2014
週末の突然の心停止は死亡率が高い(American Heart Association's Scientific Sessions 2019, Resuscitation Science Symposium 2019, Abstract 128)
早期閉経は複数の心疾患リスクを増大させる可能性がある(American Heart Association's Scientific Sessions 2019, Poster Presentation MDP451)
大麻は若年者の脳卒中と関連がある(American Heart Association's Scientific Sessions 2019, Oral presentation 333)
胎児先天性心疾患の遠隔診断
騒音が多いほど脳卒中重症度が高い
週末に心停止を来した患者は生存入院率が低い [2019-11-19]
People suffering cardiac arrest on the weekend are less likely to survive to hospital admission

週末に心停止を来した者は、これを平日に来した者に比べ生存入院率が低い、と American Heart Association's Resuscitation Science Symposium 2019 で発表された。英国の研究者らは、院外で突然の心停止を来し公共施設の自動体外式除細動器(AED)で処置された患者が、"生存して入院する"ことについて調査した。土曜日の午前1時から日曜日午後11時59分の間に心停止を来した者は、月曜日から金曜日までに心停止した者に比べ、生存率が20% 低かった。また、生存率は自宅で心停止を来した場合や患者が高齢である場合は低下した。

早期閉経歴を有する女性に対し医師は推定される将来的な心疾患リスクを精査すべきである [2019-11-19]
History of premature menopause should prompt physicians to refine the patient's estimated future risks for heart disease

40歳前に閉経した女性は複数の心疾患リスクが高い、と American Heart Association's Scientific Sessions 2019 のポスターセッションで発表された。平均7年間の追跡期間中、早期閉経を来した女性は、従来のリスクファクターを考慮しても、冠動脈疾患、心不全、大動脈弁肥厚および狭窄、心房細動、さらに深部静脈血栓症のリスクが有意に高かった。心疾患リスクは、自然閉経よりも手術により閉経した女性で高かった。このリスクの差の一部は、心血管疾患リスクファクターの違いで説明できる可能性がある。

大麻を頻回に使用する若年者は非使用者に比べ脳卒中リスクが有意に高い [2019-11-19]
Young people who use cannabis frequently had significantly higher risk of stroke than non-users

若年者における大麻の頻回使用は脳卒中リスクの増大と関連する、と American Heart Association's Scientific Sessions 2019 で発表され、American Stroke Association の Stroke に掲載された。大麻を頻回に使用し、タバコまたは電子タバコも吸う若年者は、大麻の非使用者に比べ、脳卒中発症率が3倍であった。またスタディの結果、タバコは吸わないが1か月に11日以上大麻を使用すると報告した大麻使用者は、非使用者に比べ、脳卒中発症率が2.5倍であることも示した。

テレヘルスは郊外居住患者における胎児先天性心疾患の診断および管理に有用である [2019-11-05]
Telehealth effectively diagnoses and manages fetal congenital heart disease in rural patients

妊婦368人を対象としたスタディの結果、胎児の先天性心疾患(CHD)はリアルタイムビデオ診察を用いることにより正確に診断され、エビデンスに基づいたリスク層別化に従い順調に管理されることが明らかにされた。このプログラムは、郊外のクリニックの医療関係者と大学病院の小児循環器医とのテレヘルス診察を用いた。このスタディに参加した産科超音波検査技師は、胎児CHD の識別力が向上した。すべての妊婦が、遠方の大学病院へ行くよりも、近郊で胎児の心臓評価を行うことの方を希望した。さらに、親は医療費の面でも劇的な費用便益を認め、親/医師の満足度も高かった。この研究結果は Obstetrics and Gynecology に掲載された。

騒音の多い地域に居住することで、より重症度の高い脳卒中に罹患するリスクが上昇する [2019-11-05]
Living in a noisy area increases the risk of suffering a more serious stroke

大都市で受ける高度の環境騒音は、虚血性脳卒中の重症度およびその後の好ましくない結果を増大させる、と Environmental Research に掲載された。騒音の多い地域に居住する人々の脳卒中重症度リスクは30% 上昇したのに対し、緑地近くに居住する人々のリスクは25% 低かった。騒音レベルと脳卒中重症度との関連が解析されたのは、今回の研究が初めてである。この結果から、伝統的に脳卒中と関連付けられていた因子以外、その他の因子がこの疾患において独立して影響している可能性があることが示唆された。