KEYNOTE-189:ペンブロリズマブによる術前補助療法は、転移性非扁平上皮非小細胞肺がん患者の生存期間を改善する [2018-04-24]
KEYNOTE-189: Neoadjuvant pembrolizumab improves survival in patients with metastatic nonsquamous non-small cell lung cancer

転移性非扁平上皮非小細胞肺がん(NSCLC)と新たに診断された患者は、化学療法にペンブロリズマブを上乗せすることで、化学療法単独の患者に比べ、全生存期間(OS)および無増悪生存期間(PFS)が有意に長かった、とAACR Annual Meeting 2018で発表され、同時にNew England Journal of Medicine に掲載された。この第3相KEYNOTE-189 臨床試験において、10.5か月後の時点でOS中央値は試験群では到達せず、コントロール群では11.3か月であった。ペンブロリズマブを内服した者は死亡確率が51% 低く、PD-L1発現率の高い患者は死亡確率が58% 低かった。PFS中央値はペンブロリズマブ群で8.8か月であり、コントロール群では4.9か月であった。

CheckMate-227:ニボルマブ-イピリムマブはtumor mutational burden(腫瘍の遺伝子変異量、TMB)の高い進行NSCLCにおける無増悪生存期間を有意に改善する [2018-04-24]
CheckMate-227: Nivolumab-ipilimumab significantly improves progression-free survival in advanced NSCLC with high tumor mutational burden

腫瘍の遺伝子変異量の高い(TMB, >10 mutations/Mb )進行非小細胞肺がん(NSCLC)と新規に診断された患者のうち、ニボルマブとイピリムマブの併用療法を受けた患者は、標準的な化学療法を受けた患者に比べ、無増悪生存期間が有意に改善した、とAACR Annual Meeting 2018で発表され、同時にNew England Journal of Medicine に掲載された。第3相CheckMate-227臨床試験の結果、高TMB NSCLC患者において、ニボルマブとイピリムマブの併用が化学療法に比べ有益性を改善させ、PD-1免疫チェックポイント阻害薬単独療法よりも有益性を増大させることにより持続的な有効性が得られ、ファーストラインにおける化学療法の使用を控え、セカンドライン治療における有効な選択肢を温存することができることが示された。

意図しない体重減少は一部のがんにおいては二番目に高いリスクファクターである [2018-04-17]
Unintended weight loss is second highest risk factor for some forms of cancer

意図しない体重減少は大腸がん、肺がん、すい臓がんおよび腎臓がんの二番目に高いリスクファクターであることを結論付けたスタディがBritish Journal of General Practice に掲載された。25のスタディの計1,150万人のデータを組み入れたこの研究では、体重減少が10のタイプのがんと関連していることを明らかにした。60歳超の人々における意図しない体重減少は、NICEガイドラインにおける緊急精査の3% リスク閾値を超えていた。60歳超の女性において、関連する部位全てにわたる平均リスクは最大6.7% と推定され、男性においては14.2% と推定された。

造影サブハーモニックイメージングはMRIで同定できなかった前立腺がんを検出する [2018-04-17]
Contrast-enhanced subharmonic imaging detects prostate cancers not identified by MRI

造影サブハーモニックイメージング(SHI)の検査の結果、MRIで同定されなかった前立腺がんの検出において有望であることが示された、と American Roentgen Ray Society (ARRS) 2018 Annual Meeting で発表された。SHIはマイクロバブル超音波造影画像に対する新たな技術であり、背景組織をより抑制できる。この造影SHI のin vivoにおける初めての適用により、調査した全ての患者においてコントラストが増強し、狙撃生検の18% においてがん部位に対応した局所的な造影の増強が認められ、それにはMRIで検出されなかった5人の患者が含まれた。

microRNA活性の高いBRCA2 遺伝子変異をもつ卵巣がんの女性において化学療法への耐性が認められた [2018-04-10]
Resistance to chemotherapy found in women with mutated BRCA2 ovarian cancer and high microRNA activity

プラチナ製剤による化学療法およびPARP阻害薬による治療に耐性を示す、ある卵巣腫瘍におけるわずかな遺伝情報が同定された。この短いトランスクリプト由来の遺伝子であるmicroRNAつまりmiRNAは、化学療法により引き起こされたダメージを修復するがん細胞の能力を復活させるBRCA2 変異を有する卵巣腫瘍細胞のいくつかの分子的経路を変化させる。Cell Reports に掲載されたスタディによると、この耐性のメカニズムは、BRCA2 遺伝子変異卵巣がんのみに発現するmiR-493-5pと呼ばれる特定のmicroRNAにより引き起こされ、BRCA1 遺伝子変異を含むがんにおいては起こらない。

女性において赤肉抜きの食事は遠位大腸がんリスクを有意に低下させる [2018-04-10]
Diet free from red meat significantly reduces the risk of distal colon cancer in women

International Journal for Cancer に掲載された新たなスタディの結果、女性において赤肉抜きの食事はある型の結腸がんリスクを有意に低下させることが示唆された。研究者らは、赤肉、鶏肉、魚または菜食が結腸がんおよび直腸がんと関連があるかどうかを評価した。これらの食事の影響と結腸の特定の部位に発症するがんとを比べたところ、日常的に赤肉を摂取している者は赤肉抜きの食事をしている者に比べ、遠位結腸がん‐糞便が貯蔵される下行結腸に認められるがん‐の発症率が高かった。

PRECISION:前立腺MRI検査は標準的な生検に比べより多くのがんを検出し過剰診断を減少させる [2018-04-03]
PRECISION: Prostate MRI reveals more cancers and reduces over-diagnosis compared to standard biopsy

MRI検査は侵襲的な前立腺生検数を有意に減少させる、と2018 European Association of Urology Congress で発表され、同時にNew England Journal of Medicine に掲載された。PRECISIONトライアルは500人の男性を、標準的な10-12コア TRUS生検群またはMRI検査を先に行い異常が認められたら標的生検を施行する群(MRI群)にランダムに割り付けた。その結果、MRI群男性の28% がその後の生検を免れることができた。生検の必要な者のうち、臨床的に有意ながんはMRI群の38% に認められたのに対し、TRUS生検群では26% であった。

人工知能システムは病理組織切片におけるがんを正確に診断し病期分類する [2018-04-03]
Artificial intelligence system accurately diagnoses and grades prostate cancer in pathology sections

中国の研究者らは、どの病理学者と比べても同等に正確に前立腺がん組織を診断し同定できる学習型人工知能を開発した。さらに、このソフトウエアは、がんの悪性度を正確に分類し、したがって人の行う診断に紛れ込み得るばらつきを排除することができる。2018 European Association of Urology Congress で報告された研究において、99.38% の症例において診断が正確であり、実際、病理学者と同等に正確であることが示された。人工知能はまた、病理切片上の異なるGleason 分類も同定することができた。人の患者におけるこのシステムのテストは開始されていない。