◆ |
健常若年者はLDLコレステロールが高いと心血管疾患にかかりやすい [2018-08-28] |
Healthy young people still vulnerable to cardiovascular disease if their LDL cholesterol is high |
健常若年者36,000人超を20年以上追跡したスタディの結果、"低リスク"と考えられる健常者でも、低比重リポ蛋白(LDL)コレステロール値が高いと心血管疾患で死亡する確率が高いことが明らかにされた、との観察研究の結果がCirculation に掲載された。他のリスクファクターを考慮に入れずに、LDLコレステロール値が100 mg/dL未満の参加者に比べ、LDLコレステロール値が100〜150 mg/dLの参加者は、心血管疾患死のリスクが30〜40% 高いことが示された。LDLコレステロール値が160 mg/dL以上の参加者は、心血管疾患死リスクが70〜90% 高かった。 |
 |
◆ |
母乳育児を少なくとも1人の子供に行った母親は閉経後の脳卒中リスクが低い [2018-08-28] |
Lower risk of stroke in post-menopausal women who reported breastfeeding at least one child |
母乳育児は子供にとって良いばかりでなく、母乳育児を行った閉経後女性の脳卒中リスクをも低下させる可能性があるとのエビデンスが増加している、と Journal of the American Heart Association に掲載された。年齢や家族歴などの修正不可能な脳卒中リスクファクターで補正後、母乳育児を行った全ての女性は脳卒中リスクが平均で23% 低かった。母乳育児と脳卒中リスクが低いこととの関連は、母乳育児を6か月以上行った女性および黒人の女性で強かった。 |
 |
◆ |
高血圧に対する早期治療としての低用量3剤配合剤は安全かつ有効であることが証明された [2018-08-21] |
Low dose three-in-one pill for early treatment of hypertension proves safe and effective |
降圧目的の新たな低用量3剤配合剤は世界中における降圧療法を一変させる可能性がある、とJAMA に掲載された。このトライアルには、平均年齢56歳および平均血圧154/90 mmHgの患者700人が組み入れられた。患者は、配合剤投与群または通常治療群(主治医が降圧薬を選択)にランダムに割り付けられた。配合剤はテルミサルタン(20 mg)、アムロジピン(2.5 mg)、およびchlorthalidone(12.5 mg)の合剤であった。ほとんどの患者‐70%‐がこの3剤配合剤を用いることにより血圧が目標値を達成したのに対し、通常治療群においては半数超であった。 |
 |
◆ |
重症の下肢虚血に対する下肢切断は血行を再建する他の治療法よりも生存率が低い [2018-08-21] |
Amputation for critical limb ischemia has lower survival rate than other treatment options that restore blood flow |
重症下肢虚血患者の下肢の血行を再建する治療は、下肢切断よりも安価で生存期間も長い可能性があるとの新たな研究結果が、 Journal of the American Heart Association に掲載された。4年を超えるスタディ期間中の生存率は、ステント使用の有無に関係なく血管内血行再建術を施行された患者で38%、外科的血行再建術を施行された患者で40%であり、大切断を施行された患者では23%であった。米国ベースのスタディにおける追跡期間中の年間医療費は、血管内血行再建術で$49,700、外科的血行再建術で$49,200であり、大切断術で$55,700であった。 |
 |
◆ |
あるタンパク質がDuchenne型筋ジストロフィーにおいて心機能を保護する可能性がある [2018-08-07] |
A protein could be key to preserving heart function in Duchenne muscular dystrophy |
Duchenne型筋ジストロフィーを有する小児および若年成人において、脳および脊髄の神経細胞を生存させることで知られる、あるタンパク質が心不全も予防する可能性があることが、American Heart Association's Basic Cardiovascular Sciences Scientific Sessions 2018 で発表された。研究者らは小数例のDuchenne型筋ジストロフィー患者群を調査し、脳由来神経栄養因子(BDNF)の血中濃度およびこのタンパク質の受容体トロポミオシン関連キナーゼB(TrKB)を計測した。BDNFは、心臓がまだ機能している患者において最初は上昇するが、心機能が低下した患者では低下するようである、と彼らは指摘している。 |
 |
◆ |
過体重は若年成人の心構造および機能を変化させる可能性がある [2018-08-07] |
Being overweight may change young adult's heart structure and function |
若年成人期であっても、過体重であることは高血圧および心室壁肥厚を引き起こし、その後の心疾患のきっかけとなる可能性がある、とCirculation に掲載された。研究者らは、現在進行中のChildren of the 90s study に参加した健康な17歳および21歳の数千人のデータを使用した。その結果、BMIが大きいほど収縮期および拡張期血圧が上昇し左室が拡大するなど、動脈硬化の前兆である可能性のある変化を引き起こすことが示唆された。筆者らは、若年時から正常体重を維持する努力が後の心疾患発症予防に役立つ可能性がある、と述べている。 |
 |