拡散尖度画像と高度なデータ解析の組み合わせにより乳房病変の偽陽性所見が減少した [2018-02-27]
Diffusion kurtosis imaging plus sophisticated data analysis reduced false-positive findings on breast lesions

造影剤を使用しないMRI乳房画像技術である拡散尖度画像と高度なデータ解析の組み合わせにより、不必要な乳房生検数を減らせることができた、とRadiology に掲載された。データ解析にあたり、病変特徴化のためにソフトウエアアルゴリズムが開発され、画像の特徴がkurtosis-based radiomicsを用いて抽出された。Radiomicsは、画像から大量の定量化データを抽出することを可能とする、急速に成長している領域である。127人の女性集団を対象とした独自試験において、radiomics解析は偽陽性所見を70% 減少させ、悪性病変については61病変中60病変、すなわち98% を検出した。

指導下の運動はリンパ節郭清後の関節可動域の改善を速める [2018-02-27]
Guided exercise speeds improvement of arm range of motion after lymph node dissection

リンパ節郭清後の理学療法士による指導下の運動は、患者が関節可動域をより速く取り戻すのに役立つ。術前には、教育+運動群においては教育のみの群に比べ可動域が完全である者は少なかった(左腕:58% vs. 75%:右腕57% vs. 76%)。可動域は、両群とも概して時間とともに改善したが、運動群の方が改善の速度が速かった。特に術後1年では、完全な可動域である者は運動群(左腕91%、右腕90%)の方が教育のみの群(84% および83%)に比べ多かった。これらの結果はASCO's 2018 Cancer Survivorship Symposium で発表された。

PET/CTを用いた単巣性および多巣性前立腺がんと良性組織の鑑別 [2018-02-20]
Using PET/CT to differentiate prostate cancer from benign tissue in both unifocal and multifocal disease

核医学を用いてがん組織と正常組織を正確に鑑別する方法が明らかにされた。この新たな研究は、ガリウム-68前立腺特異的膜抗原(68Ga-PSMA)PET/CTスキャンにおける最大標準取込値(SUVmax)が、原発性前立腺がんのPSMA発現と相関することを示した。この方法により研究者らは、がん組織と良性前立腺組織とを鑑別するSUVmaxカットオフ値を生み出すことができた。最良のカットオフ値は3.15(感度97%、特異度90%)に定められた。この研究はJournal of Nuclear Medicine に特集されている。

STAMPEDE:前立腺がんに対しホルモン療法に化学療法を併用することでQOLが改善する [2018-02-20]
STAMPEDE: Chemotherapy added to hormone therapy for prostate cancer improves quality of life

2018 Genitourinary Cancers Symposium で発表された現在進行中のSTAMPEDE臨床試験の新たな解析の結果、進行前立腺がんに対しホルモン療法にドセタキセルを併用することで、QOLが改善し追加治療の必要性が低くなることが明らかにされた。ドセタキセルを投与された転移を有する前立腺がん患者の予測生存期間は、ホルモン療法のみの患者に比べ0.89 年長く、QOLは0.51年長く良好に保たれた。転移のない患者において予測生存期間は0.78年長く、QOLはドセタキセルを併用することでさらに0.39年良好に保たれた。標準治療へのドセタキセルの併用は、転移の有無に関係なく、費用対効果に優れていた。

SPARTAN:Apalutamideは転移のない去勢抵抗性前立腺がん患者の転移を2年以上遅らせる [2018-02-13]
SPARTAN: Apalutamide delays metastases by more than two years in men with non-metastatic castration-resistant prostate cancer

第III相プラセボコントロールSPARTANトライアルの結果がASCO's 2018 Genitourinary Cancers Symposium で発表され、apalutamideが転移を有さず承認された治療法のない去勢抵抗性前立腺がんで、転移リスクが高い患者に有効な治療であることが示唆された。Apalutamideはプラセボと比較して、転移および死亡リスクを72% 低下させ、無転移生存期間中央値を2年延長させた(Apalutamide 群40.5か月vs. プラセボ群16.2か月)。Apalutamideの忍容性は良好であり、有害事象により治療中断した男性は10.7% で、プラセボ群では6.3% であった。

標準治療に免疫療法を併用することで、より少ない副作用で腎細胞がんの進行を遅延させる [2018-02-13]
Adding immunotherapy to standard treatment slows growth of renal cell carcinoma with fewer side effects

未治療の転移性腎細胞がん(mRCC)患者を対象とした第III相臨床試験において、atezolizumabによる免疫療法をベバシズマブによる分子標的療法に併用することで、他の分子標的療法であるスニチニブと比較し、がんの進行を約3か月延長させた、とASCO's 2018 Genitourinary Cancers Symposium で発表された。追跡期間中央値15か月の時点で、atezolizumab とベバシズマブ併用療法のPD-L1陽性患者は、スニチニブ投与群に比べ、がん増悪の割合が26% 低かった;がん増悪までの期間中央値もまた、3.5か月長かった(atezolizumabとベバシズマブ併用群11.2か月vs. スニチニブ群7.7か月)。

前立腺がん再発リスクはBMI高値でメタボリックシンドロームを有する男性において高い [2018-02-06]
Risk of prostate cancer recurrence higher in men with elevated BMI and metabolic syndrome

前立腺全摘術を施行された男性のうち、肥満者は生化学的再発のリスクが高いとのデータが、American Association for Cancer Research Special Conference Obesity and Cancer: Mechanisms Underlying Etiology and Outcomes で発表された。研究者らは、肥満患者の割合が高リスク患者(高リスク患者の41.2%)において、低/中等度リスク患者(低/中等度リスク患者の32%)よりも高いことを明らかにした。生化学的再発はBMI ≥ 30 の患者(32.4%)において、BMI<30 の患者(16.9%)に比べ多かった。メタボリックシンドローム患者は非メタボリックシンドローム患者に比べ、生化学的再発のリスクが4倍以上高かった。

BMI正常値の女性において体脂肪レベルが高いことは乳がんリスク上昇と関連がある [2018-02-06]
High body fat levels associated with increased breast cancer risk in women with normal BMI

ボディマスインデックス(BMI)が正常値の閉経後女性において、二重エネルギーX線吸収法(DXA)で計測した体脂肪レベルが高い者は浸潤性乳がんのリスクが高い、とのデータがAmerican Association for Cancer Research Special Conference Obesity and Cancer: Mechanisms Underlying Etiology and Outcomes で発表された。全身の脂肪体積が最も低い四分位の女性に比べ、最も高い四分位の女性はER陽性乳がんのリスクがほぼ2倍であった。ER陽性乳がんのリスクは、BMIが正常値であるにもかかわらず、全身の体脂肪が5増加するごとに35% 上昇した。