新たな方法によりアルツハイマー病の正確な診断が可能になる
ミトコンドリア遺伝子が認知症を予防する

9月4日、11日、18日のDOL NewsはESC特集のため、Psychiatryニュースは
お休みさせていただきました。

PETを用いた新たなタウ蛋白のイメージング技術はアルツハイマー病特有のタウ蛋白沈着を明らかにする [2018-09-26]
New tau-PET imaging technique reveals tau protein depositions unique to Alzheimer's disease

新たな脳イメージングは、アルツハイマー病に特有のタウ蛋白沈着の特異的な広がりを示すことができる、と JAMA に掲載された。この国際研究は、新たなタウPETが優れた感度および特異度を有していることを示した:全てのアルツハイマー病症例の90〜95% を検出し、他の疾患を有する患者における偽陽性であったのはほんの数例であった。タウPETは、MRIに比べ診断精度が優れており、βアミロイドPETよりも偽陽性数が少なかった。これらのMRIおよびβアミロイドPETは今日ルーチンに施行されている方法である。タウPETの臨床使用が承認されれば、記憶障害を有する患者の診断に有用な検査法となるに違いない。

新しい研究によって認知症や加齢に伴うその他の疾患を予防するミトコンドリア遺伝子が明らかにされる [2018-09-26]
New research reveals a mitochondrial gene that protects against dementia and other diseases of aging

Scientific Reports オンライン版に掲載された新たな研究により、これまで知られていなかったアルツハイマー病や関連する認知症に対する遺伝的リスク因子が明らかになった。いずれかのSNP と自然発現ミトコンドリア由来ペプチドヒューマニンのレベルとが関連しているか否かを見極めるために、研究者らは全ての検体のミトコンドリアゲノム全体のシーケンシングを行い、循環ヒューマニンレベルの14% の減少と関連しているある遺伝子変異を同定した。また彼らは、50歳超の約20,000人を対象にした縦断的研究のデータを用いて、ヒューマニンが認知的加齢を加速させることにも関係していることを明らかにした。これは、ミトコンドリアにおけるヒューマニンのSNP がヒトにおける認知機能低下に繋がることを初めて証明したものである。