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クルクミンを1日2回補充することで認知機能が18か月間にわたり上昇する [2018-01-30] |
Twice daily supplements of curcumin boosts cognitive ability over 18 months |
インドカレーを黄金色に着色する成分、クルクミンを毎日摂取することにより、加齢による軽度の記憶力低下を有する人々の記憶力や気分が改善した、とAmerican Journal of Geriatric Psychiatry に掲載された。クルクミン摂取群では記憶力や注意力が有意に改善した(18か月で28% 改善)が、プラセボ摂取群では改善は認められなかった。クルクミン摂取群では気分も改善し、脳PETスキャンではプラセボ摂取群に比べ、扁桃体と視床下部におけるアミロイドおよびタウのシグナルが有意に少ないことが示された。 |
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神経精神症状発現はアルツハイマー病発症前の徴候である可能性がある [2018-01-30] |
Emerging neuropsychiatric symptoms may signal preclinical Alzheimer's disease |
アミロイドβ高値は不安症状の悪化と関連がありアルツハイマー病の早期指標である可能性がある、とAmerican Journal of Psychiatry に掲載された。研究者らは、早期アルツハイマー病における神経生物学的および臨床的変化を明らかにすることを目的とした、高齢者ボランティア対象の観察研究Harvard Aging Brain Study からデータを抽出した。その結果、認知機能の正常な高齢者において、脳のアミロイドβ負荷が大きいと不安症状が経時的に増加することを明らかにした。このことから、不安、うつ症状の悪化はアミロイドβレベル上昇、つまりADの予測因子であり、神経精神症状発現はアルツハイマー病発症前の早期症状を示している、との仮説を支持することが示唆される。 |
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ホルモン療法は閉経移行期のうつ症状発症を効果的に予防する [2018-01-23] |
Hormone therapy effectively prevents onset of depressive symptoms in the menopause transition |
閉経移行期および閉経後早期のうつ病を有さない女性におけるうつ病発症予防において、1年間のホルモン療法はプラセボよりも効果的である、とJAMA Psychiatry に掲載された。エストロゲンパッチとプロゲステロン内服女性は、プラセボ投与女性に比べ、うつ症状発症が少なかった(17.3% vs. 32.4%, p=0.03)。早期閉経移行期の女性、および最近ストレスの多いイベントを経験した女性において、気分面での有益性が最大であった。これらの結果が確証できれば、閉経移行期および閉経後早期の女性におけるうつ症状リスク上昇を軽減するために、ホルモン療法が考慮される可能性がある。 |
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アミロイドβレベル上昇と不安症状悪化との関連が認められた [2018-01-23] |
Association found between elevated amyloid beta levels and the worsening of anxiety symptoms |
American Journal of Psychiatry に掲載された新たなスタディの結果、アミロイドβレベル上昇と不安症状悪化との関連が認められた。スタディ対象は、62〜90歳の認知機能の正常な地域在住の男女で、現在精神疾患を有さない者であった。研究者らは、脳のアミロイドβ負荷が高いことが、5年間の不安症状悪化と関連があることを明らかにした。この結果から、不安・抑うつ症状の悪化はアミロイドβレベル上昇の早期予測因子であり、前臨床期アルツハイマー病の早期症状を表している可能性があることが示唆される。 |
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早期認知障害の治療標的となる可能性のある新たな遺伝子が同定された [2018-01-16] |
Novel genes identified that may be potential targets for treating early cognitive impairment |
脳の機能および構造変化や脳脊髄液内のAD(アルツハイマー病)蛋白質レベル上昇につながり、ADの原因となるいくつかの新たな遺伝子が同定された。スタディにおいて重要な遺伝子の2つであるSRRM4 および MTUS1は、神経シグナル伝達、発症および消失に関連する。他の遺伝子GRIN2Bは、ニューロンおよび記憶の回復力において役割を果たす受容体のサブユニットをエンコードする。有効な薬剤は、認知障害発症前または発症して間もない時期に投与されるものであることがますます認識されてきているため、これらの遺伝子は薬剤開発において魅力的な標的と成り得る。この研究結果はJournal of Alzheimer's and Dementia に掲載される。 |
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薬剤はアルツハイマー病患者の認知機能低下を軽減しない [2018-01-16] |
Medication does not decrease cognitive loss in patients with Alzheimer's disease |
6か月にわたるコリンエステラーゼ阻害薬へのidalopirdine の併用は、軽度から中等度のアルツハイマー病患者における認知機能の改善および低下の軽減を示さなかった、とJAMA に掲載された。研究者らは3つのランダム化試験を施行し、軽度から中等度のアルツハイマー病を有する50歳以上の患者2,525人を、コリンエステラーゼ阻害薬にidalopirdine またはプラセボを併用する群にランダム化した。Idalopirdine の併用はプラセボに比べ、24週間を通して認知機能低下を軽減しなかった。これらの結果から、アルツハイマー病の治療としてidalopirdine の使用は支持されない。 |
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ADHD治療薬を用いることで性感染症のリスクが軽減する [2018-01-09] |
Using ADHD medications reduces the risk of sexually transmitted infection |
10代および若年成人において、注意欠如・多動性障害(ADHD)はその後の性感染症(STI)リスクを約3倍上昇させる、とJournal of the American Academy of Child and Adolescent Psychiatry に報告された。ADHDを有する10代および若年成人は、年齢および性別をマッチさせた同胞に比べ、全てのSTI発症率が高く(1.2% vs. 0.4%)、より若年でSTIを発症した(20.51 ± 4.48 vs. 21.90 ± 4.49歳)。しかし、短期および長期のADHD治療薬はその後のSTIリスクを、男性においてそれぞれ30% および40% 低下させた。 |
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妊娠前および妊娠中のビタミン補充は自閉症スペクトラム障害のリスクを軽減するようである [2018-01-09] |
Vitamin supplements before and during pregnancy appear to reduce risk of autism spectrum disorder |
妊娠前および妊娠中の葉酸およびマルチビタミンの補充は、その子供の自閉症スペクトラム障害(ASD)の確率を低下させた、とJAMA Psychiatry に掲載された。小児45,000人あまりを対象としたこのケースコントロール・コホートスタディの結果、妊娠前および妊娠中の母親への葉酸および/またはマルチビタミンの補充は、補充がない場合に比べ、子供のASDの確率が低いことと関連があった(両方ともp<0.001)。しかし、他の原因によるリスク軽減の可能性は否定できていない。 |
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