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従来のHDLコレステロール計測は閉経後女性の心疾患リスクを正確に表さない [2018-07-31] |
Traditional measure of HDL cholesterol fails to accurately depict heart disease risk for postmenopausal women |
Arteriosclerosis, Thrombosis, and Vascular Biology に掲載された研究の結果、HDLコレステロールが高いことは高齢女性において必ずしも心血管疾患リスクが低いことを示すわけではない−このことは、特に女性においてHDLコレステロールを心疾患リスク予測に用いる現在の方法に疑問を投げかけている。高HDLコレステロールと動脈硬化リスクとの有害な関連性は、更年期後期および閉経後10年以上経過した女性において最も明らかであった。他の代謝性変化に加え、エストロゲン減少などの閉経後因子が経時的な慢性炎症のきっかけとなり、HDL粒子の質を変化させる可能性があるとの仮説を筆者らは唱えている。 |
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オメガ3サプリメントの心血管疾患リスクに対する予防効果はほとんどまたは全くない [2018-07-31] |
Little or no protective effects of omega 3 supplements on risk of cardiovascular disease |
オメガ3脂肪酸を食物またはサプリメントから摂取することは、心血管死または総死亡に対しおそらく、ほとんどまたは全く効果がない。しかし、α-リノレン酸(ALA)を摂取することはおそらく、不整脈リスクを3.3% から2.6% に低下させる。研究者らはまた、長鎖オメガ3脂肪酸(エイコサペンサエン酸−EPA、およびドコサヘキサエン酸−DHA)を摂取することは、主にサプリメントを介しては、心血管イベント、冠動脈疾患、冠動脈イベント、脳卒中または不整脈に対しおそらく、ほとんどまたは全く効果がないことを明らかにした。この研究結果はCochrane Library に掲載され、また112,059人を組み入れた79のランダム化トライアルの結果を結合したものである。 |
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喫煙本数と心房細動リスクとに直線的な用量反応相関が認められた [2018-07-24] |
Linear dose-response relationship found between number of cigarettes smoked and risk of atrial fibrillation |
喫煙すればするほど心房細動(AF)リスクは上昇する、とEuropean Journal of Preventive Cardiology に掲載された。研究者らは、喫煙本数が1日10本増加するごとに、AFリスクは14% 上昇することを明らかにした。1日当たりの喫煙本数が0本である場合に比べ、1日当たりの喫煙本数が5、10、15、20、25および29本である場合、AFリスクはそれぞれ9%、17%、25%、32%、39% および45% 上昇した。喫煙歴のない人々に比べ、現喫煙者はAFリスクが32% 高く、一方、喫煙歴を有する人々(現喫煙者と過去の喫煙者)はリスクが21% 高く、過去の喫煙者はリスクが9% 高かった。 |
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排気ガス汚染地域であっても、運動は初回および再発の心筋梗塞リスクを低下させた [2018-07-24] |
Physical activity reduced risk of first and recurrent myocardial infarction even in areas with traffic pollution |
中等度から重度の排気ガス汚染地域であっても、定期的な運動は初回および再発の心筋梗塞(MI)リスクを低下させた、とJournal of the American Heart Association に掲載された。大気汚染がより重度であるとMIはより多かったが、このリスクは運動をする者で低かった。週4時間以上の中等度のサイクリングは、MIリスクを31% 低下させた。大気質に関係なく、全てのタイプの運動(合算して週4時間以上)を組み合わせると、リスクは58% 軽減された。 |
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ニコチンを含んだ電子タバコの喫煙は血管機能に有意な影響を及ぼす [2018-07-17] |
Smoking e-cigarettes containing nicotine has significant impact on vascular function |
ニコチンを含んだ電子タバコの喫煙は血管機能に有意な影響を及ぼす、とVascular Medicine に掲載された。電子タバコおよびタバコの使用は、ニコチンを含まない電子タバコに比べ、ともにバイタルサインに影響した。末梢収縮期血圧は、電子タバコ喫煙45分後、およびタバコ喫煙15分後に有意に上昇した。心拍数もまた、電子タバコ喫煙後45分間上昇し続けたままであり、喫煙後30分間は心拍数が8% 超上昇していた。それに比べ、従来のタバコは心拍数を30分間上昇させ、これに関してもニコチンを含まない電子タバコでは変化がなかった。 |
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総合ビタミン剤およびミネラルのサプリメント摂取と心血管疾患リスク低下は関連がなかった [2018-07-17] |
