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男性における治療抵抗性高血圧は標準的な血液検査では検出されないであろう長期間の鉛への曝露と関連がある [2018-10-30] |
Resistant hypertension in men related to long-term lead exposure that may not be detected using standard blood tests |
男性において脛骨に低レベルの鉛が蓄積することは治療抵抗性高血圧と関連がある、とJournal of the American Heart Association に掲載された。研究者らは、高血圧を有する主に白人男性475人(治療抵抗性高血圧発症者97人を含む)の鉛レベルを計測した。患者背景、生活習慣および社会経済的因子で補正した結果、脛骨の鉛レベルが15μg/g上昇する毎に治療抵抗性高血圧リスクは19% 上昇することが明らかにされた。鉛蓄積と治療抵抗性高血圧の統計学的に有意な関連は、血液または膝蓋骨においては認められなかった。 |
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心筋梗塞に罹った患者において抗リン脂質抗体レベルが上昇している [2018-10-30] |
Levels of antiphospholipid antibodies elevated in patients suffering a myocardial infarction |
リウマチ性疾患と関連する抗リン脂質抗体レベルは、自己免疫性疾患を有さない心筋梗塞(MI)患者においても上昇している、とAnnals of Internal Medicine に掲載された。研究者らは、初回MI発症患者と健常対照群を比較した。彼らの血液は3つの異なる型の抗リン脂質抗体(免疫グロブリンG[IgG]、M[IgM]、およびA[IgA])について、MI発症後6〜10週目に解析された。11% の患者がカルジオリピンおよびβ2グリコプロテイン-Iに対する抗体を有しており、この割合は対照群の10倍多かった。割合の増加は、血栓と最も関連のあるIgG抗体においてのみ認められた。 |
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活発な運動を増やすことは小学生の2型糖尿病および心血管疾患のリスクを減少させる [2018-10-23] |
Increasing vigorous exercise decreases risk of type 2 diabetes and cardiovascular disease in primary school children |
身体活動は、たとえ小児であっても2型糖尿病や心血管疾患のリスクファクターを減少させる、とJournal of Medicine & Science in Sports に新たなスタディ結果が掲載された。小学生を2年間追跡調査した結果、運動不足はリスクファクターを蓄積させたが、活発な運動を増やすことによりこれらは軽減した。この変化は、スタディ開始時に計測されたリスクファクターや身体活動のレベルに加え、性別、生物学的成熟度および除脂肪体重とは関連がなかった。この研究は、一般的な小学生におけるこれらの相関を確実に示した初めての追跡調査の1つである。 |
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肥満手術は糖尿病を有する肥満患者の心筋梗塞、脳卒中および死亡を減少させる [2018-10-23] |
Bariatric surgery reduces myocardial infarction, stoke and death in obese people with diabetes |
肥満手術を受けた高度肥満の糖尿病患者は、糖尿病に対する通常の治療を受けた患者に比べ5年以内の心筋梗塞(MI)または脳卒中の発症率が40% 低い、とJAMA に掲載された。手術を施行された患者はまた、同じ期間内の心疾患発症率が3分の1超低く、総死亡率が3分の2低かった。この研究は観察研究であり、ランダム化臨床試験ではないため、肥満手術がMI、脳卒中、心疾患および死亡の確率を減少させたことを確実に証明できてはいない。 |
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心筋梗塞予防に関する早期介入への道を開く強力な技術 [2018-10-16] |
Powerful technology paves way for early interventions to prevent myocardial infarctions |
one-off DNA test を用いることで成人期の心筋梗塞リスクが高い人々をより若年期に見分けることができる、と Journal of the American College of Cardiology に掲載された。ゲノムリスクスコア(GRS)が人口の上位20% に入る人々は、これが下位20% に入る人々に比べ、冠動脈疾患発症率が4倍以上高かった。現在の標準的な健康診断で健康と思われる男性でもGRSが高い人は、GRSが低く従来のリスクファクターを2つ有する人と冠動脈疾患発症率がちょうど同程度であった。 |
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健康的な生活習慣を奨励する教会ベースのプログラムは教育プログラムよりも収取期血圧を低下させた [2018-10-16] |
Church-based program encouraging healthy lifestyle reduced systolic blood pressure more than educational program |
