ディープラーニングアルゴリズムを用いるFDG-PETはアルツハイマー病を診断前に予測するのに成功した [2018-11-13]
FDG-PET with deep learning algorithm successfully predicts Alzheimer's disease prior to diagnosis

人工知能技術は脳画像診断のアルツハイマー病予測能を向上させる、との研究結果がRadiology に掲載された。研究者らは、患者1,002人の2,100以上のFDG-PET画像データセットにアクセスした。彼らは90% のデータセットに関してディープラーニングアルゴリズムをトレーニングし、その後残りの10% でテストを行った。ディープラーニングを通して、このアルゴリズムはそれ自体でアルツハイマー病に対応する代謝パターンを学習することができた。別の一連の画像例に対しテストを行ったところ、このアルゴリズムは最終診断の平均6年以上前にアルツハイマー病を100% の感度で検出した。

糖尿病治療薬で治療を受けたアルツハイマー病患者はこの疾患のマーカーが大幅に減少する [2018-11-13]
Alzheimer's patients treated with diabetes drugs show considerably fewer markers of the disease

糖尿病治療薬で治療を受けたアルツハイマー病患者は、糖尿病の治療を受けていないアルツハイマー患者に比べ、脳の微小血管および遺伝子発現の異常が大幅に減少した、とPLOS One オンライン版に掲載された。研究者らは脳の毛細血管細胞およびインスリンシグナル伝達分子RNAマーカーを計測する技術を開発した。糖尿病治療薬を用いていたアルツハイマー病患者群の血管および脳組織において、これらのマーカーが約半分のレベルに低下していた。アルツハイマー病において認められるRNA変化の大半が、糖尿病治療薬を用いていたアルツハイマー病患者においては認められなかった。

ヒトのニューロン発生in vitroモデルを用いた統合失調症遺伝的リスクにおける変化の調査 [2018-11-06]
Using an in vitro model of human neuron development to study changes in genetic risk for schizophrenia

Biological Psychiatry に掲載されたスタディにより、ヒトの胚性幹細胞からin vitro で増殖させた脳細胞を用いて、精神疾患の複雑な遺伝的原因を調査する分析法が確立された。研究者らは新たなニューロンがある役割を担う過程を調査し、ニューロン発生過程の遺伝子発現における変化が、統合失調症の遺伝的リスクと有意に関連があることを明らかにした。このスタディにより、in vitro でニューロン発生が精神疾患モデルとして確立されたため、研究者らはこのモデルを微調整し異なる環境がどのように疾患リスクに影響するかを調査し、精神疾患の生物学を理解するのに用いることができるようになった。

コルチゾール高値は中年期における記憶障害および脳の縮小と関連がある [2018-11-06]
High cortisol levels associated with impaired memory and reduced brain size in middle age

コルチゾール‐ストレスと関連のあるホルモン‐が高値の40代および50代の成人は、コルチゾールが平均値の同等者に比べ記憶およびその他の認知課題の成績が不良であった、とNeurology に掲載された。血中コルチゾールが高値であることは、脳容積が少ないことと関連があった。記憶力低下と脳の萎縮は、どんな症状でも出現前に中年の参加者において認められた。研究チームはまた、心血管疾患およびアルツハイマー病の遺伝的リスクファクターであるAPOE4を有することは、コルチゾール高値とは関連がないことも明らかにした。この結果は年齢、性別、喫煙およびBMIなどの因子で補正された。