10代の子供のうつ症状を治療して改善することにより親の症状も改善する [2018-08-28]
Improving a teen's depression symptoms through treatment also improves symptoms in parents

10代の子供と親のうつ症状は関連があるようだ、との研究結果がAmerican Psychological Association 2018 で発表された。うつ病と診断されている10代の子供325人およびその親または介護者325人が、この長期スタディに参加した。10代の子供たちは、3つの群(認知行動療法群、抗うつ薬治療群、またはこれらの併用群)のいずれかにランダムに割り付けられた。その結果、10代の子供のうつ病重症度が低下すると、治療法に関係なく親の同様の症状も軽減し、正の波及効果が示された。

母親の殺虫剤への曝露が子供の自閉症と関連があることを示したバイオマーカーベースの初めてのエビデンス [2018-08-28]
First biomarker-based evidence that maternal exposure to insecticides is linked to autism among offspring

American Journal of Psychiatry オンライン版に掲載される新たなスタディの結果、妊婦の血中殺虫剤レベルが高いとその子供の自閉症リスクが高いことが示された。このスタディは、自閉症750人およびそれにマッチさせた対象の母親の血清内殺虫剤DDT(ジクロロジフェニルトリクロロエタン)の分解生成物DDE(p, p'-ジクロロジフェニルジクロロエチレン)濃度を調査した。子供の自閉症率は、DDE濃度の高い(75% パーセンタイル以上と定義)母親において有意に多かった。さらに、知的障害を伴う自閉症を有する割合は、母親のDDE濃度がこの閾値を超える者において2倍以上多かった。

眼疾患はアルツハイマー病スクリーニングの際に使用できる新たな知見を提供する [2018-08-21]
Eye conditions provide new lens to use when screening for Alzheimer's disease

3,877人の患者を対象としたスタディの結果、3つの変性眼疾患‐加齢黄斑変性症、糖尿病網膜症および緑内障‐とアルツハイマー病との有意な関連性が明らかになった、とAlzheimer's & Dementia に掲載された。参加者は65歳以上で、組み入れ時にはアルツハイマー病を有していなかった。5年間にわたる研究において、792症例が認知症専門委員会によりアルツハイマー病と診断された。加齢黄斑変性症、糖尿病網膜症、または緑内障の患者は、眼疾患を有さない同様の人々に比べ、アルツハイマー病を発症するリスクが40〜50%高かった。白内障はアルツハイマー病のリスクファクターではなかった。

神経変性疾患の発症前検出のバイオマーカーとなり得る因子 [2018-08-21]
Possible biomarker for pre-symptomatic detection of neurodegenerative diseases

アルツハイマー病やパーキンソン病のような神経変性疾患の発症前検出を支援する因子が発見された。このサイトカインはミトコンドリア阻害後に細胞ストレス反応により誘発される、とCell Reports に報告された。神経病理医は、ミトコンドリアレベルの障害もまた小胞体のような近隣の細胞小器官に影響することを示した。持続的に活性化されたストレス反応は、障害されたミトコンドリアを有する神経細胞からの線維芽細胞増殖因子-21(FGF21)の放出に繋がる。FGF21はまた、神経細胞死に先立ち検出される神経変性疾患の様々なモデルにおいて誘発される。

SPRINT MIND:厳格な降圧治療は軽度認知障害および認知症の新規発症を減少させる [2018-08-07]
SPRINT MIND: Intensive blood pressure treatment reduces new cases of mild cognitive impairment and dementia
厳格な降圧治療が、軽度認知障害(MCI)の新規発症およびMCIとあらゆる原因による認知症の複合リスクを減少させることを示した初めてのランダム化臨床試験が、Alzheimer's Association International Conference 2018 で報告された。このSPRINT Memory and Cognition IN Decreased Hypertension (SPRINT MIND)トライアルは、高齢者における高血圧管理に対する2つの治療戦略:厳格治療(収縮期血圧目標120 mmHg)対標準治療(収縮期血圧目標< 140 mmHg)を比較した。その結果、厳格治療群においては、MCI新規発症率が統計学的有意に19% 低かった。MCIとあらゆる原因による認知症の複合リスクは、厳格治療群において15% 低かった。
抗アミロイド薬の使用は認知機能低下を遅らせアミロイドプラークを減少させる [2018-08-07]
Use of an anti-amyloid drug results in slower cognitive decline and reduction in amyloid plaques

Alzheimer's Association International Conference 2018 で取り上げられた第2相試験の結果、抗アミロイドβプロトフィブリル抗体BAN2401による、18か月後の統計学的に有意な脳内アミロイドの減少が示された。最高用量のBAN2401(10 mg/kg隔週)を投与された患者において、標準的なPETを用いた脳内アミロイド沈着の解析の結果、アミロイド負荷が平均70単位減少した(p<0.0001)ことが示された。最高用量群では、81% の患者がアミロイド陽性から陰性へのコンバージョンを示した。また最高用量群では、18か月後の時点で臨床的な認知機能低下がプラセボ群に比べ30% 低下した(p=0.034)。