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現在の高血圧閾値未満であっても血圧がやや高い50代は認知症リスクが高い [2018-06-26] |
Risk of dementia is increased in 50-year-olds with blood pressure below the current threshold for hypertension |
European Heart Journal に掲載された新たな知見によると、血圧はやや高いが現在一般的に使用されている治療基準閾値未満である50代は、後に認知症を発症するリスクが高いことが示された。50歳の時点で収縮期血圧が130mmHg以上の者は、収縮期血圧がそれ以下の同年齢の者に比べ、認知症発症リスクが45% 高かった。この関連は60および70代の者には認められず、拡張期血圧は認知症と関係がなかった。このリスク上昇は、他の心血管疾患を有していなくても認められた。 |
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小児期発症統合失調症の原因となる遺伝子変異が同定された [2018-06-26] |
Researchers have identified gene mutations responsible for childhood onset schizophrenia |
小児期発症統合失調症に関連した新たな遺伝子が同定され、その研究結果がMolecular Psychiatry に掲載された。研究者らは小児期発症統合失調症患者19人、および統合失調症を有さない患者の親のデータを解析した。その結果、3人の患者がATP1A3遺伝子変異を有し、他の3人は正常なATP1A3機能に寄与する遺伝子ファミリーであるFXYD遺伝子の変異を有していることが示された。ATP1A3に影響する変異は、他のまれな小児神経疾患に関連していることが過去に報告されており、この遺伝子が神経疾患において重要な役割を果たしていることが確認されている。このスタディは、この遺伝子が精神疾患にも関連しているとのエビデンスを提供している。 |
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腎臓病小児の認知機能障害リスクは脳血流量の変化で説明される [2018-06-19] |
Risk of cognitive impairment in children with kidney disease explained by changes in cerebral blood flow |
慢性腎臓病を有する小児および思春期・若年成人の多くが、なぜ認知機能障害の高いリスクにさらされるのかが脳血流量の変化で説明できる可能性がある、とRadiology オンライン版に掲載された。研究者らは、非侵襲的に脳血流量を定量化できるMRI技術、動脈スピンラベリングを用いた。腎臓病患者はコントロールに比べ脳血流量が多かったが、一般的に加齢や認知症などにおける認知機能低下は脳血流量の低下と関連があるため、この結果は驚くべきことであった。実行機能が低下した患者は、特にデフォルトモードネットワークにおける脳血流量に有意な差があった。 |
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喫煙および糖尿病と海馬石灰化増加との関連が認められた [2018-06-19] |
Link found between smoking and diabetes and increased hippocampal calcifications |
喫煙者または糖尿病を有する者は記憶力に極めて重要な脳領域の石灰化リスクが高い可能性がある、とRadiology オンライン版に掲載された。多断面脳CTスキャンの開発により、海馬石灰化とその近傍の脈絡叢のような脳構造の石灰化を、より一層区別できるようになった。対象患者1,991人中19.1% が、海馬石灰化を有していた。高齢、糖尿病および喫煙は、CT画像における海馬石灰化の高リスクであった。この研究は、喫煙や糖尿病が海馬石灰化リスクを上昇させるかを最終的に判断するようにデザインされたものではないが、この結果は関連性を強く示唆している。 |
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