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術前分子標的治療は高リスクのstage 3悪性黒色腫の再発を遅延させる [2018-01-30] |
Presurgical targeted therapy delays relapse of high-risk stage 3 melanoma |
悪性黒色腫に対する術前および術後から成る分子標的治療は、stage 3悪性黒色腫に対する標準治療である手術に比べ、無増悪期間を少なくとも6倍増加させた、とLancet Oncology に報告された。併用療法後の手術の時点で、疾患の徴候のない患者に遠隔転移は認めなかった。手術のみと、BRAF阻害剤ダブラフェニブおよびMEK阻害剤トラメチニブによる術前術後治療とを比較したこのスタディがポジティブな結果であったため、データ安全性モニタリング委員会は、このランダム化前向き第II相試験を中止し併用療法のみの単群に切り替えるよう指示した。 |
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現在の化学療法へのヒドロキシウレアの併用は神経膠芽腫の治療に有望である [2018-01-30] |
Addition of hydroxyurea to current chemotherapy shows promise for treatment of glioblastoma |
動物モデルの神経膠芽腫の治療において、現在の化学療法のプロトコールにヒドロキシウレアを併用することで生存率が上昇した、とNeuro-Oncology に報告された。研究チームは、新たに診断されたまたは再発した、テモゾロミド(TMZ)治療に感受性のあるまたは耐性の腫瘍の両者から得られた、幹細胞様細胞を含む18の神経膠芽腫細胞株に対し、収集した21の抗がん剤をスクリーニングした。いくつかの薬剤は一部のTMZ耐性株に対する有効性を改善したが、TMZ治療に耐性であったものを含むすべての細胞株の感受性を実際的に上昇させたのは、ヒドロキシウレアのみであった。 |
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血中循環腫瘍細胞を検出するリキッドバイオプシーは早期大腸がん検出に有望である [2018-01-23] |
Liquid biopsy that identifies circulating tumor cells shows promise for detecting early-stage colorectal cancer |
血中循環腫瘍細胞(CTC)検査は大腸がんを早期に検出することができる、と2018 ASCO Gastrointestinal Cancers Symposium で発表された。CTC の感度は、前がん病変の77% から stage I〜IVがんの87% であった。特異度は97.3% であった。研究者らはまた、感度と特異度の両者を考慮した場合の精度も算出し、前がん検体とがん検体とでこの検査の精度は84〜88% であることを明らかにした。この検査の精度は便潜血検査よりも優れていた。 |
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がん患者の睡眠効率は朝の高照度光への規則正しい曝露により改善する [2018-01-23] |
Sleep efficiency for cancer patients improves after systematic morning bright light exposure |
高照度光への規則正しい曝露は、がん治療に疲れた人々の睡眠を改善し得る、とJournal of Clinical Sleep Medicine に掲載された。このパイロットスタディは、実際に寝ている時間とベッドにいる時間の割合である睡眠効率の平均が、高照度光療法群において臨床的に正常なレベルまで改善したことを示した。統計学的に有意なこの改善は、介入3週後まで持続した。対照的に、薄暗い照明群における睡眠効率は低いままであった。自己報告による睡眠の質、総睡眠時間および起床時間においてもまた、中程度から大きな効果が認められた。 |
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乳がん患者においてリンパ節転移がないという特徴は、がん拡散の可能性を予測し得る [2018-01-16] |
Features of cancer-free lymph nodes in breast cancer patients may predict likelihood of the disease spreading |
治療不能な遠隔転移を有する可能性が最も高い、またはリスクの低いリンパ節転移陽性乳がん患者を同定する方法を確実に発見した、とJournal of Pathology: Clinical Research に掲載された。洗練された数理モデルを適用することにより、研究者らはリンパ節の形態学的変化を解析し、がんの拡散リスクを予測するスコアを開発した。その結果、高リスク群内の約4分の1の女性は、10年以内に遠隔転移を認める確率が低かった。リンパ節転移陰性の構造上の特徴の違いが、二次がんを発症する可能性が高い患者と低い患者を鑑別するのに役立った。 |
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夜間交替制勤務は女性の乳がん、皮膚がんおよび消化器がんのリスクを上昇させる [2018-01-16] |
Night shift work increases risk for breast, skin and gastrointestinal cancers in women |
夜間交替制勤務は女性の乳がん、皮膚がんおよび消化器がんのリスクを上昇させた、とのメタ解析の結果がCancer Epidemiology, Biomarkers & Prevention に掲載された。全体的に見て、女性の長期夜間交替制勤務は、がんのリスクを19% 上昇させた。特定のがんで解析すると、長期夜間交替制勤務をしていない女性に比べ、皮膚がん(41%)、乳がん(32%)、および消化器がん(18%)のリスクが高かった。また、乳がんリスクは、夜間交替制勤務を5年続けるごとに、3.3% 上昇することも明らかにされた。 |
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5%フルオロウラシルクリームは扁平上皮がんに対する手術のリスクを低下させる [2018-01-09] |
Fluorouracil 5% cream reduces risk of surgery for squamous cell carcinoma |
ジェネリックの5%フルオウラシル(5-FU)スキンクリームを2〜4週間使用することで、手術の必要な扁平上皮がん(SCC)のリスクが1年以内に75%低下する可能性がある、と JAMA Dermatology に掲載された。1年後に手術を必要とするSCCを発症したのは、プラセボ使用群では464人中29人であったが、5-FUクリーム使用群では468人中わずか5人であり、統計学的に有意な75%のリスク低下が認められた。その後3年間、これら2群間に有意差はなく、治療は毎年繰り返す必要があることが示唆された。 |
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HER2陽性乳がんの女性に対しトラスツズマブは心機能に悪影響を及ぼさない [2018-01-09] |
Trastuzumab does not negatively impact cardiac function for women with HER2-positive breast cancer |
NRG Oncology trial NSABP B-31の長期追跡結果から、術後補助化学療法へのトラスツズマブの併用は、再発なく生存しているリンパ節転移陽性、ヒト上皮成長因子受容体2(HER2)陽性、早期乳がん女性の心機能に悪影響を及ぼさないことが示された。これまでの研究では、早期の心毒性がトラスツズマブを併用した際の術後補助化学療法と関連したリスクであることが示唆された。しかし、アントラサイクリンおよびタキサン系をベースとした化学療法にトラスツズマブを併用しても、追跡期間中央値約9年の時点で、長期の心機能低下や健康関連QOLの低下は認められなかった。これらの結果は Journal of Clinical Oncology オンライン版に掲載された。 |
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