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若年発症大腸がんは高齢者大腸がんとは臨床的および遺伝的に明確に異なる特徴を有する [2019-03-19] |
Colorectal cancer in patients with early onset disease has distinct clinical and genetic features from that in older patients |
若年期に診断される大腸がんは、高齢期に診断される従来の大腸がんとは臨床的および遺伝的特徴は異なる、とCANCER に掲載された。若年発症患者は、50歳以上の患者に比べ、マイクロサテライト不安定性(P = 0.038)、同時性転移病変(P = 0.009)、遠位結腸または直腸病変(P < 0.0001)を有し、BRAF V600遺伝子変異が少なかった(P < 0.001)。同様に、炎症性腸疾患などの素因となる疾患を有する若年発症大腸がん患者は、それを有さない患者に比べ、異なる臨床的および遺伝的特徴を有していた。 |
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妊娠の回数およびタイミングはBRCA1 または BRCA2遺伝子変異を有する女性の乳がんリスクに影響する [2019-03-19] |
Number and timing of pregnancies influence breast cancer risk for women with BRCA1 or BRCA2 mutation |
乳がんリスクが平均的な女性においてみられる、複数回の妊娠や母乳育児による乳がんリスクの低下は、乳がんリスクの高い者にも拡大解釈できることが確認されたとの、BRCA1 および BRCA2遺伝子変異保因者における過去最大規模の前向き研究結果が得られた。満期妊娠を2、3、4回またはそれ以上経験したBRCA1 遺伝子変異を有する女性は、満期妊娠が1回だった女性に比べ、乳がんリスクがそれぞれ21%、30%、および50% 低かった。母乳育児もまた、BRCA1 遺伝子変異保因者のリスクを軽減した。この結果は Journal of the National Cancer Institute Cancer Spectrum に掲載された。 |
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術後放射線療法は小児上衣腫の予後を改善する [2019-03-12] |
Postoperative radiation improves outcomes for children with ependymoma |
小児脳腫瘍の中で3番目に多い小児上衣腫において、手術直後の放射線治療は生存率を3倍近くにする可能性がある、とJournal of Clinical Oncology の先行オンライン版に掲載される。スタディには、テント下上衣腫およびまれなテント上上衣腫の両者が含まれた。小児(1〜21歳)における術後放射線療法により、75% の7年無増悪生存期間および85% の全生存率が達成された。歴史的に、3歳未満の上衣腫小児はそれ以上の年齢の小児に比べ、予後は不良である。放射線療法後の予後改善は、年齢および上衣腫のサブタイプに関係なく認められた。 |
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筋肉量を増やすことは、がん治療が奏効する可能性を改善する [2019-03-12] |
Increased muscle mass improves chance of responding favorably to cancer treatment |
Scientific Reports に掲載されたスタディにおいて、サルコペニアが進行非小細胞肺がん(NSCLC)に対するPD-1 阻害薬治療への難反応性と有意に関連していることを、大阪大学の研究者らが明らかにした。治療後1年の時点で寛解を維持していたのは、非サルコペニア患者の38.1% であったのに対し、サルコペニア患者では同じ時点で腫瘍増悪徴候がなかったのは、わずか10.1% であった。この結果から、ベースラインの骨格筋量がPD-1 阻害薬の有効性に大きな影響を及ぼすことが示唆された。したがって、NSCLC 患者に対し、骨格筋量は治療が奏効するか否かを予測するのに有用である可能性がある。 |
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生物学的年齢が実年齢よりも高い女性は乳がん発症リスクが高い [2019-03-05] |
If a woman's biologic age is older than chronologic age she has an increased risk of developing breast cancer |
DNAを用いた生物学的年齢の推定は将来の乳がん発症リスクと関連がある、とJournal of the National Cancer Institute に掲載された。生物学的年齢は、正常な加齢プロセスの一部であるDNAメチル化(DNAの化学修飾)を計測することにより決定された。年齢加速度として知られる生物学的年齢が、実年齢つまり実際の年齢より5歳上昇するごとに、乳がん発症率は15% 上昇した。この研究は、生化学的過程がDNA塩基配列に影響することなく、いかに個々の遺伝子のスイッチをオン・オフするかを調査する分野であるエピジェネティクスの例である。 |
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PET画像は一部の乳がん患者に化学療法を使わないでおくべきバイオマーカーを示す [2019-03-05] |
PET images show biomarkers that could spare some breast cancer patients from chemotherapy |
PETスキャンはあるタイプのHER2 陽性乳がんを有する患者のうち、標準的な化学療法の必要がなくHER2 標的の分子標的薬のみが最も有益である患者を正確に予測するバイオマーカーを同定した、とJournal of Clinical Oncology に掲載された。ベースラインから治療開始2週間後のPETスキャンにおける糖取り込みの変化、および2週間後の時点での値そのものは、HER2 標的療法の奏効率を、高い感度および非常に高い陰性的中率で予測する最良の能力を有していた。治療2週間後の時点での糖レベルが高いことは、腫瘍が抗体に十分に反応せず化学療法が必要な可能性を示している。 |
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