およびOS はそれぞれ13% および21% であった。