宇宙旅行から学んだ運動に関する所見が起立性低血圧患者にとって有望である [2019-07-30]
Lessons learned from space travel about exercise hold promise for patients with orthostatic hypotension
ヒトが初めて月に着陸してから50年近く後に、宇宙に長期滞在した宇宙飛行士がより安定した足どりで地球に帰還するのに役立つ方法が発見された、とCirculation に掲載された。長期の宇宙飛行任務の間、毎日最長2時間の耐久力訓練および筋力運動と着陸後の静脈内補液は、宇宙飛行士が地球に戻った後、日常生活を送る上でのめまいやふらつきを予防するのに役立つ。宇宙プログラムとして開発されたこの運動プログラムは、体位性起立性頻拍症候群を有する筆者らの研究室の人々に既に役立っている。
脳動脈瘤に対する血管内ステント併用コイル塞栓術に使用するデバイスの型がアウトカムに影響する [2019-07-30]
Type of device use for endovascular stent-assisted coiling following cerebral aneurysm affects outcomes

脳動脈瘤治療に用いられる異なる型のステントのアウトカムを比較したスタディの結果、使用されるステントの型が患者の直後および長期の健康アウトカムに影響することが示された。研究者らは、3つの型のステント(Neuroform [NEU]、Enterprise [EP]、Low-profile Visualized Intraluminal Support [LVIS])を用いた血管内ステント併用コイル塞栓術のアウトカムを比較した。彼らは計670の動脈瘤を有する患者659人を解析し、動脈造影フォローアップ期間中の完全閉塞が、3つのステント間で著明に異なることを明らかにした(LVIS 84%、NEU 78%、EP 67%)。このスタディ結果は、Society of NeuroInterventional Surgery's 16th Annual Meeting で発表された。

脳卒中発症後の病院到着から穿刺までの時間をわずか15分改善することで命を救い障害を予防できる可能性がある [2019-07-23]
Improving door-to-puncture time after stroke by just 15 minutes can save lives and prevent disability

脳卒中治療をわずか15分早く開始することで命を救い障害を予防できる可能性がある、と JAMA に掲載された。発表されたデータによると、病院到着から穿刺までの時間が15分早かった患者1,000人毎に、死亡または退院後にホスピスケアを受ける者は15人少なく、補助なしで歩いて退院した者は17人多く、退院後に身の回りのことを自分でできた者は22人多かった。スタディの結果、包括的脳卒中センターとして認定されていない病院、および病院の"診療時間外"つまり週末、休日および平日の午前7時前と午後6時以降に、初期治療は遅れる傾向にあった。

若年期に血圧およびコレステロールを適正に維持することは、生涯における心血管疾患予防にかなりの有益性をもたらす可能性がある [2019-07-23]
Maintaining optimal blood pressure and cholesterol in young adults could yield substantial lifetime cardiovascular disease prevention benefits

若年期の血圧およびコレステロール値上昇は、人生後期にこれらのリスクに曝露されるか否かにかかわらず、人生後期における心疾患リスク上昇に繋がり得る、とJournal of the American College of Cardiology に掲載された。若年成人期のLDLコレステロール値上昇により、その後のこれらのリスクの有無にかかわらず、冠動脈疾患リスクが64% 上昇した。若年成人期の収縮期および拡張期高血圧は、それぞれ心不全リスクの37% および21% 上昇と独立して関連があった。

微小血管疾患はその部位に関係なく下肢切断のリスクを上昇させる [2019-07-16]
Microvascular disease increases risk of leg amputation regardless of location of the microvascular issue

微小血管疾患はこれを有さない人々に比べ下肢切断リスクが高いことと独立して関連する、とCirculation に掲載された。平均9年間にわたり、微小血管疾患を有する参加者は下肢切断リスクが3.7 倍高かった。末梢動脈疾患(PAD)患者は下肢切断リスクが13.9 倍高かった。微小血管疾患およびPAD の両方有する者は、下肢切断リスクが23倍高かった。このリスク上昇は網膜症、腎症または神経障害などの微小血管疾患の部位に関係なく認められた。

