◆ |
抑うつおよび不安は喫煙や肥満のように何らかの健康被害を及ぼす可能性がある [2018-12-25] |
Depression and anxiety may take same toll on health as smoking and obesity |
不安や抑うつは、心疾患および高血圧から関節炎、頭痛、腰痛さらに胃の不調に至る広範な疾患の主な予測因子となる可能性があり、喫煙や肥満などの長く確立されてきたリスクファクターと同様の影響がある、とHealth Psychology に掲載された。研究者らは、高齢者15,000人超の健康データを4年間にわたり観察した。高レベルの不安や抑うつを有する参加者は、心疾患、脳卒中、高血圧、関節炎それぞれの発生率が65%、64%、50%、87% と、不安や抑うつを有さない参加者に比べ高かった。心理的苦痛はがんの強力な予測因子ではなかった。 |
 |
◆ |
アルコール使用障害を有する親をもつ子供は飲酒問題を有す者と結婚する確率が高い [2018-12-25] |
Children of parents with alcohol use disorder more likely to marry someone with a drinking problem |
アルコール使用障害を有する親をもつ子供は、25歳未満に結婚し、晩婚の傾向は低く、アルコール使用障害を有する者と結婚する確率が高い、とAddiction に掲載された。これらの影響の多くは、アルコール使用障害の親の数が1人から2人に増える場合に、より強くなることも明らかにされた。影響の多くは、親の社会経済的地位、婚姻歴、その他の外在化障害、および子供自身のアルコール使用障害の有無で統計学的に補正後も、依然として認められた。さらに、アルコール使用障害の母親をもつ娘は、アルコール使用障害を有する配偶者をもつ確率が高かった。 |
 |
◆ |
2つの記憶力テストを用いることでアルツハイマー病の予後予測の精度が改善する [2018-12-18] |
Using two memory tests improves accuracy of Alzheimer's disease prognosis |
Brain Imaging and Behavior に掲載されたスタディの結果、エピソード記憶を評価する2つの記憶力テストを使用することにより、アルツハイマー病による軽度認知障害の診断がより正確になることが示された。2つのテスト(ストーリーの再現および単語リスト)の結果が不良であることは、内側側頭葉の脳萎縮がより進んでいることを予測した。エピソード記憶テストの両方の結果が不良であった参加者の約半数が、3年間のスタディ期間中にアルツハイマー病と診断された。片方の記憶力テストのみ成績が不良であった者においては、アルツハイマー病と診断されたのはわずか16% であった。 |
 |
◆ |
肥満者において高強度インターバルエクササイズは認知機能障害を阻止するために戦う [2018-12-18] |
High-intensity interval exercise combats cognitive dysfunction in obese individuals |
肥満者において、高強度インターバルエクササイズは認知機能障害を効果的に予防し認知機能障害に対し戦う、とExperimental Biology and Medicine に掲載された。肥満は脳由来神経栄養因子(BDNF)の発現を低下させる。BDNFレベルが低いことはアルツハイマー病、パーキンソン病、および肥満と関連がある。今回のスタディでは、正常体重者に比べ肥満者において、BDNFの反応は持続的な中等度のエクササイズよりも激しい高強度インターバルエクササイズに対しての方が大きかった。肥満者は血中乳酸産生が少なかったが、コルチゾール値には差がなかった。これらの結果から、肥満者において激しい高強度インターバルエクササイズは、乳酸やコルチゾール値に関係なく、BDNF発現をアップレギュレートするために、より有効なプロトコールであることが示唆された。 |
 |
◆ |
自殺企図4件中1件は声を聴くことなどの知覚困難に関連する [2018-12-11] |
One in four suicide attempts are associated with perceptual difficulties such as hearing voices |
自殺企図の4分の1は脳が基本的な知覚情報を解釈することの機能障害に関連する、とのスタディ結果がJAMA Psychiatry に掲載された。80,000人以上を対象とした解析において、自殺企図者または自殺者の4分の1が、実際にはそこに存在しないものを聞いたり見たりする基本的な知覚の問題−つまり "知覚異常" を有していた。そのようなエピソードは必ずしも精神疾患またはうつ病と関連するわけではなく、精神疾患を有さない人々においても起こり得る。今回の研究は、この機能障害は自殺行動を予測できることを示しており、また治療および自殺予防の新たな展望を提示している。 |
 |
◆ |
瞑想および音楽は早期記憶障害を有する成人における細胞老化のバイオマーカーを変化させる可能性がある [2018-12-11] |
Meditation and music may alter biomarkers of cellular aging in adults with early memory loss |
簡単な瞑想および音楽鑑賞プログラムは、記憶障害を有する高齢者の細胞老化およびアルツハイマー病のある種のバイオマーカーを変化させる可能性がある。瞑想または音楽療法を実践した患者において、血中βアミロイドレベル上昇は3か月後および6か月後の記憶ならびに認知機能を改善、さらに気分、睡眠、QOLの改善と相関があった。これらの正の相関関係は瞑想群においてより顕著であった。テロメア長およびテロメラーゼ活性の増加は両群ともに認められ、一部の認知機能および心理社会的アウトカムの改善と相関があった。このスタディはJournal of Alzheimer's Disease に掲載された。 |
 |
◆ |
オンラインゲーム依存男性のfMRI検査の結果、衝動性に関連した脳領域の変化が認められた [2018-12-04] |
fMRI exams of men addicted to online gaming reveals alterations in brain regions associated with impulsivity |
機能的MRI(fMRI)により、オンラインゲーム依存の男女の脳に相違があることが明らかにされた、と2018 annual meeting of the Radiological Society of North America で発表された。インターネットゲーム障害(IGD)は、他に興味をもたずゲームをしたい衝動が抑えられなくなることが特徴である。IGDの男性は、衝動制御に重要な前頭前野の上前頭回の活性が低かった。女性はこれらの脳の変化は示さなかった。今回の研究により、IGDに関連した行動の問題と、薬物乱用の問題を有する者に認められる行動問題とを関連付けるエビデンスが追加される。 |
 |
◆ |
拡散テンソル画像を用いた脳白質のMRI評価は認知症リスクを判断するのに有用である [2018-12-04] |
MRI assessment of the brain's white matter using diffusion tensor imaging is useful for determining dementia risk |
アルツハイマー病を発症する可能性のある人々を予測するのにMRI脳スキャンは一般的な臨床検査よりも優れている、と2018 annual meeting of the Radiological Society of North America で発表された。標準化された認知機能質問票やAPOE4遺伝子検査などの一般的な予測モデルには限界があり精度は70〜71% で、アルツハイマー病を将来発症する多くの人々を同定できない。今回のスタディにおいて、研究者らはMRI拡散テンソル画像を用いて脳の白質の状態を評価した。その結果、後にアルツハイマー病を発症する可能性のある患者を89% の精度で同定することができた。 |
 |