地域密着型のヘルスワーカーにより教会内でもたらされる生活習慣介入は、健康教育単独に比べ血圧を有意に低下させた、と Circulation: Cardiovascular Quality and Outcomes に掲載された。研究者らは、ニューヨーク市内の32の教会における成人373人について、宗教理念に基づく生活習慣改善と動機付け面接を組み合わせたプログラムの影響を、健康教育単独の場合と比較した。6か月にわたる集中プログラム実施後、生活習慣改善群では健康教育群よりも収縮期血圧が5.8 mmHg多く低下した。この有益性は9か月後にも持続していたが、低下値は縮小した(5.2 mmHg)。拡張期血圧に有意な変化はなかった。 |
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心血管イベントのスクリーニング法としてのCTによる腹部大動脈石灰化の評価の可能性 [2018-10-09] |
Potential of CT-based abdominal aortic calcification assessment as a screening tool for adverse cardiovascular events |
コンピュータ断層撮影(CT)による腹部大動脈石灰化の測定は心筋梗塞(MI)および他の心血管イベントの強力な予測因子である‐広く用いられているフラミンガムリスクスコアよりも強力‐とのスタディ結果がRadiology に掲載された。研究者らは無症状の患者829人(平均年齢約58歳)においてCT上の腹部大動脈石灰化と心血管イベントとの関連を調査した。腹部大動脈石灰化スコアは、心血管イベントを有する患者においてイベントを有さない患者よりも平均5倍以上高かった。今回の結果は、患者が余分な時間や被曝を要さない任意型検診ツールとしての腹部大動脈石灰化評価の可能性を示している。 |
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体重および他の因子の変動が大きいことは心筋梗塞および脳卒中のリスクを上昇させる可能性がある [2018-10-09] |
COAPT: Transcatheter device used to treat secondary mitral valve regurgitation in heart failure reduces hospitalizations and improves survival |
体重、血圧、コレステロール値および/または血糖値が大きく変動すること以外は健康な人々はこれらがより安定している人々に比べ、心筋梗塞(MI)、脳卒中および総死亡のリスクが高い可能性がある、とCirculation に掲載された。平均5.5年の追跡期間中、これらの測定値が安定していた人々に比べ、全ての測定値の変動が大きかった人々(上位 25%)は死亡確率が127% 高く、MI発症率が43%、さらに脳卒中発症率が41% 高かった。 |
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ULTIMATE:IVUSガイド下薬剤溶出性ステント植込みは全ての参加患者の臨床予後を改善する [2018-10-02] |
ULTIMATE: IVUS-guided drug-eluting stent implantation improves clinical outcomes in all-comer patients |
全ての来院患者に薬剤溶出性ステントを植え込む際に、冠動脈造影ガイダンスよりも血管内超音波(IVUS)ガイダンスの方が有益であることを見極めるようにデザインされた初めてのスタディにおいて、IVUSが標的血管不全率を低下させることにより臨床予後を改善することが明らかにされた。PCI施行1年後に計60(4.2%)の標的血管不全が生じ、うち21(2.9%)はIVUS群であり39(5.4%)は冠動脈造影群であった(p=0.019)。IVUS群は冠動脈造影群に比べ標的病変血行再建施行率が低かった(0.9% vs. 2.3%、p=0.02)。このスタディ結果は30th annual Transcatheter Cardiovascular Therapeutics conference で発表され、Journal of the American College of Cardiology に掲載された。 |
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COAPT:心不全患者における二次性僧帽弁閉鎖不全の治療に用いられるカテーテルデバイスは入院を減少させ生存率を改善する [2018-10-02] |
COAPT: Transcatheter device used to treat secondary mitral valve regurgitation in heart failure reduces hospitalizations and improves survival |
二次性僧帽弁閉鎖不全を有し許容できる最大の薬物療法を受けてもまだ症状を有する心不全患者において、経カテーテルMitraClipデバイスを用いた治療を受けることで入院率および死亡率が低下した。心不全入院率はデバイス群で患者‐年当り35.8% であったのに対し、コントロール群では患者‐年当り67.9%(p<0.001)であった。24か月後の総死亡率はデバイス群で29.1% であり、コントロール群で46.1% であった。COAPT試験のこれらの結果は、30th annual Transcatheter Cardiovascular Therapeutics conference で発表され、New England Journal of Medicine に掲載された。 |
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