がん治療は心不全リスクを上昇させる(American College of Cardiology's 67th Annual Scientific Session, Abstract 18-A-16407-ACC)
まれな白血病を効果的に治療する
白血病治療薬を再利用することで悪性黒色腫の遠隔転移を抑制する可能性がある

3月20日、27日のDOL NewsはACC特集のため、Oncologyニュースは
お休みさせていただきました。

乳がんおよびリンパ腫の治療は生命を救うが心不全のリスクを上昇させる可能性がある [2018-03-13]
Breast cancer and lymphoma treatments save lives but may increase likelihood of heart failure

乳がんまたはリンパ腫の既往を有する患者は、がんを有さない同様の患者群に比べ、心不全発症リスクが3倍以上高かったとのデータが、American College of Cardiology's 67th Annual Scientific Session で発表された。この心不全リスク上昇は、がんの診断後1年ほどの早期に既に発現しており、がん治療終了後20年間持続する。がんを有する者のうち、糖尿病を有する者、または高用量のドキソルビシンを投与されている者は特に、将来の心臓の健康においてリスクが高いことが明らかにされた。

毒性の少ないリンパ性白血病治療法は混合表現型急性白血病において寛解を達成する確率が高い [2018-03-06]
Less-toxic lymphoid regimens are more likely to achieve remission in mixed phenotype acute leukemia

混合表現型急性白血病(MPAL)の治療を毒性の低い治療法で開始することにより、寛解達成における明らかなベネフィットがあり長期生存の可能性もある、と Leukemia に掲載された。MPALは小児および成人のいずれにも発症し、より一般的な2つの型の白血病(急性リンパ性白血病[ALL])および急性骨髄性白血病[AML])を有することを特徴とする。ALL治療−有意に毒性の少ない治療法−を初回に施行された患者は、AML治療を施行された患者に比べ完全寛解を達成する確率が3〜5倍高かった。ALLの化学療法で治療を開始した患者はまた生存率が2倍であったが、このベネフィットは患者の結果をグループで報告したスタディのみにおいて認められた。

白血病治療に使用される薬剤は悪性黒色腫の転移抑制において有望である [2018-03-06]
Drugs used to treat leukemia shows promise for preventing melanoma metastasis

Science Signaling に掲載されたデータから、白血病治療に用いられる薬剤の再利用は悪性黒色腫の転移抑制において有望であることが示された。この研究は、ABLキナーゼが、転移に関係する多数の蛋白をアップレギュレートする要の転写因子の活性を増大させることにより、カテプシンの発現や分泌を引き起こすことを示した。転写因子は遺伝子の調節部分に結合し発現を誘導する。このスタディは、ABLキナーゼが大量の転写因子を増加させるのみならず、これらの転写因子がプロモーターに結合し遺伝子発現を誘導する能力をも調節することを示した初めてのものである。