ナッツを食べることは2型糖尿病患者に対する心血管疾患リスクを低下させる可能性がある [2019-02-26]
Eating nuts may reduce cardiovascular disease risk for people with type 2 diabetes

ナッツ類、特に木の実を食べることにより、2型糖尿病患者の心血管疾患リスクが低下する可能性がある、とCirculation Research に掲載された。1か月のナッツ摂取量が1食分の28g未満である人々に比べ、週に5食分のナッツを食べた2型糖尿病患者は、心血管疾患リスクが17% 低かった。少量のナッツでも大きな差があり、週当たりの摂取量が1回分多い毎に、心血管疾患リスクは3% 低下し、心血管死リスクが6% 低下した。木の実は、ピーナッツよりも心保護効果が強いようであった。

閉塞性睡眠時無呼吸および日中の過度の眠気を有する人々は、心血管疾患リスクが最大である [2019-02-26]
People with obstructive sleep apnea and excessive daytime sleepiness at greatest risk for cardiovascular disease

閉塞性睡眠時無呼吸(OSA)を有し覚醒時に過度の眠気を感じる成人は、日中の過度の眠気を感じない人々に比べ、心血管疾患リスクがはるかに高いようである、とAmerican Journal of Respiratory and Critical Care Medicine に掲載された。日中の過度の眠気を有するスタディ参加者は、他の3つのサブタイプよりも登録時に心不全と診断される確率が3倍以上高く、追跡期間中に心血管イベントを発症する確率が約2倍高かった。日中の過度の眠気を有する参加者は、OSAを有さない者に比べ、登録時に心血管疾患率が高い唯一のサブグループであった。

分光画像技術により頸動脈疾患のバイオマーカー評価がより正確にできる [2019-02-19]
Spectroscopy-based imaging technique enables more accurate assessment of biomarkers of carotid artery disease

Volumetric multi-spectral optoacoustic tomography (vMSOT) と呼ばれる頸動脈評価のための新たな非侵襲的技術は、他の画像法を超える利点を有し、より早期かつより正確な心血管疾患リスクの評価が可能になる、とRadiology に掲載された。超音波と同じように、vMSOTは頸部に当てて動かす手持ち式の装置である。しかし、vMSOTは組織を分子スケールで精査する分光技術を用いている。これにより他の方法では獲得できない動脈情報を得ることができる。この方法はまた、よりよい治療選択を提供できるほど早期に、脂質、メラニン色素および他の疾患関連バイオマーカーを検出することもできる。

高リスク型性感染症ヒトパピローマウイルスは心血管疾患リスクを上昇させる [2019-02-19]
High-risk sexually transmitted HPV virus associated with increased cardiovascular disease risk

がんと関連があるとされる高リスク型ヒトパピローマウイルス(HPV)の感染は、特に肥満または他の心血管リスクファクターを有する女性において心血管疾患リスクを上昇させる可能性がある、と Circulation Research に掲載された。他のリスクファクターで補正した結果、高リスク型HPVを有する女性は、非感染女性に比べ心血管疾患を発症する確率が22% 高かった。肥満女性は心血管疾患を発症する確率が3分の2近く高く、メタボリック症候群と高リスク型HPV感染を合併した者は、心血管疾患を発症する確率が2倍近く高かった。

乾癬治療薬は皮膚症状を有する患者における心疾患を予防する可能性がある [2019-02-12]
Psoriasis medication may prevent heart disease in patients with the skin condition

重症乾癬の治療に用いられる抗炎症性生物学的製剤は、皮膚症状を有する患者における心疾患を予防する可能性がある、とCardiovascular Research に掲載された。生物学的製剤による治療を1年間受けた重症乾癬患者は、しばしば心筋梗塞の原因となる総石灰化冠動脈プラークおよび非石灰化冠動脈プラーク負荷が8% 低下した(低用量スタチンと同等の効果)。生物学的製剤使用患者においては、冠動脈プラーク構造も改善し、リスクの低いものになった。生物学的製剤非使用患者においては、冠動脈プラーク負荷が2% 増加した。これらの結果から、乾癬を治療することは冠動脈疾患に有益である可能性が示唆される。

退院時にオピオイドを処方された心疾患患者はフォローアップ治療を受けない確率が高い [2019-02-12]
Cardiac patients prescribed opioids at hospital discharge more likely to miss follow-up care

退院時にオピオイドを処方された心疾患患者は、これを処方されなかった患者に比べ、担当の医療提供者によるフォローアップや心臓リハビリテーションに参加する確率が低かった、とJournal of the American Heart Association に掲載された。研究者らは患者2,495人を解析したところ、20% の患者が退院時にオピオイドを処方されていた。オピオイドを処方された患者は、退院後30日間に、医療提供者によるフォローアップや心臓リハビリテーションに参加する確率が低かった。また、90日以内に救急外来を訪れたり、再入院または死亡する確率がやや高かった。

脳卒中後の全身性炎症は組織の消耗および悪液質の発症を助長する可能性がある [2019-02-05]
Systemic inflammation after stroke may contribute to tissue wasting and development of cachexia

筋肉および体重の減少は脳卒中後の障害と関連がある、と Heart & Stroke 2019 で報告され、Journal of Cachexia, Sarcopenia and Muscle に掲載された。研究者らは、虚血性脳卒中後1年に悪液質を発症した患者は、体脂肪が19%  および筋肉が6.5% 減少したことを明らかにした。これらの患者は、機能的能力およびハンドグリップ強度が有意に低かった。悪液質の患者はまた、C反応性蛋白で計測した炎症レベルが有意に高かった。全身性炎症を有する患者は筋肉の消耗リスクが5倍高く、体重減少リスクが11% 高く、食欲低下の確率が30% 大きく、ハンドグリップ強度が低い可能性が6% 高かった。

肉類に含まれる飽和脂肪酸の豊富な食事は、乳製品に含まれる脂肪よりも心筋梗塞のリスクを上昇させる [2019-02-05]
Diets rich in saturated fats found in meats increase risk of myocardial infarction more than fats found in dairy

我々が口にする飽和脂肪酸のタイプが心筋梗塞(MI)のリスクに影響する可能性がある、と International Journal of Cardiology に掲載された。パルミチン酸およびステアリン酸−一般的に肉類に含まれる16以上の炭素原子から成る飽和脂肪酸−が比較的少ない食事をし、その代わりに植物性蛋白を摂取する人々は、MIの危険が低かった。さらに、一般的に乳製品に多く含まれる14以下の炭素原子を含む飽和脂肪酸を摂取する人々は、MIリスクが低かった。これらの飽和脂肪酸を炭水化物などの他のエネルギー源で代用しても、MIリスクには影響しなかった。