大学教育を受けた人々は認知症やアルツハイマー病を発症せずに生きる期間が長い [2018-04-24]
People with college education live longer without dementia and Alzheimer's disease

教育は人生後期において有利に働き、認知症を抑え記憶力を正常に保つ、と Journals of Gerontology, Series B: Psychological Sciences and Social Sciences 認知症特集増刊号に掲載された。大学を卒業した65歳以上の男女の健康寿命は、2000年から2012年にかけてそれぞれ平均1.51年および1.79年増加した。健康寿命の増加は教育レベルが最も低い人々においてはるかに小さく、男性で0.66年および女性で0.27年であった。

ケタミンは大うつ病および自殺念慮に対する即効性のある治療として有望であることが示された [2018-04-24]
Ketamine shows promise as fast-acting therapy for major depression and suicidal thoughts

点鼻スプレーのケタミンは大うつ病や自殺念慮の症状に対する即効治療として有望である、とAmerican Journal of Psychiatry オンライン版に掲載された。この第2相試験には68人が組み入れられ、週2回のesketamineまたはプラセボを4週間投与される群にランダムに割り付けられた。その結果、esketamine群においてはプラセボ群に比べ、4時間後および24時間後のうつ病スコアが有意に改善し、自殺念慮が減少した。初回投与後に"日常的な"または"明白な"自殺念慮を有していたのは、esketamine群ではわずか29% であったのに対し、プラセボ群では58% であった。

胎児期のSSRIへの暴露は感情処理に関連する胎児の脳領域の発達に影響する [2018-04-17]
Prenatal SSRI exposure effects fetal brain development in regions associated with emotional processing

MRI所見により、妊婦による選択的セロトニン再取込み阻害薬(SSRI)の使用は、胎児の脳発達、特に感情処理に関連する脳領域の変化を伴う可能性がある、とJAMA Pediatrics に掲載された。研究者らは、胎児期にSSRIに曝露された小児において、扁桃体や島皮質の体積が増加していること、および2つの領域の白質連結の強度が増強していることを明らかにした。過去の動物実験では、周産期のSSRI曝露により脳回路が変化し、青年期以降の不安やうつ様行動を引き起こし得ることが示唆された。このスタディでは、これらの神経発達の変化における長期の行動的および精神的転帰に関して、さらなる研究の必要性を強調している。

診断されていないうつ病であっても心血管疾患患者に悪影響を及ぼし得る [2018-04-17]
Even undiagnosed depression can have negative effect on people with cardiovascular disease

うつ病は、たとえ診断されていなくとも、健康管理の経験が乏しく、医療資源や医療費をより使ったりするなど、心血管疾患患者に対し悪影響を及ぼし得る、とAmerican Heart Association's Quality of Care and Outcomes Research Scientific Sessions 2018で発表された。うつ病の診断はされていないがうつ病リスクの高い心血管疾患患者は、うつ病リスクの低い患者に比べ、入院したり救急外来を受診する確率が2倍以上高かった。うつ病と診断されている心筋梗塞患者は、うつ病と診断されていない心筋梗塞患者に比べ、入院する確率が54% 高く、救急外来を訪れる確率が43% 高かった。

うつ病の評価と治療は記憶障害および認知機能障害を食い止める可能性がある [2018-04-10]
Evaluation and treatment of depression may reverse memory and cognitive difficulties

うつ病や気分障害の状態が不良な者は軽度認知障害(MCI)の発症や、MCIから認知症に進行する確率が高い、とJournal of Alzheimer's Disease に掲載された。認知機能の正常な者はうつ病、不安症およびその他の気分障害が重篤なほどMCIを発症する確率が高かった。同様に、MCIに進行した者は、これらの神経精神症状をより有するとアルツハイマー病に進行する確率がさらに高かった。うつ病や気分障害の改善は認知機能がより改善することに繋がった。

記憶力トレーニングを有効にするためには個々に特異的な障害を標的とすべきである [2018-04-10]
Memory training must target an individual's specific difficulties to be effective

Psychology and Aging に掲載されたスタディの結果、回想トレーニングプログラムは、顔、声または最近の出来事を記憶するのに問題があるなど、個々に特異的な記憶障害に対し個別化した場合にのみ記憶力をより改善し得ることが示唆された。研究者らは、参加者が回想トレーニングにより回想能力が大幅に改善し、3か月後の再検査でもこれらのベネフィットは持続して得られたことを示した。しかし高齢者は、回想トレーニングでベネフィットが得られるような課題、例えば言葉がスクリーン上に示されたのかヘッドフォンから聞こえたのかを思い出させるような記憶力テスト、には改善を示さなかった。

MRI技術は自閉症の未就学児の脳ネットワーク異常を明らかにする [2018-04-03]
MRI technique reveals abnormalities in the brain networks of preschoolers with autism

自閉症スペクトラム障害(ASD)を有する未就学児は、拡散テンソル画像(DTI)と呼ばれるMRI技術を用いて見ることができる脳のあるネットワーク間の結合異常を有する、とRadiology に掲載された。研究者らは、ASDを有する男女の未就学児21人(年齢中央値4.5歳)と同年代の定型発達児21人のDTI結果を比較した。定型発達児に比べ、ASDを有する小児においては、大脳基底核および傍辺縁系‐辺縁系ネットワークの構成要素に有意な違いが示された。この結果はいつの日かASDの治療指針に役立つ可能性がある、と研究者らは述べている。

がん患者、特に泌尿器系がん患者では自殺企図および自殺完遂が大幅に増加する [2018-04-03]
Substantial increase in suicide attempts and successful suicides in cancer patients, especially those with urological cancers

前立腺がん、膀胱がんまたは腎臓がんなどの泌尿器系がんの患者は、がんを有さない人々に比べ自殺する確率が5倍高い、と2018 European Association of Urology conference で発表された。この解析の結果、がん患者は一般人口に比べ、自殺する確率が約3倍高いことが示されている。自殺企図のうち完遂に至る割合はがん患者において高く、泌尿器系がん患者においてはさらに高かった。