生存期間および毒性は高齢肺がん患者と若年肺がん患者とで同等である
稀な変異が中間期乳がんによるリスクを上昇させる
PD-L1陽性頭頸部がんに対し免疫療法は有効である(ESMO 2018 Congress, Abstract LBA8)
一部の転移性大腸がんに対する新たな希望(ESMO 2018 Congress, Abstract LBA18)

11月20日、27日のDOL NewsはAHA特集のため、Oncologyニュースは
お休みさせていただきました。

一部の高齢肺がん患者にとって同時化学放射線療法は治療の選択肢となるべきである [2018-11-13]
Concurrent chemo-radiotherapy should be a treatment option for elderly patients with some lung cancers

限局型小細胞肺がんの高齢患者(年齢中央値73歳)は、同時化学放射線療法で治療された場合、若年の対照群(年齢中央値60歳)と生存期間および毒性は同等であった、とJournal of Thoracic Oncology に掲載された。生存期間中央値は、高齢者と若年者とで、それぞれ29か月(95% 信頼区間(CI)21-39)対30か月(95% CI 26-35)であった。無増悪期間中央値は18か月(95% CI 13-31)対16か月(95% CI 14-19)であった。グレード3〜4の好中球減少症は高齢者において多かった(84% vs. 70%;p=0.02)が、好中球減少性敗血症率および死亡率は両群で同等であった(それぞれ4% vs. 7% ;p=0.07、3% vs. 1.4%;p=0.67)。

稀な乳がんの遺伝子変異を有する女性は中間期乳がんを発症する確率が高い [2018-11-13]
Women carrying rare breast cancer variants more likely to develop interval breast cancer

一般的な乳がんの遺伝子変異の存在は乳がんリスクが高いことを示唆するが、ある稀な変異の存在は中間期乳がんおよび死亡リスク上昇を示唆した、とCancer Research に掲載された。中間期がんはルーチンのマンモグラフィでは検出されないため、研究者らはBRCA1/2を含む31のがん素因遺伝子における、まれなタンパク質短縮型変異(PTV)により引き起こされるがんの検出方法を解析した。PTVを保有する患者は若年で、侵襲性が高い腫瘍のフェノタイプを有し、乳がんによる死亡リスクが1.65倍高かった。BRCA1/2変異を有する女性を除外した結果、PTVを有する女性は死亡リスクが1.76倍高かった。

Keynote-048:免疫療法は転移性または再発頭頸部がんの生存期間を延長させる [2018-11-06]
Keynote-048: Immunotherapy improves survival in metastatic or recurrent head and neck cancer

ペンブロリズマブを用いた免疫療法は再発または転移性頭頸部がん患者の生存期間を延長する、とのKEYNOTE-048試験のレイトブレイキングの結果がESMO 2018 Congress で報告された。PD-L1を発現する腫瘍および/または周辺細胞を有する患者において、2つの比較が行われた。PD-1発現陽性(combined positive score [CPS]>20)患者において、全生存期間はペンブロリズマブ群において標準治療群よりも有意に長かった(14.9 vs. 10.7か月、p=0.0007)。この結果は、PD-L1が低発現(CPS>1)の患者においても同様であった:全生存期間は標準治療群よりも長かった(12.3 vs. 10.3か月、p=0.0086)。無増悪生存期間は2群間で差がなかった。

CheckMate-142:一部の転移性大腸がんにおいて免疫療法が新たなファーストライン治療となる可能性がある [2018-11-06]
CheckMate-142: Immunotherapy may become new first line treatment for some metastatic colorectal cancers

ニボルマブおよび低用量イピリムマブを用いた免疫療法は、高頻度マイクロサテライト不安定性(MSI-H)の転移性大腸がん患者の新たなファーストライン治療となり得る、とのCheckMate-142試験のレイトブレイキングの結果がESMO 2018 Congress で発表された。この併用療法の奏効率は60% であり、7% の患者に完全奏効を認めた。約84% の患者において腫瘍縮小を認めた。奏効期間中央値は2.6か月であった。奏効期間、無増悪生存期間、および全生存期間の中央値は未到達であった。12か月の無増悪生存率および全生存率はそれぞれ、77% および83% であった。