No association found between taking multivitamin and mineral supplements and a lower risk of cardiovascular disease |
総合ビタミン剤およびミネラルのサプリメント摂取は心筋梗塞、脳卒中または心血管死を予防しないとの新たな研究結果が、Circulation: Cardiovascular Quality and Outcomes に掲載された。総合ビタミン剤およびミネラルのサプリメントに関する心血管疾患予防効果については、適切に実施された多くの研究でこれらが有用でないことが示唆されたにもかかわらず、議論がここ数年間繰り広げられてきた。今回の研究チームは、計200万人の参加者を対象とし平均12年間追跡した、ランダム化コントロール試験および前向きコホート研究を含む公表された18の個々の論文のメタ解析を行った。その結果、総合ビタミン剤およびミネラルのサプリメント摂取は、心血管疾患または心血管死のリスクを低下させないことが明らかになった。 |
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スタディの結果、心房細動患者におけるカテーテルアブレーションの広範な使用が推奨される [2018-07-10] |
Study leads researchers to recommend broader use of catheter-based ablation in patients with atrial fibrillation |
薬物療法単独の代わりにカテーテルアブレーションを用いることで、心房細動患者の死亡および脳卒中のリスクが軽減する、とCirculation: Arrhythmia and Electrophysiology に掲載された。アブレーションは現在、薬物療法が有効でないまたは薬物療法に対する忍容性が低い場合に推奨される。研究者らは各々約4,000人から成る2つの群(アブレーションを用いる群と用いない群)を比較した。アブレーションの有益性は30日後明らかであった:死亡したのはアブレーション群84人対コントロール群189人;虚血性脳卒中発症はアブレーション群55人対コントロール群86人;出血性脳卒中はアブレーション群17人対コントロール群53人であった。 |
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CTと運動負荷核医学検査を用いた心臓ハイブリッドイメージングは有害心イベントを予測する [2018-07-10] |
Cardiac hybrid imaging with CT and nuclear stress testing predicts adverse cardiac events |
冠動脈CT造影と、単一光子放射断層撮影(SPECT)を用いた心筋血流イメージングを融合した心臓ハイブリッドイメージングは、有害心イベントの優れた長期予測因子であるとRadiology に掲載された。一致する所見‐CCTA上50% 以上の狭窄、および狭窄血管から血液供給を受けていた心筋領域のSPECT上虚血所見‐を有する患者は、正常所見の者に比べ、有害イベントリスクが5倍以上高かった。重大な有害心イベント率は、一致する所見を有する者で21.8% であり、一致しない者では9.0% であった。 |
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心室性不整脈の小児に対する外科的な植込み型除細動器の代替としての着用型自動除細動器 [2018-07-03] |
External wearable defibrillators as alternative to surgically implanted device for children with ventricular heart rhythm disorders |
心室性不整脈の小児において、心臓突然死のリスクのある時に装着する着用型自動除細動器は、外科的植込み型除細動器の安全で有効な代替となる可能性がある、とCirculation: Arrhythmia and Electrophysiology に掲載された。この解析に含まれた患者455人中、8人(1.8%)が不整脈を止めるために少なくとも1回の電気ショックを受けた。不適切な治療を受けた2例においては、患者の心臓からの信号を誤判読した際に装置が誤発火した。全症例において、危険な不整脈は停止され正常な調律に戻り、患者は生存した。 |
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頻回にビンジ飲酒をする若年成人は一部の心血管リスクファクターを発生する確率が高い [2018-07-03] |
Young adults who frequently binge drink increase likelihood of developing certain cardiovascular risk factors |
頻回にビンジ飲酒をする若年成人はビンジ飲酒をしない者と比べ、一部の心血管リスクファクターを発生する確率が高い、とJournal of the American Heart Association に掲載された。このスタディにおいて、ビンジ飲酒をしない者と比べ、繰り返しビンジ飲酒をする若年男性は収縮期血圧および総コレステロールが高く、一方繰り返しビンジ飲酒をする若年女性は血糖値が高かった。全ての結果は、食事や運動を考慮しても依然として認められた。ビンジ飲酒は、過去30日以内の1回あたり男性で連続して5杯以上の飲酒(女性では4杯以上)と定義された。 |
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