心筋障害および壁ストレインのバイオマーカーは転倒の重要な危険因子であり得る [2019-07-16]
Biomarkers of cardiac damage and wall strain could be important risk factors for falls

既知の心血管疾患(CVD)を有さない高齢者において、潜在的心筋障害および心臓の壁内ストレインは転倒の高リスクであることと関連がある、とJournal of the American Geriatrics Society に掲載された。研究者らは、既知のCVD、脳卒中または心不全を有さない高齢者約4,000人(平均年齢75歳)を追跡した。4.5 年後、潜在性心筋障害および心臓の壁内ストレインのマーカーは、強力かつ独立して新たな転倒と関連があった。これらの所見は、CVD と診断されていない高齢者であっても、心血管系の健康状態を最適化することは、高齢者の転倒を予防するための戦略となり得ることを示唆する。

負荷心筋シンチ検査は糖尿病患者における心関連死のリスク同定に役立つ [2019-07-09]
Nuclear stress test helps identify risk of cardiac-related death in people with diabetes

負荷心筋シンチ検査における異常所見は、特に糖尿病患者における心関連死リスクの顕著な上昇と関連がある、との多施設研究の結果がRadiology: Cardiothoracic Imaging に掲載された。この結果から、糖尿病患者のうちPET 心筋血流イメージング(PET MPI)検査における異常は、年齢、性別、肥満、または過去の血管形成術などの血行再建術などに基づく重要な臨床サブグループ全てにおいて、心臓死リスク上昇と関連があった。今回のデータを用いて研究者らは、かなりの割合の糖尿病患者の心臓リスクをより正確に評価することが可能であった。

尿路感染症およびその他の感染症が異なるタイプの脳卒中のトリガーとなる可能性がある [2019-07-09]
Urinary tract and other infections may trigger different kinds of stroke

いくつかの感染症が脳卒中のトリガーとなる可能性があり、尿路感染症は虚血性脳卒中と最も強い関連がある、とStroke に掲載された。あらゆるタイプの感染症は、虚血性脳卒中の可能性を高めることに関連している。最も強力な関連は尿路感染症にみられ、感染30日以内の虚血性脳卒中のリスクは3倍以上に上昇することが示された。脳出血発症は尿路感染症、敗血症、呼吸器感染症との関連が最も強かった。呼吸器感染症は、くも膜下出血発症と関連のある唯一の感染症であった。

10年間以上の長期間労働は脳卒中リスク上昇との関連が強い [2019-07-02]
Working long hours for 10 years or more associated with increased stroke risk

長時間労働者、特に10年以上にわたる長時間労働者は脳卒中リスクが高い、とStroke に掲載された。長時間労働とは、年50日以上の10時間超の労働と定義された。長時間労働の参加者は脳卒中リスクが29% 高く、10年以上の長時間労働者は脳卒中リスクが45% 高かった。10年間の長時間労働と脳卒中との関連は、50歳未満においてより強力であった。

標準的な意思決定ツールに機械学習を併用することで冠動脈イベントのリスク評価が改善する [2019-07-02]
Adding machine learning to standard decision-making tools improves assessment of risk for coronary event

冠動脈CT 血管造影を用いた場合、心筋梗塞およびその他の心イベントを予測する従来のリスクモデルに比べ、機械学習(ML、ある種の人工知能)の方が優れている、とRadiology に掲載された。研究者らは患者6,892人において、MLアプローチと、冠動脈疾患レポートおよびデータシステム(CAD-RADS)さらにその他の血管スコアリングシステムを比較した。ML アプローチは、心イベントを来す患者と、そうでない患者との鑑別において優れていた。スタチン開始時期の決定に際して、MLスコアはイベント発症患者の93% がこの薬剤を投与されるだろうと確証したのに対し、CAD-RADS に基づくとそれは69% であった。