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不眠の遺伝的易罹病性は冠動脈疾患、心不全および脳卒中のリスクを増加させる可能性がある [2019-08-27] |
Genetic liability to insomnia may increase the risk of coronary artery disease, heart failure and stroke |
不眠を患う人々は冠動脈疾患、心不全および脳卒中のリスクが高い可能性がある、とCirculation に掲載された。心疾患および脳卒中を有するまたは有さないスタディ参加者130万人が、4つの主要な公的研究および対象から抽出された。研究者らは、結果のバイアスを軽減するために、不眠などの可能性のあるリスクファクターと関連することが知られている遺伝的多様体を用いたメンデルランダム化を適用した。その結果、不眠の遺伝的多様体は冠動脈疾患、心不全および虚血性脳卒中‐特に大血管脳卒中‐の確率が著明に高いことと関連があることが明らかになったが、心房細動はそうではなかった。 |
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電子タバコリキッドに含まれる有毒物質は血管機能を障害し炎症を促進する可能性がある [2019-08-27] |
Toxic substances in e-cigarette liquid may interfere with vascular function and promote inflammation |
電子タバコを介して溶液の蒸気を吸引する、つまり電子タバコ吸引は、この溶液にニコチンが含まれていなくても即座に血管機能に影響する、とRadiology に掲載された。新たなマルチパラメトリックMRI という方法を用いたところ、1回の電子タバコ吸引で大腿動脈の血流が減少し血管反応性が障害され、血流依存性血管拡張反応が34% 減少した。最大血流は17.5% 減少し、血液加速度は25.8% 減少した。これらの結果から、血管内皮の機能障害が示唆される。静脈血酸素飽和度の20% 低下は、微小血管機能の変化を示唆する。 |
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リスクファクターに関係なくファストフードと心イベントとの関連が研究により実証された [2019-08-20] |
Research documents association between fast foods and cardiac events, independent of risk factors |
地方あるいは大都市圏いずれにおいても、ファストフードの店舗密度は心筋梗塞(MI)率と正相関する、と67th Annual Scientific Meeting of the Cardiac Society of Australia and New Zealand (CSANZ 2019) で発表された。ファストフード店が人口100,000人当たり1店舗増える毎に、年4件のMI症例が増加した。この結果は、年齢、肥満、高脂血症、高血圧、喫煙の有無、および糖尿病で補正した後でも、地方あるいは大都市圏にかかわらず一貫して認められた。これらの結果は、健康に影響を与える可能性のあるものとして、個々人の食環境の重要性を強調している。 |
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セロトニンを最も増加させる抗うつ薬は虚血性脳卒中リスクをやや低下させる [2019-08-20] |
Antidepressants that increase serotonin the most linked to slight decrease in the risk of ischemic stroke |
一部の選択的セロトニン再取込み阻害薬、および脳内のセロトニンレベルを最も増加させるその他の抗うつ薬は、セロトニン増加レベルが最も低い抗うつ薬に比べ虚血性脳卒中リスクを低下させた、とNeurology® オンライン版に掲載された。セロトニンレベルを最も増加させる抗うつ薬(fluoxetine、パロキセチン、セルトラリン、デュロキセチン)を使用した人々は、セロトニンレ増加レベルが最も低い抗うつ薬(ミアンセリン、ミルタザピン、nefazodone、reboxetine、agomelatine、viloxazine)を使用した人々に比べ、虚血性脳卒中を発症するリスクが12% 低かった。この結果は、脳卒中リスクに影響し得る様々な因子で補正しても同等であった。 |
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閉経期女性の橈骨動脈脈波は血圧では明らかにされない循環器系の変化を検出する [2019-08-06] |
A menopausal woman's radial pulse wave detects circulatory system changes that aren't evident with blood pressure |
閉経期女性の橈骨動脈脈波を測定することは、閉経期女性の心血管疾患リスクの増加を説明するのに標準的な血圧測定よりも役立つ、とAmerican Heart Association's Basic Cardiovascular Sciences 2019 Scientific Sessions で発表された。研究者らは、橈骨動脈脈波の情報が収縮期および拡張期血圧では分からない、閉経期の変化を反映することを明らかにした。特に、第1および第3高調波−C1 およびC3−が影響を受けた。C1 は心筋梗塞および心不全に関連がある。橈骨動脈脈波におけるC1 およびC3 高調波は、閉経期におけるホルモン変化も明らかにし、これが動脈硬化の進行を示す可能性がある。 |
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新たな画像法はガドリニウム造影剤静注を行うことなく冠動脈疾患を同定する [2019-08-06] |
Novel imaging approach identifies coronary artery disease without gadolinium contrast injection |
薬剤や造影剤を投与することなく、15分以内の短時間検査で冠動脈疾患(CAD)患者を同定することができる、新たな画像検査法が開発された。この概念実証研究は、組織の磁気特性を測定することにより、運動後の心筋内血流変化を同定する定量的心臓MR検査法を実証した。この技術は、CAD が疑われる患者において、ガドリニウム造影剤使用または薬物負荷によることなく、血流が減少した冠動脈狭窄を評価することができる可能性がある。この技術はJournal of the American College of Cardiology: Cardiovascular Imaging において述べられている。 |
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