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心不全症状は不妊治療後の周産期心筋症の警告徴候である可能性がある [2019-05-28] |
Heart failure symptoms could be warning sign of peripartum cardiomyopathy following fertility treatment |
心不全症状は不妊治療を受けた女性の周産期心筋症(PPCM)の警告徴候である可能性がある、とHeart Failure 2019 で発表された。このスタディでは、PPCM のリスクは不妊治療を受けた女性において5倍高いことを示している。心不全症状と正常妊娠による違和感を区別することは困難であることから、息切れ、下肢浮腫および夜間頻尿が良性のものではない可能性があることを、患者には知らせておくべきである。筆者らは、人工的に妊娠した女性全員に対し、PPCM を除外するための心エコーなど心臓の検査をすることを推奨している。 |
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慢性心不全患者における腸内細菌叢の生物多様性減少は食物繊維の摂取量減少と関連がある [2019-05-28] |
Reduced biodiversity of microbes in patients with chronic heart failure is related to low fiber intake |
食物繊維をより多く摂取する心不全患者は腸内細菌がより健康的な傾向にあり、死亡リスクまたは心臓移植の必要性が低いことと関連がある、とHeart Failure 2019 で発表された。心不全患者は健常人コントロールに比べ腸内細菌叢の生物多様性が低く、ヒト腸管内に存在する主な2門:Firmicutes/Bacteroidetes(F/B)に差があった。この差は、心不全の原因が非虚血性であるほどより顕著であった。心臓移植を受けたかまたは死亡した患者は、生物多様性が低く、F/B 比がコントロールに比べ低かった。細菌叢の多様性およびFirmicutes 門レベルは、食物繊維摂取量と正の相関関係にあった。 |
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術後の心血管合併症は閉塞性睡眠時無呼吸を有する患者において2倍である [2019-05-21] |
Risk of postoperative cardiovascular complication doubles for patients with obstructive sleep apnea |
新たに診断された未治療の重症閉塞性睡眠時無呼吸(OSA)患者は、大手術後30日以内の心血管合併症のリスクが有意に高い、と JAMA に掲載された。研究者らは、新たにOSA と診断された術前患者1,218人を抽出し、術後30日間追跡した。これらの患者は睡眠時無呼吸を有さない患者に比べ、心血管合併症のリスクが50% 高かった。さらに解析したところ、重症OSA を有する患者は心臓死リスクが14倍高く、心損傷リスクが80% 高く、心不全リスクが約7倍高かった。 |
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機能性磁気ビーズは妊娠高血圧腎症に新たな選択肢を提供する [2019-05-21] |
Functionalized magnetic beads offer new options for the treatment of preeclampsia |
概念実証研究の結果、妊娠高血圧腎症の際に上昇し血管壁機能不全の原因となるsFlt-1 と呼ばれる有害な分子の血中濃度を機能性磁気ビーズが減少させた、と Hypertension に掲載された。妊娠高血圧腎症の女性の血液を用いて、研究者らは磁気ビーズがsFlt-1を循環から除去し、その結果血管壁機能を反映する2つの分子であるVEGFおよびPIGF の遊離を増加させているかどうかの実験を行った。磁気ビーズはsFlt-1を40% 減少させ、PIGF 遊離を最大2倍に増加させ、結果としてsFlt-1/PlGF 比が63% 低下した。 |
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人工知能は安定した胸痛を有する患者の不要な診断的検査を防ぐ [2019-05-14] |
Artificial intelligence could prevent unneeded diagnostic tests in patients with stable chest pain |
人工知能(AI)は安定した胸痛を有する患者の不要な診断的検査を防ぐ、と ICNC 2019 で発表された。ARTICA と呼ばれるこのAI意思決定支援システムは、ESC ガイドラインに厳密に従っている。このスタディは、安定した胸痛を有する患者982人を組み入れた。研究者らは、どの検査を行うかの意思決定を循環器専門医とAI とで同じ日に比較した。ARTICA は67% の患者において更なる検査は必要ないと助言したが、一方で、循環器専門医におけるその割合は、わずか4.6% であった。CT血管造影検査の結果、ARTICA が検査不要とした患者の97% において有意な冠動脈疾患がなく、これは意思決定が正しかったことを意味する。 |
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マラソン初心者のマラソンに向けたトレーニングは、大動脈スティフネスを元に戻し脳卒中リスクを低下させる [2019-05-14] |
Training for a marathon reverses aortic stiffness and decreases stroke risk in novice runners |
初回のマラソン完走に向けたトレーニングは大血管の加齢変化を"元に戻し"、高齢で走るのが遅いランナーが最も恩恵を被る、と EuroCMR 2019 で発表された。スタディには21〜69歳の健常なマラソン初心者139人が含まれた。6か月間トレーニングを受けマラソンを完走した初心者は、血管年齢が4歳若返り、収縮期血圧が4 mmHg 低下した。これは薬物療法の効果に匹敵し、もし維持されれば生涯脳卒中リスクの約10% の低下に換算される。 |
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